Monster Makers’ Conflict-第1部第1章第5話:死霊術師の遊技場

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第1部リザレクションの序章

予告:ぶっ壊れ入ります♪

第1章:エルセア聖女追放騒動

第5話:死霊術師の遊技場

私はリュミール、吟遊詩人だ
今は魔物の発生源の墓地にいる
魔物騒動で日が暮れる前には
街の住人は、みんなエルセアの中に籠ってしまい
墓地には見張りも誰もいない
そのはずだ、だから・・・・・・・・
「あら、お客さんかしら?」
目の前にいる、私たちの持つ松明の灯りに照らされた
ベステラと同い年位の女の子
この子は「敵」だと見て間違いないだろう
操られているのか、もしくは・・・
「キミが死霊術師(ネクロマンサー)なの?」
お~っとドミニクさん、直球投げた~!!
正直、段取りを無視して猪突猛進しないで欲しいんだけど!?
「なぁ、この子っていつもこうなのか?」
ドーベルさんがベステラに聞いてる・・・
そうなんです、これが彼女のありのままです
もっとも
ああいう質問であっさり答える相手はたぶんいな・・・
「そうだよ、武闘家さん」
私の予想を覆して相手はあっさり認めた
私は額を墓石に強打した
「お、お姉ちゃん、大丈夫・・・?」
「ええ、平気よベステラ」
ちょっと立ち眩みがしただけだから、うん・・・
「姿に惑わされるな、相手はネクロマンサーだ」
ドブロヴォイ様は前に進み出ながら言った
その通りだ
アンデッドの護衛なしでは何もできないと思われがちだけど
ネクロマンサーはそれ自体が強力な魔術師だ
当然、魔術を使って来るし呪いをかけてくることもある
中でも恐ろしいのは「リッチ」と呼ばれる「死を超越した者」だろう
それを殺すには肉体を「完全に」破壊しなくてはならない
目の前の相手は、果たしてどれくらいの力量なのか・・・?
「単刀直入に言う!エルセアへの攻撃を今すぐ中止しろ!」
「それならやめたよ」
・・・・・・・・・・は?
私もドブロヴォイ様も耳を疑った
「・・・あ、いや・・・何故だ?」
ドブロヴォイ様、完全に予想が外れて珍しくテンパってる・・・
私もおんなじ気持だった
あっさり要求が通るなど思ってもいなかった
むしろ、一戦交えて力づくで排除するつもりで来たのだから
この展開は想定していない
「ついさっきモンドール様の使い魔が来てね
モンドール様がやめろって言うからやめたの
運が良かったわね」
ぷくりと頬を膨らませてネクロマンサーは言う
内心不満なのだろうけど、とんでもない大物の名前を出してくれた
モンドール・・・闇の軍団の長の一人にして
光の象徴とも言うべき魔導師「ガンダウルフ」と
転生の度に対決してきた、
言うならば「闇のガンダウルフ」のような存在
そんな大物と、この幼いネクロマンサーに
つながりがあったとは・・・
「でもね、つまんないの」
少女の呟きと同時に、周囲の空気が一変した
「せっかくいっぱい遊べると思ったのに
楽しみにしていたのに」
あちこちで墓石が動く、地面が不自然に盛り上がる
「まずい!退避だ!!」
私たちは慌てて少女から距離を取り
墓地の外れまで後退した
日はもうすでにとっぷり暮れていた
真夜中だ
アンデッドが動き出しても差し支えないだろう
少女は呟き続ける
遠くにいるはずなのに、声だけはっきり耳に届く
いや、頭に直接響いている
「いっぱいいっぱい傷つけて
いっぱいいっぱい殺して
お友達も増やして次の準備をする
そのつもりだったのに・・・」
墓の下から、土の盛り上がりから
頭が、手が突き出され
その持ち主が全身を出し始める
「だから、あなたたちだけでいいや
トゥレーヌのオモチャになっちゃえ!!」
墓地には無数のゾンビがひしめいていた
後退していなかったら、囲まれていただろう・・・
同時に、怒りがこみあげてくる
「命を何だと思ってるのよ!!
悪い子にはお仕置きが必要ね!!」
ベステラと同い年位の子供だろうと
やって良い事と悪い事がある
目の前のアンデッドも、元々は街の住人であり
誰かの家族だろう
ネクロマンサーの悪意から全員を救ってあげなきゃいけない
私はリュートを構えた
ただし、これから紡ぐ「詩」は吟遊詩人のものじゃない
私は息を吸い込むと、リュートを弾きながら歌った
「♪~」
「な、なんなの・・・?」
ネクロマンサーのトゥレーヌが動揺しているのが分かる
ここは墓地、音を遮るものなんて何もない
だから、私が短い交流の間にエミリオン姉さんから教わっていた
「浄化の歌」を遮る術などない
さすがにエミリオン姉さんみたいに
アンデッドを土に還すことはできないけど・・・
その動きを封じることはできる
「その耳障りな歌をやめて!!」
意図してはいなかったけど、トゥレーヌにも効いたようだ
耳を抑えて蹲っている
アンデッドたちも次々と倒れていく
どうやらトゥレーヌは操作どこではなくなっているみたいだ
「お、覚えてなさい!!」
悪役そのまんまな捨て台詞を放って
トゥレーヌは墓地の奥の道へ向かおうとする
「逃がさないよ!!」
ベステラがこの機を逃さずトゥレーヌの足元へ棒を放り投げた
【ベステラ→トゥレーヌ:スネークアイズ(強制ファンブル)】
「ぎゃん!」
トゥレーヌは顔から地面に倒れる
私はアンデッドが動かないのを見ながら
トゥレーヌに接近した
とりあえず、言いたい事は山ほどあった
けど、まずは・・・
「い、痛い・・・よくも・・・
殺してやる!!」
泥まみれの顔を上げたところで
私はタイミングよく腕を下ろした

