【小説・ノベル感想】ずうのめ人形  澤村伊智【レビュー】【ネタバレ注意】

LINEで送る
[`google_buzz` not found]
[`yahoo_buzz` not found]

ずうのめ人形

 

比嘉姉妹シリーズ第二弾、ついに二人は・・・
って早くないですか!?

 

ずうのめ人形

あらすじと感想

 

こんにちは、こんばんは
エビシャコです

ええ、はまっちゃいましたよ
文字通り

レビューまいります

 

・連続変死事件

 

野崎の勤める編集室は今日もお忙しでした
別の意味で
とある「原稿」を預かっていた社員「湯水」が変死
目を抉られているという状態で見に行った社員たちが発見しました
さらに、「原稿」を読んだ「岩田」が同じように死亡
その時は「彼の部屋の下」にいた彼の両親も巻き添えでした

そして、怪異はもう一人の原稿を読んだ社員「藤間」にも
その手を伸ばします

「ずうのめ人形」
この怪異は「カシマさん」に代表されるような
「ただ見聞きしただけでやってくる」系の厄介な類です
その手のお話の中には最後の方に「うそで~す」という付け加えで
打ち消したりとかしてくれてるものもあるのですが
この「ずうのめ人形」にある「うそで~す」は
「対処法なんてないよ」という悪意しかない打ち消しでした

かくして
野崎&真琴のコンビの出番です
ちなみにこの時、結婚間近!!

おめでとうございます!!!

2巻目で結婚にまでこぎつけるとか
かなり早いですね

大体はシリーズ終わってエピローグで
結婚してるパターンが多いんで

 

・怪談の原稿

 

怪談の原稿、それは著作者の過去の体験を元にしたものでした
何故そう分かったのかと言うと・・・
その現行の登場人物「比嘉美晴」
彼女は亡くなった真琴の姉であり比嘉姉妹の次女でした
主人公「りぃさん」が巻き込まれた怪異「ずうのめ人形」
それの解呪を引き受けたものの抗いきれず
主人公を庇う形で呪いを受け死亡しました

原稿の中でも彼女は比嘉姉妹長女にして
今や怪異が獲物を放り出してでも
名前を聞いただけで即座に逃げ出すほどに有名になってしまった
姉である「琴子」を見返してやりたいと言っていました


「琴子」は、除霊や解呪がどれほど危険か
怪異はそんなに甘い連中ではないという事を
彼女に教えていただけと思われますが・・・
琴子ほどでないにしろ能力者であった彼女は
腹に据えかねていた模様
恐らく、彼女のレベルでも相手にできる軽めの怪異や霊を
相手にしたことがあるのでしょう
その「腕に覚えがある」事が皮肉にも彼女に死を引き寄せてしまったのです
そしてこれがきっかけで、
琴子は真琴を「自分に残ったたった一人の肉親」として
愛するようになります

 

・「ずうのめ人形」

 

真琴の分析で明らかになったのは・・・
「ずうのめ人形」は「知ったもののところに来る」怪異
ただしそれそのものに殺傷力はありません
「ずうのめ人形」はあくまで「照準」にすぎず
「照準」が合った時、つまり「ずうのめ人形」が対象に辿り着いた時
本命の怪異が殺しに来るという仕組みです

「原稿」の話が本当だとすれば、
恐らく「術者」に従う「式神」のようなもの
一度発動すると「解かない限り」止められない類でしょう
そして「術者」以外の話を知った者に無差別に襲い掛かるため
「術者」が話をした相手がうっかり話をしてしまった場合
その話をされた相手にまで襲い掛かります
この融通が利かないところは現代の兵器のようですね

「ロックオン」して「発射」すれば相手を殺す
それが例え間違って照準された味方だったり無関係の民間人であっても
そして兵器の爆風などの範囲内に味方がいようと放つ命令を下した
当人がいようとお構いなし

最初に作った人も、たぶんこういうのを想定して作ったのでしょう
で、手に余って封印していたところを
解き放たれてしまった、と

作り方ですけど・・・照準が「和装の黒髪の少女の人形」と言う点から
「コトリバコ」と似たようなものではないかと・・・

おぞましすぎる話なのでかなり省力してかいつまみますけど
ようは、幼い子供を犠牲にして作り出した呪物ということです

どういう方法で生贄を捻出あるいは選定して
どんな教育をし、どんな方法で「呪物」に「加工」したかは
想像つきますけど
到底このブログに書けるような内容じゃないので
敢えて伏せます

こういう事する人って「人の皮被った悪魔」とか言われてますけど
悪魔はこういう度が過ぎる事は頼まれでもしないとしません
やるのも頼むのも「人間」という「発案者」の悪意ありきということを
お忘れなく

 

そもそも小細工の必要ないですからね

・呪いの首謀者

 

「原稿」の著作者は料理研究家「辻村ゆかり」
本名を「来生里穂」と言いました
幼い一人息子が家族です

あの、なんで私?

