【まんが・コミック感想】腕~駿河城御前試合~無明逆流れ  南條 範夫  森 秀樹【レビュー】【ネタバレ注意】

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駿河城御前試合  無明逆流れ 南條 範夫  森 秀樹

あの「シグルイ」の原作とも言うべき書籍・・・の
コミック版です
絵柄が何となくとみ新蔵先生や平田弘史先生に似ていますが
森秀樹先生の作品だそうです

ちなみに原作レビューはこちらです

 

 

腕~駿河城御前試合~無明逆流れ  あらすじと感想

 

こんにちは、こんばんは
エビシャコです

レビュー参ります

どれもこれも面白すぎて紹介したいのですが
特に面白かった「飛竜剣敗れたり」をチョイスします

・「飛竜剣敗れたり」

主人公は加賀藩に仕えていた武士・赤江剛蔵(これも本名ではないそうです)
赤江剛蔵は女性問題で脱藩逐電しましたが、加賀藩大番頭に拾われました
「剣の腕でのし上がる」野心を抱いていましたが、藩には
罪人をあっという間に3つに切ってしまう胴切りの名人・武芸師範・石黒武太夫がいました
赤江剛蔵を藩士として就職するのに助力してくれた大番頭の息子の村岡安之助が
惚れている女性・珠江
そして、赤江剛蔵の「剣の腕でのし上がる」野心の障害になる藩の武芸師範・石黒武太夫もまた
珠江を嫁に所望していました
そこで、赤江剛蔵は一計を案じます
村岡安之助が石黒武太夫と決闘をするように仕向け、
こっそり助力(脇差を投げて)して石黒武太夫が討たれるようにします

かくて、石黒武太夫は死亡、村岡安之助は珠江をゲット
ウィンウィンです

で、ここで満足していればこの後のお話にはつながらなかったでしょう
が・・・
赤江剛蔵は強欲すぎました

・また女性問題起こして脱藩に至る赤江剛蔵

赤江剛蔵は前述の一件を恩に着せ、金をせびるようになります
そしてどんどんエスカレートしていき・・・
ついには、珠江を欲するように
さすがに村岡安之助もキレて赤江剛蔵へ斬りつけます
赤江剛蔵は顔に傷を負ったものの小太刀を投げ、隙を突いて斬り(後の「飛竜剣」
村岡安之助を返り討ちにします

これで手打ちにしておけばよかったのですが
赤江剛蔵は死に行く村岡安之助に珠江へ手を出すと宣言
そのまま珠江の所へと駆け込み・・・
暴行して縄で縛ってさらに暴行
彼女を死に至らしめて脱藩逐電しました

その後、甲府城下に「未来知新流」の道場を開く「黒江剛太郎」が現れます

・黒江剛太郎の「飛竜剣」

黒江剛太郎は二刀流の技の使い手で、極意である「飛竜剣」で連戦連勝してきました
腕っぷしの強さを見込んで門弟を望む者が増え
結果、彼の道場はにぎわう事になりました
ここで、まじめな道場運営をしていればよかったのですが・・・
甲府城奉行・日向半兵衛正之の邸の茶会の席で
「円明流の宮本武蔵が二階堂流の剣士との試合を怖れて逃げた」という話が出ます

そこで黒江剛太郎は「武蔵の二刀流は本物ではない」と口走った上に
話の流れるまま駿河藩の二階堂流剣士・片岡京之介との真剣試合を望みます

・エビシャコが考察する「飛竜剣」の弱点


次に進む前に、黒江剛太郎の技について考察させていただきます・・・

「飛竜剣」
こんな名前を付けてはいますが、ようするに「脇差を投げて意表をついてその隙に斬る」というだけです
事前に知っていれば対策もしやすいですし、なにより「隙を突いて斬る」だけなので
相手が脇差を意にも介さず向かってきたら・・・
そこから先は互いのガチ力量勝負です
その上、この技を実行した当人が相手の意外な行動に面食らって隙を産んでしまう可能性もあるという
諸刃の刃でもあります

これまで、一般的力量の侍が相手だったから勝てただけで
格上かつ事前情報をしっかりリサーチしていたり
あるいは飛んでくる脇差を意にも介さない、脇差が自分に刺さっても確実に殺しに来る相手とかには
恐らく通用しないでしょう
中には、脇差を放り投げる前に手裏剣を投げてくる者もいるかもしれません
行動を読まれて投げる前に脇差を叩き落とされたら、もう「飛竜剣」は使えません

何が言いたいかと言うと、「飛竜剣」は相手の意表を突く技ではあるものの
単純さゆえに対策もしやすい、ということです

例えば・・・宮本武蔵塚原卜伝あたりなら、そうでなくとも「忍者」とかなら
初対面で事前情報なしでも即興対策して挑むでしょう
軽い暗器ならともかく「脇差」はそれなりに重量あるので、
投げる前に事前に動作を察知されやすいです
もっとも彼らならその場で即興で誰もが予測しない解答を出してもおかしくありません

ですが・・・井の中の蛙大海を知らず
赤江剛蔵(黒江剛太郎)はどんどん増長していき
ついに、やらかします

・黒江剛太郎、最大最悪のミス

黒江剛太郎は真剣試合を望みますが・・・
相手の片岡京之介は望んでいませんでした
そこで、黒江剛太郎は「片岡京之介は臆病者」などの悪評を
駿河城下に流し、真剣勝負に出ざるを得なくなるよう仕向けます
そして、「飛竜剣」で片岡京之介を殺します

