Monster Makers’ Conflict-第1部第0章第0話:ある少年と「乙女たちの戦争」

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第1部リザレクションの序章

本格スタートします

第0章第0話:ある少年と「乙女たちの戦争」

兄や父は家を空けることが多いため
幼い少年「ジシュカ」にとって
母と姉たちだけが世界のすべてだった

仲介者だった女王リブシェの死を起因とした
ヴィシュフラットとジェヴィーンの戦争
それは、突然起きた出来事であり
ジシュカには、まだ理解できない事件だった
男のほとんどがヴィシュフラットに行ったものの
ジシュカは母と姉についていくことを決めていた
ジェヴィーンにはジシュカと同じく肉親と離れたくない者や
ヴィシュフラットへ付いた男たちとソリが合わない者も来ていた
まだ幼いジシュカには争いの原因が分からない
ただ家族や友が敵味方に分かれた今の状態が
おかしい事とは理解していた
そしてそれはジシュカだけではなかった
双方とも相手に肉親がいる者が少なくないのだ
中には夫婦喧嘩が原因で別々の勢力に付いた者なんかもいて
口論はともかく殺し合いには躊躇していた
そういうわけで死者も出ないまま
争いは膠着状態になりつつあった

争いが自然消滅するのも時間の問題と言えた
またみんな元の生活に戻るだろう
誰もがそう思った

しかし、突如として起きたヴィシュフラットの猛攻撃
肉親や隣人相手であっても容赦なく振るわれる刃が
ジシュカのいたジェヴィーン城を襲った
「ここに隠れて!」
ジシュカは彼を慌てて抱えた姉と共に
戸棚へ入れられ隠れた
そこでじっと二人で息をひそめる
時々、矢が木の戸を貫通したが
ジシュカは悲鳴を押し殺して
姉に抱き着いた
しばらくして
勝鬨代わりの悲嘆や悲鳴が響き渡った
誰もが手にかけた肉親や隣人、友の亡骸を前に泣き崩れ、
あるいは衝動的に自害して後を追っていた
ジシュカの姉もまた事切れていた
戸棚を貫通した矢や刃を背で受け
ジシュカを守っていたのだ
悲鳴も血も飲み込んで
最期まで彼女は笑顔だった

ジシュカは惨劇の城から離れた
母も生きてはいないだろう
母と姉を殺した側に付いた父や兄には
会いたくもない
ジシュカはたった一日で全てを失った
それが彼の最初の記憶だった



幾度かの転生の後
彼はベルタ城の竜騎士になっていた
一心同体の愛竜「フース」
それに部下で弟子であるシャーズの「プロコプ」とその竜「ヴェリキー」
彼らが新しい家族だった
しかし、平穏は続かず
ベルタ城の墜落で彼の運命は変わった

しばらく戦力として使われていた竜騎士やドラゴンライダーは
その力を恐れられ用済みになると
狩られる立場になった
ジシュカはプロコプたちとはぐれ
片目に矢を受けて気を失った
気が付いた時にはウルフレンドから遠く離れた島にいた
フースはすでに死んでいた
攻撃からジシュカを庇いながら飛び
島で力尽きたのだ

相方の死により起きる「衝動」を
彼は呑み込んだ
憎悪は怒りは、それを凌駕した
相棒を亡くした竜騎士やドラゴンライダー
あるいはドラゴン自身が辿る運命を
彼は拒絶した

ジシュカは叫んだ
悲しみからの慟哭ではない
怒りと憎悪に満ちた咆哮を
彼は復讐を誓った
幾度転生しようとこの記憶を忘れず
必ずヒューマンの国家に報復し
これを滅ぼす、と