【D=6&6 クリティカル】

パン!!という乾いた音が墓地に響く
私の平手打ちを左頬に受けて
トゥレーヌは頭を90度曲げて
大きく吹っ飛んで地面を転がった
「痛いですって?
ゾンビにされた人たちは
転んだ時よりも叩かれた時よりも
何倍もの苦痛を味わってんのよ!!」
私は倒れているトゥレーヌへ怒鳴った
トゥレーヌは・・・ピクリとも動かない
・・・ん?
流石におかしいと思って私はトゥレーヌに近づいた
体を揺する、動かない
頬を、今度は優しくペタペタと叩く
反応がない
呼吸を確認する、無い
脈を診る、無い
見開かれてる目は、瞳孔が開いていた
「し、、、、、、死んでる!!!」
私の頭の中を、
前世でよく見ていたサスペンスドラマのテーマが駆け巡る
やってしまった・・・・・・
殺すつもりなんてなかったんだという
あの手のドラマでよくあるセリフが頭に浮かんだ
そうだ、人情派の刑事さんが来る前に自首しよう
幸いここに一応自警団員のドーベルさんたちもいる
私はこの後で罰を受けるだろう
相手が相手だけに死刑にはならないだろうけど、
懲役は免れないだろう
どこかの刑務所に入って労働をする日々が待っている
殺してしまったトゥレーヌの冥福を祈り
自分の罪と日々向き合いながら過ごすんだ
時々、ベステラか団長が面会に来てくれるといいけど・・・
「お姉ちゃん、どうしたの?」
私はベステラを抱きしめた
「ベステラ、これからはドミニクお姉ちゃんと
ドブロヴォイ様の言う事をよく聞いてね
ドブロヴォイ様、二人をお願いします」
「いや・・・・・どうしたのだ?」
私はドブロヴォイ様に顔を上げて言った
「私はこれから自首してきます!
そして罪を償ってきます!」
「ねぇ、どうしてそうなるの?」
ドミニクが口をはさんできた
「この子は死んでるの、私が殺してしまったの
殺すつもりなんてなかったのに・・・」
私は顔を伏せ両手で覆って泣いた
そんな私の頭を冷たい小さな手が優しく撫でる
「まぁ人間なんだから間違いはあるよ
面白いから許してあげよっか?」
私は私の頭を撫でる手の主へ顔を向けた
「トゥレーヌ、私を許してくれるの?」
トゥレーヌは笑顔で言った
「いいよ、お姉ちゃんすっごく面白いから
殺したいほどムカついたけどやめた!
叩いたことも許してあげるね」
「トゥレーヌ!!」
私はトゥレーヌに抱き着いて泣いた
何ていい子なんだ、自分は私に殺されたのに
あっさり許してくれるなんて!!
私はバカだ
こんな良い子を殺すなんて・・・
「リュミール、頭は大丈夫か?」
「さっき転んだ時に強く打ったのがいけなかったんですよ、きっと」
ドーベルさんたちのつぶやきで私は我に返った
・・・・・・・・・あれ?
「何やってんの!!」
私はドミニクにトゥレーヌから引き剝がされた
トゥレーヌは生きている
しかも私が抱き着いた時にちゃっかりと私で泥をぬぐったらしい
彼女の代わりに私の服が泥まみれだ
「私がアレで死んだと思った?
残念、ネクロマンサーのトゥレーヌさまは
不死身なんだよ♪」
どうやら、死んだふりをしていたらしい
「実はね、泥を付けてくれたことも
