Monster Makers’ Conflict-第1部第1章第3話:正しき猟犬のあがき

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第1部リザレクションの序章

今回のクエ達成のお助けキャラを出します

第1章:エルセア聖女追放騒動

第3話:正しき猟犬のあがき

私はリュミール、吟遊詩人だ
でも今回はエミリオン姉さんの代役を務めさせてもらう
彼女の無実を証明するためにも
敵を見極めてこれを迎撃しなくちゃならない
「こう言っちゃなんだが、無理に戦う必要はないぜ
理由はどうあれ、エミリオンを追い出したのはエルセアなんだ
それで被害を被るんなら自業自得だ
エルセアは誰を恨む資格もない
お嬢ちゃんたちを責めもしない
そんな奴いたら、このフランシス・ドレイクが名に賭けて黙らせてやる」
ドレイクさんにはそう言われたけど
エルセアを、エミリオン姉さんが守った街を見捨てることはできなかった
それに、エルセアが魔物に蹂躙されるのは
エミリオン姉さんも望まないだろう
それと、私たちには「切り札」があった
シャットさんの館で遭遇した悪魔との戦い
その時に使った聖水の余ったものを分けてもらって来ていたのだ
「私は幾度か死霊術師ともやり合った経験がある
知恵のついた死霊もどきとも、な」
「そいつは心強いな」
ドブロヴォイ様とドレイクさんは
すっかり仲良くなっていた
二人とも初対面のはずだけど、まるで長年付き合いのある
友人同士のようだ
「さて、作戦を建てよう
日が暮れるまで時間がない・・・」
ドブロヴォイ様は部屋のテーブルの上にエルセアの地図を広げた
「アンデッドが来るのは、どの方角か分かるか?」
「こちら側だな」
そうドレイクさんは地図の一方角を指で指し示した
内陸側だ
古い道があってその先には森が続いている
その時、ベステラの指が地図上に加わった
「これ、お墓?」
ベステラが指さしたのは、森の道の先にある「墓地」を示す地図記号だ
「あ、ああ、ここに古い墓地が確か・・・・・!!
待てよ・・・・・なんでこんな簡単なことに誰も気づけなかったんだ!!
墓地と言えばアンデッドの巣窟におあつらえ向きだぜ!」
ドレイクさんの言う通りだ、正確にはベステラの機転だけど
私も、すっかり忘れていた
アンデッドはあのヴァンパイアも含めて「日光に弱い」という
弱点がある
夜に活動しているのは、そういう理由もあっての事だ
奴らは昼間は土の中にいたり、あるいは洞窟や廃屋といった
日光から逃れることができる場所に隠れている
あのヴァンパイアも日中は墓土の敷かれた棺の中で眠っているそうだ
だから、人間のように日の当たる場所で待機なんてできない
夜が来る前に消滅してしまうだろう
「小さい嬢ちゃん、あんた天才だ!
あれだけの数のアンデッドを日光に晒すことなく
隠すことができる場所っつったら
限られるぜ!」
ドレイクさんはベステラの頭をポンポン撫でながら誉めた
ベステラは嬉しそうだ
一方でドブロヴォイ様は少し苦い顔をしていた
「ここか・・・昔、アイツが根城にしていて
総攻撃かけて叩き出した場所でもあったな・・・・・・
まさか、戻って来ていないとは思うが・・・」
どうやら、ここで戦闘をした経験があるらしい
そういえば、シャットさんの館でも「アイツ」とか言っていた
ドブロヴォイ様が、これまで数々の強敵を相手してきた事は私も知っているけど
余程の相手だったのだろう
「ああ、元々は古い城だった納骨堂か」
ドレイクさんはそう言った
「ご存じだったか」
「・・・あ、ああ・・・そういうのが好きな部下がいてな」
なんか一瞬だけ、ドレイクさんはドブロヴォイ様の質問へ
返答に窮した感じがした
・・・気のせいだろうと私は疑惑を捨てて地図へ目を戻す
もしも、その古城が今もあるとしたら
相手の根城にはうってつけだろう