 

そして・・・

彼女は「呪い」を意図して広めました
解呪方法を知らない(恐らく棄却した)のに

「自分の生活を守るため」という理由だそうですが
恐らくそれは「建前」でしょう
単刀直入に言うと
「人を殺すための口実」

彼女はもう「手遅れ」です
完全に殺人の快楽に溺れています

恐らく彼女は事あるごとに「呪い」を試して
人を殺めていたのでしょう
それも小説に書かれた人たち意外に
かなり多数

最初は藁にすがる気持ちで
虐待してきた父親へ
都合の悪いことを知った同級生たちへ・・・
実験のつもり、というのもあったでしょう
彼女の弟や妹まで犠牲になってしまった事は誤算だったのは
恐らく嘘ではないでしょう
ですが・・・
それを繰り返すうちに
他人の命が自分の意思一つで決まること
それを奪うことができしかも罪に問われない安心
これらに彼女は気づいてしまったのでしょうね

「人を殺しても裁かれない」
「誰にも怪しまれることはない」
「いつでも好きな時に任意の人間を殺せる」

この3つを手にし、知ってしまった彼女は

もう、海外の3桁単位で人を殺し続けている
シリアルキラーたちと大差ありません
そして彼らと異なり警察は逮捕することができません
凶器が「呪い」では立証もできません
そして立証するには確実に人が死ぬことになるので
実験も不可能です

ついうっかりでも原稿をスキャンして電子化し
ネットに上げていたら
被害者数は100や1000では済みません
そうなる危険性があるのに
それを知らぬ彼女ではあるまいに
不特定多数の無関係の者が巻き込まれることを承知の上で
原稿に書いて出版社に出す、など
狂気の沙汰としか言えません

残念ながらこういう輩はもう、説得はできません
自分で止めることもできない上
当人には止めるつもりもないからです
楽しみを人に言われて止めるつもりがないからです

彼女の幼い息子さんが本当に気の毒でなりません
こんな相手でも「ただ一人の母」として慕っている場面は
いたたまれなくなります

 

 

 

・報いの時

 

さて・・・

このブログにあるこの記事を参考していただけると
調子こいた奴は大体自分で墓穴掘って破滅している
という事がお分かりいただけると思います

彼女もまた例外ではありませんでした

小説に書かなかった過去
公になるとまずい情報なので敢えて伏せていた過去

しかしそれをよく知る当事者にこれが読まれたらどうなるか?
それが彼女に恨みを持っている人だったらどうなるか?
そこまで計算していなかったようです

と、いうわけで
過去のツケの清算の時間がやってまいりました

野崎の勤めている職場の編集長の戸波さん
その「過去をよく知る当事者」
でありかつ「彼女に恨みを持っている人」でした

彼女は原稿の登場人物「ゆかりちゃん」の母親でした
「ゆかりちゃん」は本名を「アキ」と言い・・・
当時に受けたいじめが元で自殺していました
いじめっ子たちに虐められたこと
ではありません
里穂にホラー映画を題材にした暴虐を受けていたのです
戸波さんは娘の死をきっかけに彼女を調べ
特別学級の生徒をいじめていたことなどを突き留めました

身内の死、それも娘の死を忘れるはずなどありません
彼女は今までずっと「りぃさん」を探していたのです

復讐決行前に辞表と引継ぎの指示を用意し
彼女は一人敵のアジトへ乗り込みます

その時、呪いを受けた野崎たちは「ずうのめ人形」と戦っていました
戸波さんが来る前に彼らは里穂のところに来ていました
真琴も、里穂を殺して呪いを解呪する覚悟をしていました
が・・・
彼女の幼い息子を目にした真琴はその優しさから
里穂を殺すことができず
自分たちだけで呪いを打ち破ることを選んだのです

ですが、戸波さんは違います


「覚悟」を決め、
真琴ができなかった「穏便でない手段」を実行するつもりで来ました
同時に死ぬ覚悟もして

彼女は「原稿」を読み「呪い」を受けた状態で乗り込んでいたのです
過去を暴露され崩れ落ちた里穂は
戸波さんが呪いを身に受けてきたことを知ります
戸波さんは呪いを調べ特性をすでに知っていました
同じ部屋にいる奴を巻き添えにする、と
戸波さんが出ていかない限り部屋にいる全員が
「ずうのめ人形」の呪いで死ぬことになるのです

そして、劇悪のタイミングで幼い息子さんが部屋に入ってきて・・・

結果、戸波さんたちだけでなく幼い子供・悠太君や
その部屋の下の階の住人までも犠牲に
死者100人近くの大惨事となりました

さすがの戸波さんも、怪異が「下」からくるため
標的までの通り道にいる人々まで巻き添えになることは
計算外だった模様

そして「本体」である「術者の血筋」が死んだことで
「ずうのめ人形」は消滅
「照準」を失った怪異は手を引き真琴たちは助かります
(「契約が切れた」というよりは「照準がなくなって真琴たちを見つけられなくなった」のと
「そこに引き付ける力がなくなった」ことが原因による行動の自然消滅と推測)


悠太君が本当に不憫でなりませんね・・・・・・・
せめて来世では
幸せな生を受けんことを・・・

え、まって!ちょっとまって下さい私はタナトス様たちにお祈りしただけ・・・

 

そして・・・
野崎と真琴は20人程度のゲストを招いた
小さな結婚式を挙げるのでした

二人とも
お幸せに

ではまた

ポチリとお願いします


人気ブログランキングへ
にほんブログ村 本ブログ 読書日記へ
にほんブログ村

 

 

コメントは受け付けていません。

サブコンテンツ

このページの先頭へ