叩いたことも許せなかったから
油断させて酷い殺し方してやろうって思ったの
そしたら・・・・・・・プッ」
トゥレーヌは爆笑し始めた
私は先ほどまでの自分を思い出して恥ずかしくなる
穴があったら入りたいとはこの事だ
いや、ここは幸い墓地だ
入る穴はいくらでもあった
「ちょっとどいて」
私はすぐ近くのアンデッドをどけると
彼の出てきた穴の中に入った
「待て早まるな」
私はドブロヴォイ様に引きずり出される
アンデッドは、どうすればいいのか分からず
オロオロと左右を見ていた
トゥレーヌは・・・立っていられなくなったのか
お腹を抱えて笑い転げていた
墓地を朝日が照らし始める
「あ、見て、朝だよもう」
ドミニクが指さす方向から朝日が昇る
墓地が明るくなってきた
・・・そう、夜明けだ
たちまちにしてアンデッドたちは力を失っていき倒れていく
「あ、りが、とう・・・」
私にどけられたアンデッドは死体に戻る前に
はっきりと、そう言った
トゥレーヌは、笑うのをやめて問いかけてきた
「・・・まさか、最初からこれを計算してたの?」
違う
「その通りだ!
ネクロマンサー!
お前の敗因はリュミールを甘く見過ぎた事だよ!!」
ドミニクはトゥレーヌに人指し指を
突き付けながら言ってくれた
お願いだからこれ以上、ややこしくしないで欲しい
この時点でトゥレーヌがキレたら真っ先に餌食になるのは
確実に至近距離にいる私なんだけど・・・
私はトゥレーヌの様子を見た
予想に反し、トゥレーヌは笑顔を作って言った
「そっか、まぁいいや
すごく楽しかったし、今回は勝ちを譲ってあげる!
また遊ぼうねリュミールお姉ちゃん!」
トゥレーヌはそう言って、魔術でどこかへ転移した
「逃げた、の・・・?」
「みたいだな、奴の気配はどこにもない」
ドブロヴォイ様が周囲を見渡していった
「やったー!!ネクロマンサーに勝った!!」
ドミニクは私より先に大声で万歳をする
思わず駆け寄ってツッコミの一つでも入れてやろうと思った
その矢先
カツン、と私の足に何か硬いのが当たった
「これは・・・?」
トゥレーヌの落とし物だろうか?
暗い時は分からなかったのだけど、朝日で照らされてそれが分かった
鞘に収まっている短剣だ
恐らく身分証明用も兼ねた物だろう、
それなりに豪華な装飾がされている
ドーベルさんはそれを拾い上げると
眼を見開いた
「これは、『猟犬』の・・・!?」
その短剣の柄頭にある紋章は、
ドーベルさんの持つ短剣にあるものと同じだった
つまりこれは自警団「猟犬」の物であることを示す証拠品だ
それが、墓地に落ちていた事
それが何を意味するのか・・・
一つのシナリオが私たちの中で組み上がっていた

(つづく)

解説

解説1:サスペンスドラマ
日本で火曜日にやっていたサスペンス劇場です
「殺人事件」「崖の上」「刑事」はベタシチュ

 

解説2:ヴァンパイアの行方
今回はリュミールたちと入れ違いの形で撤退
彼との接触はまだ先のお話です

ではまた

 

 

 

 

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