Monster Makers’ Conflict-第0部第1章:再起の旅立ち・プロローグ6:ベドフォード商会

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第0部第1章:再起の旅立ち

ノベル「リザレクション」の時系列的に、
エルセアではディアーネ姫一行が酒場で食事をして
同じ酒場の中でアルボアさんたちが
イフィーヌさん一行をスカウトしている頃です

プロローグ6:ベドフォード商会

私はリュミール、吟遊詩人だ
今はシャットさんのお使いで
ドミニクとベステラと一緒にベドフォードというシャーズ商人に
手紙を届けに行くクエストをしている
「ふえ~」
「おっきいね」
ドミニクとベステラは口々に感嘆を述べた
私も絶句した
目の前にある館は、とても大きい
シャットさんの館も大きいが、その倍はある
でも、シャットさんの館と違い豪華絢爛な装飾が
至る所にあった
ただ大きいだけじゃなく機能を重視した面が見られるシャットさんの館とは、
そのあたりが違う
私は豪奢な門に付けられている
これまた豪奢な扉の金ぴかの呼び出しの鐘を鳴らした
「すいませ~ん、シャットさんのお使いの者です~!
ベドフォードさんは、いますか~?」
変化はすぐに起きた
「きゃああああああ!!?」
動いたのは扉ではなく、巨大な門そのものだった
私は外側に開いた巨大な門に巻き込まれた
圧倒的な重量物が私を押しながらズズズ、と開いていく
「リュミール!!」
素早く回り込んだドミニクが門を押し止めようとした
「んぎぎぎぎぎ・・・・・!!」
それでも門は少しずつ開いていき・・・
「でぇい!!」
ドミニクは肩で門を抑えながら
私を掴み門の外へ放り投げた
「お姉ちゃん大丈夫!?」
地面に転がった私をベステラが覗き込む
「大丈夫、それよりドミニクは・・・?」
ドミニクは一人、門を相手に踏ん張っていた
「・・・ドミニクお姉ちゃんも来て」
声をかけたベステラへ、ドミニクは寂しげに笑った
「ごめん、私はここまでみたい」
「何を言ってるの、早く来なさい?」
私は、ちょいちょいと手でジェスチャーをした
ドミニクは頭を横に振って答えた
「私はもう動けない、このまま潰されて死ぬ」
いや、本当に何を言ってるんだろうこの子?
「ドミニクお姉ちゃん・・・」
ベステラが流石に何か言いかける
「ベステラちゃん、私はキミに会えて良かった
妹ができたみたいで嬉しかった
リュミールも、ありがとう・・・」
そこまで言ってから目を瞑って叫んだ
「さぁ二人とも!早く行って!
私が無様に押し潰されるところなんて見せたくない!!
早く!!」
私は溜息をついて言った
「門はとっくに止まってるんだけど?」
「え?」
ドミニクは私の言葉に目を点にすると
恐る恐る突っ張っていた両腕を門から放して
門が本当に止まっているのを確認すると
こっちへ歩いて出てくる
「・・・以上!!本当に死にそうになった時の練習終わり!!」
私もベステラも、なんて声を掛けたらいいか迷っていると・・・
「ぶふぉ!!!!!」
背後から盛大に噴き出す声がした
「よ・・・ようこそ、お、お越しくださいま、した・・・」
出迎えに出た誰か、声からしてたぶん女性だろう
深紅のフードを目深にかぶってて顔は分からない
彼女の声は震えている
たぶん、かなり前からそこにいて
ずっとドミニクの茶番劇を見ていたんだろう
ドミニクはあの性格だから死にたいほど恥ずかしくなる
なんて事はなさそうだけど
女性の方は必死に笑いをこらえているのが丸分かりに
小刻みに肩が震えているのが見て取れた



