【まんが・コミック感想】機動戦士ガンダム 光芒のア・バオア・クー (角川コミックス・エース) Ark Performance サンライズ 【レビュー】【ネタバレ注意】 | 回廊蝦蛄日和

【まんが・コミック感想】機動戦士ガンダム 光芒のア・バオア・クー (角川コミックス・エース)  Ark Performance   サンライズ 【レビュー】【ネタバレ注意】

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機動戦士ガンダム 光芒のア・バオア・クー (角川コミックス・エース)  Ark Performance   サンライズ

 

一年戦争の決戦! ア・バオア・クーの戦い
それを経験した各陣営の兵士たちの証言をもとに
作成されたコミックです!

 

 

 

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機動戦士ガンダム 光芒のア・バオア・クー (角川コミックス・エース)  Ark Performance   サンライズ

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あらすじと感想

 

こんにちは、こんばんは
エビシャコです


レビューまいります

 

 

 

・ア・バオア・クーとは

 

ご存知ない方のために説明しますと、いわゆる「宇宙要塞」です
元々はソロモンやルナツーと同じくアステロイド・ベルトからラグランジュポイントに
運ばれてきた資源採掘用の小惑星でした
この中に基地の他、MSの生産施設も作られており
その位置はサイド3により近く・・・
ここを抑えられることは、ジオン本国への侵攻の足掛かりを
連邦に与えてしまう事を意味する重要拠点です
そのため、ソロモンが陥落した後のジオン陣営は
急ピッチでそこに持てる戦力を集結させます

「赤い彗星」をはじめとした名のあるエースに加え
ジオングといった新型や試作機、さらにビーム兵器標準装備の対ガンダム新型MSゲルググ、
そして学徒兵までも動員して数合わせを行い
要塞級の巨大空母「ドロス」「ドロワ」までも参加させた結果・・・!!

ジオンは敗北します!

私のせいじゃないですよ!?

・・・ええ、本当にどうしてこうなったかと言うと・・・
各諸説ありますけど

エビシャコの意見は後述します

 

・空母「ドロス」の最期

 

「弾と推進剤」を要求する現場からの切羽詰まった通信
それが、連邦兵でありエンジニアのユーイチ・アサイ(当時曹長)
この「大事件」に関わるきっかけでした
彼が所属する部隊の733MS中隊が戻らず、この通信を送ってよこしたのです
「大物とやりあってる」と散々無線でわめいていたことから
かなり切羽詰まった状況
見殺しにもできないので、彼を含む3人がくじ引きで
リペア用にカスタマイズされた「ボール」で現場に向かいます
補給物資を持って

その結果
彼等は連邦軍MS隊がやり合っている相手を視認できる距離にまで接近する事に・・・
その相手とは

ジオン軍が誇る「要塞」の名にふさわしい巨大空母「ドロス」でした

大きさについては諸説ありますが・・・「要塞規模」という共通項があると言えば
その大きさと火力、そして搭載するMSの数などは想像いただけるでしょう

そのバケモノみたいな戦艦&艦載機部隊
わらわらと蟻のように連邦のジムやボールが囲い込んで撃ちまくっている状態です
ただし、蟻が獲物とする昆虫やその死骸らと異なり・・・
相手は火力防御共に万全です
しかも「Nフィールド」という戦場の一角をたった一隻で支えるほどの実力者・・・
その上、ドロスからは次々とジオンMS部隊が発艦し
時間が経つごとに敵の数が増えていく状態

こんな地獄に飛び込んでしまったユーイチ曹長は思わず逃げたくなりますが
補給部隊の到着を見つけたジムやボールがわらわらと群がっていき
逃げるに逃げられない状態に
しかも補給する片っ端から戦場に戻って撃ちまくるため
永久機関の如き補給作業に・・・

やがて、大きな衝撃を受けて曹長のボールは大破
幸い前部装甲をもってかれただけで済みましたが
彼は気絶してしまいます

そして、彼が目を覚ました時には周囲には誰もおらず
その視線が捕らえた先では

ジオンが誇る巨大要塞艦「ドロス」が爆発を起こし
崩壊していきました・・・

 

・とあるジオン兵の証言

 