そして、時は流れた
ものっすごく流れた



時は移り移ってリザレクション・エイジ
この時まで復讐を成すことなく
今の今まで手を下すどころか接触すらなく
ジシュカは転生を果たしていた

「どうしてこうなった?」

彼は日々自問自答していたが
理由は簡単、「標的が異常な頻度で死ぬ」ためだ
そもそも「王家」という時点で別の各勢力の標的になっている
挙句に内輪もめで勝手に相手が死ぬことも多々あった
王族や重鎮間の権力争いや暗殺合戦は
ジシュカが手を出すまでも無く当たり前に起きる
そうでなくても「国の頂点」という座は慢心を招き
知らないうちに深い怨みを買いやすい
さらに見下した相手を軽く見て油断しがちだ
例えそれが竜の尻尾であっても
踏みつけた当人は反撃を受けるまで蛇の頭と信じて疑わない
つまり、彼が復讐する前に当の標的が死ぬのだ
それも自身の愚かさで・・・

彼が介入する隙間も出番も無いまま
ヒューマンの王国は壊れて崩れ再生しを
飽きる事なく繰り返していた
さすがにバカバカしくなり
復讐に燃えていた竜騎士は
一人の傭兵として転生を繰り返していた
復讐の炎も燻る程度になってはいたというのもあるが
彼は「ただの死すべき種族」であり
伝説の英雄でも半神でもない
つまるところ例にもれず「衣食住」は生存に必須であった
復讐計画をやめたからと言って
食っていくには金が要るのだ
冬の時代の混沌とした世界情勢は冒険者や傭兵を必要としたため
ジシュカが生計を立てていくのに困ることはなかった
勝手にすぐ死ぬ連中はもう放っておいて
仲間たちの再生にでも力を入れようかと思った矢先・・・
「リザレクション」が世界で起きていることを知った
それはまさに「歴史の再現」を含むもので
異なる時代に存在していた人物が
この同じ時代に同時に存在するという
混沌とした情勢をもたらしていた
ジシュカは決意した
「歴史の再現」に「竜騎士狩り」が含まれることは
予想がついていた
ドラゴンの飛翔を彼はすでに目撃していたのだ
自分のドラゴンもいずれ復活するかもしれない
当然、それらを狩ろうと考える者たちも・・・
だが二度も悲劇に遭わせる気は無かった
「殺される前に殺す」
それが彼の決断だった
「竜騎士狩り」を行った連中の事は
長い転生人生で調べ尽くし記憶していた
中でも「竜狩り騎士団」と言う連中が多くの竜騎士や
ドラゴンライダーを狩っていたと知った
あの時には知らなかった仇敵の名簿は、すでに記憶に留めた
問題は「どのようにして敵を仕留めるか」だった
光の勢力は危険だ
あいつらは「正義」を振りかざしてはいたものの
肝心な時に動かない上に
自分たちを棚に上げて人の刃を指さし咎める
信用できない連中だ
かといって対極にある闇の勢力は考え物だった
「竜騎士」「ドラゴンライダー」を獲得すれば
即座に破壊の尖兵として暴れさせるだろう
そんなことになったら、
みすみす「竜狩り」の大義名分を仇敵に与えるようなものだ
なら、この世界以外の勢力ならどうだろうか?
ジシュカは考えた
カード使いに宇宙からの侵略者
異世界から来た未知の勢力・・・
情報集めは、もはや得意である
しばらく考えた末に「侵略者」に接近することにした
悪魔とも結託している勢力だが
しかし様々な種族の混成勢力であることと
顔見知りがいることから
ジシュカはこの組織を選んだ