深紅のフードのシャーズの女性に案内されて
館の主ベドフォードへ迎えられた
ベドフォードは立派な髭をたくわえたシャーズの男だ
その眼光は鋭い
そして先ほどの女性から何やら耳に吹き込まれて
大きく目を見開いた
「私がこの館の主、ベドフォードだ
その・・・先ほどは失礼した」
まずは謝罪から入る
事故とはいえ、悪い事をしたと思っているようだ
私もこの事は
シャットさんには伏せておこうと思う
ドミニクは気にしないだろうけど
数年後位になってから思い出すたびに
枕に顔をうずめながら
ボフボフ叩きたくなるかもしれない
「何か御用かな、リュミール・・・さん?」
恐らく普段は相手を呼び捨てにしているだろう人が
尊大な姿勢は崩さないままでも「さん」付けしてくれた
その優しさがむしろ心に痛い・・・
「ぷふっ、ご、ごゆっくり・・・」
笑いを堪え肩を震わせながら女性は部屋を出ていく
たぶん自室に戻ったら思う存分笑い転げる気に違いない
残念ながらそれを止める手段は無い
私たちにはその権限もない
現実は非情だ
唯一幸運があるとすれば
「大丈夫かな、あの人・・・?」
当の本人が全く気にしていないことくらいだろう
ともかく
私は、この気まずい空気をどうにかしようと思い
「はい、お手紙を届けに参りました」
軽く挨拶をすると手紙を取り出して
テーブルの向かいに座る相手に差し出した
「こちらがシャットさんからの手紙です」
「そうか、ありがとう」
ベドフォードさんは手紙を見た
「ベドフォードさんスゴイですね・・・」
ドミニクが感嘆の声を出す
「ん、分かるかねドミニクさん
ワシもここまでのし上がるのに、大変な苦労をしたものだよ」
長い自慢話が始まる空気を私は察した
しかし・・・
「私たち、まだ自己紹介していないのに
リュミールと私の名前を知っていたなんて
すごいです!」
「!!?」
・・・確かに、そうだ
私たちはまだ名前を名乗ってすらいない
あの出迎えてくれた女性にも
ただ「シャットさんのお使い」とだけしか言っていない
ベドフォードの顔を見ると「しまった!」と言う感じで
固まっていた
「きっとシャットさんから聞いたんじゃないのかな、ドミニクお姉ちゃん」
「そっか、手紙のやり取りをするくらいだから・・・」
ベステラの発言でドミニクも納得したようだけど
「そ、そうなのだ、ベステラちゃんの言う通りだよ
キミたちのことをシャットから聞いておってな、うん・・・」
それを聞いて私は立ち上がった
「では、私たちはこれにて失礼します」
ドミニクたちも続く
シャットさんからは長居しないように
相手から出されたものも口にしないように言われていた
つまり、相手は一服盛るくらいはしてくる危険人物だ
それに・・・明らかにおかしい
私たちのことをシャットさんから聞いた、というのは
嘘だ
ディアーネさんたちと一緒にいたドミニクはともかく
私とベステラは、つい先日にこのブルガンディに着たばかりだ
シャットさんとベドフォードが会って話す機会は
たぶんそれほど多くない
シャットさんの様子から毎日会うほど親しい仲でない事は分かっている
むしろ、あまり会って話もしたくない相手のはずだ
だから、私とベステラの事をシャットさんがベドフォードに話す時間など
ありえない
つまり、ベドフォードの味方に私たちの情報を知っている奴がいる
それしか考えられない
幸い、引き留められることもなく私たちは館から出ることができた
「リュミールお姉ちゃん、あの人は嘘をついてる」
館を出て少し歩いたところでベステラが言った
「うん、良い機転だったわよベステラ」
私は彼女を誉めて頭を撫でた
「えへへ」と嬉しそうにベステラは笑う
やはり先ほどの言葉は彼女の機転だったのだ
ベステラは時々、こういう機転を利かせたことをしてくれる
団にいた時も、修理が必要そうな天幕の箇所とか
壊れやすい柱の場所とか
事故を予見して未然に防ぐ役に立ったこともあった
もちろん団長は「さすが私の娘!」と親ばかを発揮してくれた
「ドミニクも、さっきは助けてくれてありがとう」
「ううん、当然のことをしただけ!
私の御師匠様もディアーネさんたちを助けるために
身を犠牲にしたんだ・・・」
なにかしらないけど急に重いことを話し始めた
「それはシャットさんの家に着いたら聞くわ
今は・・・できるだけあの館から離れましょう」
と、言うのも気になることがもう一つあった
私たちを出迎えたシャーズの女性
フードで隠れていた上に笑いを堪えていたせいで
終始手を口で押えて俯き加減だったので
顔は分からないけど
あの真っ赤なフードはどこかで見覚えがあった気がした
ずっと前、大戦の頃に・・・
あまり、良くない思い出と一緒に
*
*
*
ベドフォードは手紙の封を解き
その内容を読んだ
「キミは贅沢が過ぎている
“カスズは一日にして燃ゆ”
かつてのシャーズへの暴動を
忘れるべからずだ
キミやキミらのせいでバカを見る前に
キミらの首を民衆に差し出す用意は
いつでもできているからね?