片岡京之介にはたまったものではありませんね

そしてこの件でますます門下生が増えた道場
問題なのは、人が増えれば末端から腐っていくのが組織の常
「薩摩示現流」でもこんな事があったエピソードがありました
ですが、「薩摩示現流」の東郷重位ほどの人物ではない黒江剛太郎は
門下生の暴れるまま、自ら1000人に増えた彼らを率いて
他の道場に殴り込んだり、火を付けたりとやりたい放題
どんどん増長していきます
「武蔵が恐れた二階堂流を未来知新流が破った」
この噂を止めもせずに広がるまま・・・・・・

これは彼が犯した最大最悪のミスと言っても過言ではないでしょう
と、言うのは・・・
ウワサというものは尾鰭胸鰭がつくのが世の常です
「宮本武蔵も恐れた剣術に勝った」と言う話が
「宮本武蔵に勝った」「武蔵が恐れて逃げ出した」に変化していくのは
想像に難くありません
まして当時はネットもない口コミ伝言ゲームが主流の時代
このように変化していくのはもはや止めようがないです

で、そうなったらどうなるかと言うと・・・
当然、「宮本武蔵」本人の耳に入ります
舐められたら食べていけない仕事なので、
当然「宮本武蔵」は動かざるを得ません

結果、黒江剛太郎は「宮本武蔵」本人から
決闘状を叩きつけられることに・・・

しかも、さっしーメチャクチャキレてます・・・

 

・宮本武蔵がキレた訳

前述で「宮本武蔵本人から決闘状を叩きつけられることになった」と述べましたが
これ、なんと御前試合での試合を望むとまで書き加えられていました
この御前試合、主催者側の意向ですべてが真剣による命のやり取りになっている事は
原作通りです
つまり、遠回しに「お前を殺します」と言っているのと同じです

どうしてこうなったか
何がここまで剣豪武蔵を激怒させ相手を殺す決意をするに至ったか

・・・ここまでお読みの方々なら察しが付くでしょう

宮本武蔵は剣豪ではありますが、殺し屋ではありません
人の命を奪うまでもなく、木刀の勝負でつくのならそれに越したことは無いのですが・・・
いかせん、当の黒江剛太郎の素行が悪すぎました

宮本武蔵は剣豪ではありますが、ぶっつけ勝負ばかりの脳筋ではないのです
相手を事前にリサーチした上で勝負に臨むからこそ、連戦連勝を重ねてきたのです
例えば・・・事前にガチガチに準備する相手にはわざと予定時刻より早めに来て奇襲するとか
例えば・・・自信家の相手にはわざと遅刻したり相手の行動に突っ込んだりして動揺を誘うとか
そうやって己の腕以外にも頭脳心理戦をも駆使する男です
だからこそ、あの佐々木小次郎をも倒して「最強」を手にするに至ったのです

だから・・・・・・
黒江剛太郎がもしも弱小道場の主で素行も真面目で、
たまたま「武蔵も恐れた」と言う看板を持った相手に勝っただけ・・なら
木刀での試合で十分だったでしょう、
名前も伏せた上で人知れず挑んだかもしれません
「良き勝負であった」と礼を述べて去り際にぽつりと本名を告げる・・・
黒江剛太郎は「なんと・・・あなた様が・・・」と、その背に向かって礼をする
歴史の中に埋もれる事になる、そんな美談もありえたでしょう

が、黒江剛太郎はやりすぎました
当然いい評判なはずもなく、調べていくうちに武蔵の疑惑は確信に変わり
そして徐々に怒りがこみあげてきたのでしょう
武蔵じゃなくてもこんな素行の人物が自分を負かせた事にして
増長しまくってたら「殺す!」となりますね・・・
武蔵は、「武蔵の二刀流は本物ではない」と口走ったことや
ひょっとしたら、黒江剛太郎の前の元々の名前「赤江剛蔵」の事件まで
調べていたかもしれません
それよりなにより、「黒江剛太郎」に恨みのある人間は少なくないですし
中には「宮本武蔵に討ってほしい」とつぶやいた人もいるかもしれません
「ならば武蔵、討たねばならぬ!!」となったかもしれませんが、
それよりも
「こんな奴を生かしておいては剣豪の面汚しだ」
と思った可能性が高いかもしれません

いずれにせよ・・・
黒江剛太郎は自らの手で死神を招き寄せてしまったのです
しかも死神を怒らせて本気で殺す気にさせるのに、
十分すぎる言動をこれまでしてきました・・・

・当然の結末~飛竜剣敗れたりbyさっしー~

で、試合当日
黒江剛太郎は例の如く「飛竜剣」を披露しましたが、

今度ばかりは相手が悪すぎました
リサーチを欠かさず常に「万全」を期す剣豪・宮本武蔵は、相手の技を完全に予測しており
あっさりと飛んできた脇差をはじいてしまい・・・
黒江剛太郎は動揺した隙に駆け寄った武蔵に斬られて死亡です

全く脇差を意に介さず弾いた上に
一切のためらいもなく切って捨てにかかる様から
彼の怒りの大きさが伺えます・・・

調子に乗り過ぎた男が招いた、当然の帰結でした
逃亡先で心を入れ替えて真面目に剣術をしていれば、こうはならなかったでしょう

全ては怒らせてはいけない人を怒らせた結果
己の増長が招いた結果です・・・

なんとなく、「クウガ」のゴ・ジャラジ・ダさんを連想しますね

え?
これをベストエピソードに選んだ理由ですか?
リントが苦しむのを見るのが好き散々調子に乗った輩が調子こき過ぎて自業自得で自滅
と言う展開が大好物なだけです
他意はありません!

このブログのコラムで、度々触れているあの人ら
いずれはこうなるかもですね・・・

恨みを買い続ければ誰も助けてくれず、それどころかその存在の抹消をすら望むようになるのは当然の流れなのです

ではまた

(追記)このエピソード、実は原作のお話とはかなり違います
そもそも原作には宮本武蔵は出てきませんので

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