今の彼の雇い主は「ビーリア」という
女性のシャーズだ
ジシュカは彼女に自分を売り込むことで雇用契約を得た
「我々としても、ドラゴンを滅ぼされるのは困るものでね」
ビーリアはそう言って二つ返事で彼を雇った
翌日の夕方には
ジシュカは彼女の命により彼女と面会したブルガンディ島を離れ
港町エルセアの宿屋にいた
「初めまして、ジシュカ将軍」
ある男が彼の目の前に現れたのは
エルセアに着いて翌日の事だった
「オレは”タカ”、階級は大将
”三巨鳥”の一人と言えばオレがどんな奴か分かってもらえるかな?」
鋭い目つきの男は手短に自己紹介して切り出した
「話はビーリアから聞いている
竜狩りの連中は以前にオレが滅ぼしたんだが・・・
どうやら復活する可能性があるらしいな」
「あいつらを・・・?」
ジシュカは思わずつぶやいた
「ああ、くだらない理由でオレの娘を殺したんだ
許せるはずねーだろ」
椅子を横にして背もたれに寄り掛かりながら
”タカ”は天井を見上げた
「アイツにも喧嘩売ってたせいで
結局オレがやるかアイツがやるかの
どっちかしか、ヤツらには無かった
んで、アイツに獲物を譲るのは癪だったから
オレが潰した、そんだけだ」
「アイツ・・・?」
ジシュカのつぶやきに、”タカ”は思わず
ジシュカの顔を見た
「”ヒクイドリ”から聞いていないのか?
ったく、あのやろーは・・・」
”タカ”は少し悪態をついてから続けた
「本来あんたと会う予定だったのはアイツ・・・
”ガマグチヨタカ”だったんだよ
ところが、アイツは今トラブルと用事を同時に抱えていて
”ヒクイドリ”からの連絡に難色浮かべたから
オレが横入りして役目をいただいたってわけさ」
ジシュカは他者の「トラブル」と「用事」を聞くような男ではない
彼はプロの傭兵だ
そういう事は「聞き流す」あるいは「気になっても聞かない」のが
業界のエチケットなのだ
”ヒクイドリ”は、あのビーリアのコードネームだと聞いている
『こいつら、鳥の名前がコードネームなんだな』
と、ジシュカはそれだけを心の中で思った
「本題に入るぜ・・・『ベイオエント』を知っているか?」
その単語が”タカ”の口から飛び出したことに
ジシュカは心底驚いた
(つづく)

解説1:竜騎士狩り

こちらは公式の「浮遊城ベルタ墜落」の事件より
ノベル「最後の竜騎士」でも語られましたが
根城にしていた浮遊城の墜落の後で
竜騎士たちはヒューマンの国家に戦力として使われました
が、彼らが離れたがっていると分かると
その力を恐れた国は竜騎士たちの殲滅を決定
実行しました

 

 

 

解説2:ジシュカの過去

かつて起きた「乙女たちの戦争」の生き残りです
当人も家族も完全にカヤの外だったので
何が起きたかなど全く知りません
ツチラトとは面識は全くなく
シャールカの事は「強いお姉ちゃん達の一人」程度の認識

「プロコブ」「ヴェリキー」は
フス戦争のフス派指導者「大プロコブ」「小プロコブ」から

 

解説3:タカ

「侵略者」こと「トリカゴ」において
三人いる最高幹部「三巨鳥」の一人です
とある理由から「最強であること」に固執し
組織内で「タカ」の名を冠するにも
まず彼の許可が必要なほど・・・
許可された例で有名なのが「ガマグチヨタカ」
許可されていないので有名なのは「ヨタカ」
モチーフは宮沢賢治先生の「ヨダカの星」の
登場人物の「タカ」
個人的に、遠くから囀る小鳥たちと異なり
直接ヨダカに文句を言いに来る点が
好感を持てました

解説4:三巨鳥

「ワシ」「タカ」「ディアトリマ」の最高幹部を指します
それぞれ独自の派閥を作っていて
・タカ:実力第一の先鋭精鋭集団
・ワシ:秩序・規律を重んじる軍団
・ディアトリマ:最古参&他

という設定・・・のため必然的にディアトリマの派閥が
一番大きく人数も多いです(汗)

ちなみに「ヒクイドリ」は特に傘下の派閥を作っておらず
主に弟子たちで構成された内輪のグループのみで
「ガマグチヨタカ」は「タカ」とは別の「三巨鳥」の下についているので
彼らにはカウントされていません

 

解説4:ガマグチヨタカ

「意中の相手」がエルセアを離れた後で
エルセアに入ります
「用事」が済むのはノベル「リザレクション」本編が終わった
かなり後になりそう・・・

 

解説5:ベイオエント

公式設定です
モンスターメーカーリザレクションのキーワードの一つとも言うべき
重要なものです
この時点では「あまりよくない力」程度の認識
その恐ろしさが判明するのは、まだこれからです

 

ではまた

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