Monster Makers’ Conflict-第0部第1章:再起の旅立ち・プロローグ2:詩人少女の旅立ち

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リュミール視点のお話です

投稿サイト:ハーメルン – SS・小説投稿サイト 様(https://syosetu.org/)

【MMSS】投稿ページ:Monster Maker ResurrectionRPG FAN SS- Monster Makers’ Conflict-

第0部第1章:再起の旅立ち

プロローグ2:詩人少女の旅立ち

 

井戸から桶に水を汲んで顔を洗う

目を覚まして私がリュミールだと確認する

それが私の朝の日課だ

転生者の私はこうしないと

今の自分が誰なのかが分からなくなることがある

 

長い冬の時代の終わり頃に私は転生した

親は分からない、物心ついた時には旅の一座の一員だった

興行一座「エリミネッタ」の歌姫、それが今の私だ

私の一番古く一番印象深いの記憶は

ずっと昔の記憶

「乙女たちの戦争」という

今では伝説として語り継がれるずっと昔の争い

男と女が分かれて国の主権を争った戦い

吟遊詩人という他国に出向いて見聞きしたことを詩にする仕事上

私への扱いは悪くはなかったが

居心地は良くはなかった

あの騎士ツチラトと出会うまでは

 

彼とはその後も出会っては別れを繰り返した

 

そして、あの滅亡戦争の後で

カード使いのいた世界の一つへ私は転生した

それが先ほどの悪夢だ

そこでの死の後で、私はまたウルフレンドへ転生した

「冬の時代」と呼ばれることになる、悪夢の時代は終わっていない

でも、そこにはツチラトはいなかった

「侵略者」もいなかった

聞いた話では、あの後セントーラは崩壊して

「侵略者」たちは生存者を回収して離脱したそうだ

しかし、生き残ったセントーラの住人が説得してくれたおかげで

矛を収めてくれたらしい

フェニキスも滅ぼしたことで留飲を下げられたことと

倒すべき目標が当面なくなったこともあるのだろう

他の光の勢力も世界の状況を考慮して和平を結んだものの

その後の対応がいけなかったそうだ

何をするかわからない相手でもあるのと

一部からの要望で「経済制裁」をしたところ

向こうの返答は対話ではなく武力行使だった

かくて、再び戦争は起こった・・・というのは定かじゃない

すでに「侵略者」総司令が宇宙へ撤退していて

戦端を開いたのも残った司令官の独断だった

しかも攻勢を強めるどころか

ひどく消極的な戦闘とも呼べない小競り合いが続いた

その間に「侵略者」は次々と数を減らしていき

最終的に残っていた司令官が姿を消して戦闘は自動的に終わった

「侵略者」がいなくなっても状況が好転したわけではなかった

文明は崩壊していて、ずっと昔の暮らしをみんな余儀なくされた

食糧難や疫病、自然災害やモンスターにおびえる生活が当たり前だった

ネームドは時々見かけることはあっても大戦終結前ほどはいない

幸い、闇の軍団も同じような状態だった上に

主力の騎士団は石化海底に沈んでいたため

光の不在に好き勝手する奴はいなかった

私はツチラトを探す旅に出た

旅を続けるうちに病に侵された

そして病で死んだ私は

戦争終結から約千年後の世界である今へ

旅の一団に拾われた子へと転生し、記憶を戻すと同時に啓示を受けた

「迷える闘士を助けよ」と

そのリザレクションはツチラトの救済かもしれない

また会える、今度こそずっと一緒にいられる

そう信じて旅に出ることにした

今ならまだネームドはまだ完全には戻っていない

光も闇も完全に復活はしていないし「侵略者」もいない

ここはシャルトン半島のカスズの周辺だから

オークの軍が来る事もないだろう

ボレソラン団長はまるで分っていたかのように私の支度を用意してくれていた

思えば彼女は不思議な人だった

予言の力でもあるかのように、魔物の襲撃を避けたり

お祭り騒ぎの村に行き着いたり、そんなことが度々あった

「リュミールお姉ちゃん!!」

団の幕を去って数分後、私の背後から小さい子がぶつかって来た

一座のマスコットの軽業師の少女「ベステラ」だ

ボレソラン団長の一人娘で

興行先の街での宣伝に一役買っている11歳の可愛い妹分

そういえばこの子のおしめを替えてあげていたなと思い出す

団長の子供と言っても実の子供ではない、そもそも団長は独身だ

(ただし彼女へ「行き遅れ」などと口に出す命知らずは団には居ない)

ある日突然、同じ色の髪をした乳児を拾ってきた団長を思い出す

ヴィシュナス様から預かってきたという話だ

「私もいっしょに行く!行かせて!ママの許可ももらったから!!」

断る理由はなかった、団長が許可したということは

「許可」というよりむしろ「連れて行って欲しい」という「お願い」だ

きっと何かをまた予見したんだろう

今、世界で起きている「リザレクション」は良いことだけじゃない

あの悪名高い「闇の軍団」のネームドの何人かは

すでに復活して活動をしていると聞いた

こんな時代だ、正義や善より力ある者のところに人は集まる

たとえそれが、悪人であっても

 

私は絶対に、守り抜いて見せる

私を「お姉ちゃん」と慕う大事な妹分を

 

こうして私とベステラ

二人の旅は始まった

*

*

*

笑顔であの二人を送り出して

ボレソランは私室に戻った

トラックで殺戮を繰り返す未確認からは助かったものの

その後で娘と買い物に出かけた時に

鳥のような未確認に殺された

娘も一緒に

この世界に一人転生してしばらくして記憶を取り戻した

藁にも縋る思いで「導き」に従ってヴィシュナスに出会い

また娘を授かることができた

でも、やることは終わったわけじゃない

あの時、自分と娘を投げ出して助けてくれた女子高生

あの子への恩をまだ全部返していない

それに、トラックからかばってくれた子も

もしかしたら転生しているかもしれない

あの子もできればお礼がしたい

色々と思い出しながら机の中から「カードケース」を取り出す

彼女の団がうまくやっているのは、

団長たる彼女が「カード使い」であるからだった

危険な魔物がいる場所、盗賊がいる道は

斥候を放って確認し、自分たちを狙う避けて通れない戦いのときは

相棒たちを召喚したり使いをやって助けを呼んだりした

かつてヴィシュナスから一度は死に別れた娘と共に授かったものだ

しかし・・・

「どうしたのかしら?」

カードケースは淡い光を放っていた

何かを教えるように

 

(つづく)

 

 

解説1:「ボレソランとベステラについて」

北欧神話に出てくる巨人です
有名な巨人のユミルの一族にいる霜の巨人の「ボルソルン」
その娘「ベストラ」が名前の由来です

——–

解説2:「侵略者」

「宇宙商人」とのリンクが小説リザレクションであったので
「世界の外=宇宙から来たカード使いの組織」として出しました
「色々な異星人・異世界種族の寄せ集め」「高度に発達した文明を持つ」
「とある種族が中央にいる」と、いう設定が今のところです

ではまた

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