街の防衛に回るドレイクさんと別れ、私たちはその場所へと向かった
ドレイクさんが馬車を手配してドブロヴォイ様が走らせてくれたので
幸い、まだ日が出ているうちに辿り着くことができた
どん!!
・・・・・・なんかを撥ねたような感覚が、馬車の中に座る私たちに伝わった
「あの・・・・・動物ですか?」
私はそっと馬車を降りた
すでに御者台からドブロヴォイ様は降りている
彼は、女性二人と対峙していた
一人は長身で美しい顔立ちのきりっとした女性
もう一人は私より少し年上で、おどおどした感じだ
「すいません!!」
私は割って入って土下座した
「え・・・・・・・」
「あ、あの、お嬢ちゃん?」
何か言いかける二人にかまわず私は謝った
「御免なさい、急いでいたので撥ねてしまって!!」
・・・・・沈黙が場を支配する
顔を上げると、(・・)と言う顔の三人
相手の女性二人は、互いの顔を見合わせて話を始めた
「あの~先輩、私、良心が痛いんですけど・・・」
「安心しろ『プードル』、私も凄く痛む・・・」
二人は顔を見合わせてそう言った
さすがにこれ以上グダグダになるのはいけないので
私たちは話を聞くことにした
長身の方の女性が急に飛び出して馬車を蹴飛ばして止めたらしい
それでドブロヴォイ様が慌てて御者台から飛び降り
間を置かずに私が出てきた、というわけだ
「その・・・悪かった本当に」
長身の女性が頭を下げる
「ド、『ドーベル』先輩が頭を下げた!?
あ、わ、私も!ごめんなさい!!」
どうやら長身の女性は「ドーベル」
おどおどした方は「プードル」と言うらしい
多分本名じゃなくてコードネームだろう
犬の名前だし・・・ん、『犬』?
いや、まさか・・・・・・
「ねー、もしかしてお姉さんたちって『猟犬』なの?」
私がどう聞こうか迷っている間に
ドミニクが直球ストレートを投げた
「ああ、そうだ・・・我々は少しやり過ぎてな
点数稼ぎをしなければエルセアから追い出されそうなんだ」
「うう、先輩は悪くないのに男どもときたら!」
話は何となく分かった
この人たちは、「猟犬」所属ではあるものの
横暴なやり方に反対している方の派閥なんだろう
ただ、やはり女性という事と少数な事で
エミリオン姉さんを追放したような連中が幅を利かせているのだ
「我々の手で窃盗犯を捕まえて突き出せば
無実のあの男も釈放されるだろう、奴らに文句は言わせん!」
どうやら、二人は魔物退治ではなく窃盗犯を追って来てるようだ
それも無実の男性を救うために
本当に、あの悪名高い「猟犬」とは思えないくらい立派な人たちだ
でも、その事件は確か・・・
「もしかして、無実の男とはフランシス・ドレイクと言う名前か?」
「!?なぜそれを!!?」
ドブロヴォイ様の言葉に、ドーベルさんは驚いて言った
私も驚いた
まさか、濡れ衣を着せられた人物がドレイクさんだったなんて
「我々は彼に出会って魔物退治を依頼されたのだ
追放されたエミリオンの無実の証明のためにも・・・」
その言葉にドーベルさんの眉が吊り上がる
「・・・追放した、だと、エミリオン様を?
あいつらが・・・・・・・?」
プードルさんは震えながらあっちの木の陰に逃げた
「生かしておけん、粛清してくれる!!」
「待て!!」
剣を抜いてエルセアに駆け戻ろうとしたドーベルさんを
ドブロヴォイ様は慌てて引き留める
それにしても、おかしい
ドーベルさんたちの情報は、だいぶ古い
ドレイクさんが釈放されたのは昨日今日の話じゃないはずだ
「ねー、お姉さんたちの情報って古くない?」
ドミニクは木の陰で震えているプードルさんへ話を聞きに行く
「恐らく、情報を隠していたのだろう
二人と魔物をうまいこと鉢合わせさせるために」
ドーベルさんは抵抗をやめてドブロヴォイ様に向き直る
「つまり、こういうことか
あいつらは、我々を最初から魔物どもにぶつけるつもりで
嘘の情報を渡して放った、と」
たぶん、これが「猟犬」のやり方なんだろう
自分たちの意見に合わない者は仲間でもこうやって消してしまう
それが「自浄作用」に該当する意見であっても
「刺客を放ってきているかもしれん、我々と同行した方が安全だ」
ドブロヴォイ様の言葉に、二人とも頷いてくれた
「刺客ってあれ?」
ドミニクは私たちが向かう方角を唐突に指さした
「・・・・・え?」
私たちの向かう先、道の向こうから
ふらふらと歩いてくる人の群れが見えた
違う、人間じゃない
たどたどしい足取りだ、かすかに唸り声が聞こえる
それに、腐臭も風に乗ってここまで届く
これは、もしかしなくても、アレだ
「ゾンビじゃないの!!」
手元には銃なんてない
そもそもこの世界には、もうそんなものは無い
遠距離から魔術で攻撃するしか・・・・・・
・・・私は今、とても重要なことに気付いた
ここは「剣と魔法の世界」だ
銃が無くても魔法があればなんとかなる
そうなんだけど・・・・・・・
「この中で魔術使える人、いる?」
私は聞いてみた
まず、ベステラが魔術を使えない事は育ての姉の私が良く知ってるし
そもそもこの子は軽業師だ
ドミニクはモンクだからゾンビには対抗可能だろうけど
近接戦闘中心の彼女は数で押されたら危険だ
そして私は吟遊詩人で、ドブロヴォイ様はパラディン・・・
私の視線は自然と「猟犬」の二人に向かう
「・・・あの、私、魔術師です」
プードルさんが名乗り出てくれた!
「ありがとおおおおお!!」
私はプードルさんに泣きつく
プードルさんは私の頭をよしよししてくれた
「あ~、二人とも、迎撃準備をするぞ~?」
私はオロオロしているドブロヴォイ様の言葉で我に返る
そう、私たちはこいつらを相手して
背後の存在も討ち取るために来たのだ
ここで立ち止まるわけにはいかないし
こういう事も想定内だ

(つづく)

 

 

解説

解説:ドーベル&プードル

オリキャラです
よくありがちな「ベテランの先輩と自信のない後輩」のコンビです
他の猟犬メンバーと同じく貴族出身ではあるものの
没落一族の出身なのに加え
特にドーベルは父親譲りの正義感のために
疎まれていました
ちなみに二人ともネームドです

ではまた

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