盗賊ギルドマスター:シャット」

シャットからの手紙は「警告」だった
たしかに手紙の通りの暴動は、ずっと昔にあった
リンク王子がゾール神を討伐した時に起きた
シャーズの居住する地方の港町カスズで
ゾール配下の「大神官」たちの扇動によって起きたシャーズへの暴動だ
貧富の格差とシャーズの傲慢への不満は当時かなり蓄積していた
ゾール神の配下たちは、ただそれに火をつけるだけで事足りるほどにまで
さらに付け加えると、その動きは事前に察知されていたが
軍は動くことは無かった
責任の押し付け合いとか動くのが面倒だったとか
民衆を軽く見ていたからという様々な憶測がされているが
紆余曲折はどうあれ「カスズは燃えた」という結末には変わりはない
幸いなことに、避難が手早く行われたため
死者は驚くほど少なかったが
町は略奪と火災で完全に破壊されたという
これについて、シャーズ有名ネームドのキャプテン・ノーラはこう言った
「遅かれ早かれ、ゾールの手出しがなくても燃えていただろうさ」
ゾールのせいではない
これはシャーズの傲慢が招いた「いつか起きるべき」惨事だったと
キャプテン・ノーラは戒めた
ノーラは転生を繰り返してもこれを記憶し
シャットにその都度言って聞かせた
シャットもまた覚えていた
ノーラの言ったことを忘れるなどシャットにはありえない
しかし、尊敬する姉貴分の話を聞くことは楽しかったし
同時にそれは自分が「シャーズ」である限り
決して忘れてはならない「戒め」だと彼は認識していた
ノーラはまた別の舎弟へ
シャットもまた自分の部下や舎弟たちへ
必ずこの教訓を伝えていた
故に、シャットはベドフォードを含む贅沢が好きな商人たちにも
これを以前に伝えて回っていた
特に目に付く奴や反省のない奴には
こう付け加えた
「もしもあの暴動を引き起こす原因を作るような奴がいれば
民衆が動く前にボクがその首をいただきに行く」と
そしてこの手紙は「最終通告」だ
これで改めない者に「次」など、ない
シャットは暴動が起きそうになったら手早く動き手を回し
原因となったバカの首を捕りに行く
その場で殺されることはさすがにないが
簀巻きにされて怒れる民衆の前に
「暴れるのやめてくれたら好きにしていいよ」と
生贄として放り出されるのだ
怒れる民衆に囲まれ殴られ蹴られ唾を吐かれるのは
助かったとしても確実に寿命が縮む地獄だろう
「あの小さいお嬢ちゃん、なかなか鋭いところあるじゃないか」
いつの間にか入ってきたビーリアの声に
ベドフォードは飛び上がった
「は、はい、ただちに出費を抑え・・・」
「そんなことじゃないよ」
ぴしゃりとベドフォードの弁解を静かな一喝で黙らせ
ビーリアはつづけた
「アレはお前のミスだよ
相手が名乗る前に『相手の名前』を口にするなんて、
『スパイを放っている』と言うも同じだからね」
「は、はい!申し訳ありません!」
ベドフォードは即座に謝罪した
下手な抗弁で機嫌を損ねていい相手ではない
「怪人」という、異世界から来た存在の一派だ
特に、彼女ら「グロンギ」に分類される存在にとって
「殺す」とは「ごく当たり前の行動」でしかない・・・
「あのシャットとかいう子、なかなかやるようになったじゃないか
ノーラの嬢ちゃんの後ろをついて回る
小さい小僧でしかないと、ついこの前まで思っていたのだけどねぇ・・・」
懐かしそうにビーリアはつぶやいた
ひとまず、彼女が思い出に浸っているうちに
何か挽回の策を考え付こう
ベドフォードはそう思い、手持ちの「カード」を取り出すと
どれを出すべきか思考を開始した

(つづく)

<解説1>カスズの暴動:

小説「ナルド預言書(下)」で描かれていた
裕福なシャーズたちへの暴動です
きっかけはゾール神の配下たちの演説ですが
作中で描かれた通り、裕福なシャーズたちは傲慢になっており
恨みを買っていました
「カスズは一日にして燃ゆ」は、その事件に遭遇し
命からがらカスズから逃げ出すことに成功した
登場人物ジャストルのセリフより

<解説2>グロンギ:

「仮面ライダークウガ」登場の怪人の総称
古代リント族と戦った怪人たち
・・・と、思われていましたが
実際は魔石ゲブロンによる変身能力を得た
「グロンギ族」という、
鉄器をいち早く使用するに至った
青銅器が一般だった古代当時としては
より進んだ文明を持つ古代民族=人間であり
リント族との戦いも彼らにとっては
「楽しい狩りの時間」に過ぎず
独特の価値観と死生観から
クウガに敗北したことよりもむしろ
クウガが自分たちを殺さずに封印に留めたことに
不満を持っていました
その性質から「扱いにくい連中」と有名で
ライダー大戦などの各シリーズの怪人が
垣根を越えて集合する機会であっても
・命令したりして怒らせると襲ってくる
・力を示して脅すと余計に興奮して襲ってくる
・殺すと脅せば死合開始!
という事情から、興が乗ったのか来てくれた
ン・ダグバ・ゼバ様と彼が誘ったらしい人たち以外は
参加せず・・・
そもそもの話、あのダグバ様の勧誘に成功できたこと自体が
奇跡です・・・
成功するまで何人燃やされたんでしょうね、
スカウトの人たち・・・?

<解説3>カード:

「モンスターメーカーといえばコレ」と言うくらいに
欠かせないアイテムです
ウルフレンドを内包する世界そのものが
「カードの国」という公式コンセプトです
異世界から来たモンスターメーカー=カード使いは
「カード」を使役する能力がありますが
リザレクションの公式設定資料「リザレクションRPG」によると
ガーラ様やガンダウルフ殿のような
世界の観測者的立場になる事もあるような存在も
「カードの使役」を行えるようです

メタ発言しますと、公式小説のグラナールのような
GMキャラクターも「カードを使役する能力」持っています
でなければセッションできませんから
この世界はモンスターもフィールドも
「カード」でできていますので
逆に言うと、どのような物語を紡ぐか
それもまたプレイヤーの自由にできるということですね
もちろん、世界観を壊さない程度にですが
「モンスターメーカー」は
かなり自由度が高いゲームと言えるでしょう

 

ではまた

 

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