ドロスが沈んだその少し前のお話です
証言者はジオン兵士アントニオ・レツィア
オデッサで「少佐」と共に戦い、さらにソロモンにも参戦した人物です
彼は運よく「ソーラ・システム」の照射から生き残り
(というか呑気な証言してるので、そんなとんでもないものが使われた事すら気づいてない様子)
ア・バオア・クーへ配属されます
彼はそこで主に通信や伝令を担当する雑用をしていました
ア・バオア・クー開戦当時は要塞内部にいたため、
いつ戦いが始まったかは知らない様子
そんな彼が荷物を運ぶように命を受けて司令部へ向かいます

そして、彼が司令室に到着する、ほんの少し前
「兄上、グレート・デギンをどこに配備されたので?」
「父上がアレを手放すと思うか?・・・沈んだよ」
「・・・兄上も、意外と甘いようで」
「キシリア、冗談はやめ・・・」「父殺しの男が!!!」

アントニオが司令室に入った時
司令室は完全に機能停止していました
キシリア少将だけが指示を飛ばし、彼女の取り巻きが動き・・・
他の将兵は「ある一点」を見上げています

アントニオがそちらへ目を向けると

総帥ギレン・ザビの遺体が天井に浮いていました

その後、彼は「ちょうどいい所に来た」とばかりに
ギレン総帥の遺体の運搬役に任命されました
あのギレン・ザビ総帥には今や護衛はおらず、彼一人だけが随伴兵士です

総帥を護衛する最後の兵士・・・というジオン兵にとって最大級の名誉を噛みしめる気分ではなく、彼は「あんなに偉大な人物の哀れな末路」に涙しました

その後、他の兵士によって総帥の遺体は「ザンジバル」に運ばれたようです

任を解かれ総帥の遺体と別れたアントニオ自身は要塞陥落時に連邦軍に投降
捕虜となり解放された後も色々な人々から
「ギレン・ザビの遺体の行方」について聞かれたそうです

が・・・
「ザンジバル」というのはたぶんキシリア少将のアレで・・・
キシリア閣下のザンジバルはア・バオア・クー脱出時に
連邦の艦隊に砲撃されて沈んでいますが・・
その直前にガンダム=アムロ・レイとの戦いを生き延びた
シャア・アズナブルが前方に回り込み
艦橋めがけてバズーカを撃ち込みます
撃ち込まれた弾はキシリア・ザビ少将の首を吹っ飛ばし、艦橋を破壊しました

連邦の艦が砲撃しなくても、とっくに制御不能でいつ沈んでもおかしくなかったのです

そして、この事件が引き起こした「もう一つの大事件」
それこそが「ドロスの撃沈」「ア・バオア・クーの陥落」でした

そもそも、事件が起きたのは開戦中であり
司令部が機能停止していい時では決してありません
短時間とはいえ司令部が機能停止した結果、
戦闘中のジオン軍は一時的に機能不全になります
そして、ここぞとばかりに連邦軍が押しまくり・・・
ジオンはこれを押し返すことができませんでした

司令部が機能停止している間に各防衛線は崩壊
この隙を突かれる形でドロスが沈められたことでNフィールドの防衛も崩れます

こうした連鎖によって均衡が崩れたことによる敗北説
を、エビシャコは支持しています

 

・不運すぎる少年兵~そもそもモブだから主人公に勝てるわけないです~

 

コルバド・ストルツ、彼はジオン学徒兵の一人として
ア・バオア・クーに参加しました
訓練は厳しかったものの待遇はかなり良く
みんな優しかったそうですが・・・
それは、いざ戦闘になったら「弾避け」にしかならない彼らの事を
察していたからではないかとコルバドは回想します
事実、戦闘開始後、ジオン兵たちは皆彼等より前に飛び出していきました
せめてもの罪滅ぼしに、学徒兵を守るかのように

コルバドは「ゲルググ」を、彼の友のアルバートは「ザクⅡ」を与えられます
当時、「ゲルググ」はビーム兵器初装備の最新鋭機でしたが
古参のジオン兵などはそれよりもザクを好みました
そちらの方が使い慣れているからです
なので、アルバートは先輩兵達と同じ機体に乗れることを喜びました

そして・・・開戦後、敵機を割り振っているレーダーの警告音に
「ありえない音」がします
好奇心に負けたアルバートはそっちへ行き・・・撃破されました

コルバドはアルバートを探しに遅れてそっちへ行った結果・・・
ガンダム
というまさに死神そのものとしか言いようのないバケモノに遭遇する羽目に
アニメをご存知の方は、さっき沈んだアルバートのザクが
アムロに劇中で堕とされたザク&パイロットの学徒兵だとお分かりいただけるでしょう

しかもガンダムはジオン軍の「赤い彗星」が駆る「ジオング」と交戦中!
ガンダムはコルバドのゲルググに「邪魔だ!」とばかりにビームライフルを向けます
が・・・・・
何故かアムロは銃口をそらし、ビームライフルを持つゲルググの右腕を吹っ飛ばして
戦いに戻りました

これはその時、コルバドが恐怖のあまり攻撃を忘れ怯えた事で
アムロがそれを感知して見逃した事によります
もし、ついうっかりでも「やる気」を見せていたら・・・・・・
彼の証言は得られなかったでしょう

コックピットに正確に攻撃する事に定評ありますから、主人公

コルバドはその後、「デラーズ艦隊」に拾われます


あのデラーズ閣下ともお近づきになるとか
エビシャコは羨ましいです(オイ

 

以上の証言から、「ガンガン敵を倒して進む主人公」というヒーローが
それと敵対する羽目になった側の「モブ兵士」にとって
どれだけ脅威かがお分かりいただけるでしょう

逆に、主人公=アムロ・レイにはその時遭遇した彼らの事は
「障害物」程度でしかありません・・・

 

・終戦の裏で

 

一年戦争の「ルウム戦役」、その直後にジオンから地球へ亡命した一団がいました
彼等は「反主流派」、ザビ家に反発する人々です
彼等は輸送艦パゾク巡洋艦ムサイ(ザクⅠ入り)を乗っ取って脱出
パゾクは捕捉されましたが、ムサイは連邦のルナツーへたどり着きました
当時最新鋭の巡洋艦ムサイと、MSを手土産に


当初、彼らを怪しんで拘禁状態にしていた連邦でしたが
「黒い三連星」に捕まり捕虜になっていたレビル将軍が帰還したことで
その待遇が変わります
「ザビ家の打倒」という共通項から彼らは連邦からの申し出に承諾し協力します
亡命者である彼らは、連邦のプロパガンダに組み込まれ
地球に派遣されてきたジオン軍兵士らの投降・亡命を促す作戦に参加し
実績を上げます
追撃戦にも持ち込まれたザクⅠに乗って参加させられましたが・・・
彼らが撃破されるとヤバイという事情があるので
連邦は彼らの安全を第一に考える配置をしたそうです

その後、彼らはこれまでの奉仕の御礼とばかりに連邦からジムを含む最新鋭の装備を与えられ、地球で待つ両親などの家族にも手厚い保障が与えられて、宇宙へ行きます

そして・・・運命の日
レビル将軍の座乗艦「フェーベ」を護衛していた彼らは
終戦の会談をすべくやってきたデギン公王座乗艦「グレート・デギン」との
会合に護衛として参加します

そこへ・・・

ジオン軍の大型兵器「ソーラ・レイ」が直撃
光は彼らとレビル将軍らをデギン公王もろとも飲み込みました・・・

なお、この時、父であるデギン公王がそこにいることを
ギレン総帥は把握していましたが・・・
事前の会話で父が終戦を望んでいることを知っていた総帥は
敢えて彼の行動を止めず、将兵からグレート・デギンの信号がソーラ・レイ射線上にあると報告が来ても構わず

発射を命じました

父を葬り去ったギレン総帥は妹キシリア少将に撃たれ死亡
そのキシリア少将はザンジバルごと破壊され死亡
ソロモンでドズル中将も、その前に北米戦線でガルマ大佐も戦死していたため
ザビ家直系はソロモン攻略戦を脱出した
ドズル中将の長女ミネバ・ザビ様ただ御一人に・・・

亡命団の人々はザビ家を嫌っていたようですが
果たして彼らがドズル中将と会っていたら・・・
どうなっていたでしょうね?

余談ですが、ドズル中将は「オリジン」でも活躍しておられます

 

・戦場での「救い」「人の心」

 

最後に、心温まるこんなお話を

この証言は当時ジオンの衛生兵だった医師のオラース・エーメ
第67医療大隊第4中隊にいました
ア・バオア・クーでは当時、医療設備がかなり充実していました
真空中でも簡易手術ができる医療パックなど、
最前線に送られるような医療設備がそこにありました

そして戦闘が始まると・・・彼が配属された先で
「木馬=ホワイトベース」が座礁していました
ホワイトベースはア・バオア・クーの中で行動不能になり
そこでジオン軍と交戦していたのです

オラースはその現場で医療活動を開始
(なお、現場に行く途中で木馬の擱座してる空間を横切る羽目になり
横切ったちょうどその時に木馬からガンキャノン部隊が出撃という
貴重な体験をしました)

戦闘時間が経過していくと、ジオン兵に加えて
連邦兵まで運び込まれるようになりました
もちろん、彼等もまた「患者」「救うべき命」であることに変わりはありません
ジオン兵同様の手当てを受けます

この「命を救う」と言う行動が、後にオラースたち自身をも救うことになります

やがて、オラースの耳に「木馬のクルーが撤退を始めた」という
情報が入ります

オラースが確認すると、ホワイトベースの乗組員たちは
ホワイトベースを放棄して脱出を始めていました

ちなみにこの時、連邦艦隊やMS隊はア・バオア・クーへ取りつくことに成功
内部へ侵入し戦闘したり、艦砲射撃を要塞に加えたりしており・・・
結果、要塞のあちこちで火の手が上がっている状態でした

ダメージコントロールしようにも、すでに総帥を粛清したキシリア少将は要塞の放棄を決断して司令部を去り、こっそり脱出・・・しようとしたところを乗艦諸共攻撃され戦死

ア・バオア・クーには医療設備だけでなく
戦闘のためのMSや武器弾薬も当然ながら大量に運び込まれているので・・・

つまり、いつどこで要塞の構造そのものを破壊する大規模な爆発が起きてもおかしくない状況です


それに引火すればホワイトベースといえども無事では済まないでしょう

そして、アムロ・レイはシャアたちと別れて大破したガンダムから
「コアファイター」を出して脱出
シャアはキシリア少将を討ち「ジオン・ズム・ダイクンの子キャスバル」として
ザビ家への復讐を果たします

が、これはそれと同時期に起きていたお話なので
オラースたちは当然そんなことを知りません

オラースは現場の戦闘指揮官と相談し
負傷者輸送の名目で医療チームと負傷兵たちだけで
その場を離れる事に

彼等を引っ張るのは、片腕と首から上を失ったリックドムです

ア・バオア・クーから出てしばらくして・・・
オラースの目の前で
ホワイトベースは擱座した区画の要塞上部の弾薬庫爆発の誘爆を受け、崩壊していきました

途端、リックドムは大慌てで加速します
リックドムのパイロットは爆発でホワイトベースや要塞の破片が
自分たちめがけて飛んでくることを把握したのでした
医療パックもノーマルスーツも
そんなものを受け止めるだけの防御力はありません

そんな絶体絶命の彼らに救いの手が差し伸べられます
それは、敵であるはずの連邦軍のMS隊でした
ジムに装備されているシールドとMSの装甲で
彼等はオラースたちを守ったのです

なんとなく、「逆襲のシャア」のクライマックス
「アクシズを押し返す場面」を彷彿とさせますね
地球を救うために、なぜかアクシズを落とそうとしていたはずの
ネオジオン側のMSや艦船までもがロンド・ベルに加勢
ついさっきまで殺し合っていたはずの敵味方が一丸となり
敵だった相手を助けてまでアクシズを押し返そうとした
屈指の名場面です

なお、例の「5,4,3,2,1、ぜろ~!!」
同時刻に起きたと推測されます

 

その後・・・・・・

終戦後、ア・バオア・クーは連邦に接収され「ゼダンの門」の名前で
連邦の基地になります
ソロモンは「コンペイトウ」・・・まぁそう見えなくもないんですけどね・・・)

そして
反スペースノイド派閥ティターンズの要衝となった「機動戦士Zガンダム」劇中にて、
エゥーゴと手を組んだハマーン・カーン様率いるネオ・ジオンにより
アクシズをぶつけられて大破・・・

普通、放棄した自分たちの基地を相手の基地にぶつけるとか
考えませんよね・・・
ハマーン様、あなたすごすぎです・・・

なお、この時に衝突したアクシズがその後どうなったかは
「逆襲のシャア」参照です

ではまた

(追記)「ジオンは、あと十年戦える」
じつは十年どころかUCの時代までもズルズル抵抗が続いて
F91の時代になっても残党残ってたりとか誰が予測したでしょうか・・・

 

機動戦士ガンダム 第08MS小隊

機動戦士ガンダム 逆襲のシャア ベルトーチカ・チルドレン

 

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