Monster Makers’ Conflict-第1部第1章第8話:<エピローグ>予言の塔へ

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第1部リザレクションの序章

第1章これにて完結

第1章:エルセア聖女追放騒動

第8話:<エピローグ>予言の塔へ

私はリュミール、吟遊詩人だ
ついさっきエルセアの人々を苦しめていた自警団「猟犬」の拠点で
彼らの打倒に成功した
とは言っても、向こうはすでに色々あって
私たち数人でもどうにかなってしまうところまで追いつめられていた
副長自ら団長を逃がすための時間稼ぎ要員を買って出てきた上に
他の団員が加勢どころか姿も見当たらない状態で
今どういう状況になっているのか察しが付く
向こうはすでに、私たちを相手するどころでは無かったのだ
一応、ドブロヴォイ様がエルセアの自警団に声をかけて
こっちに向かう手はずなんだけど・・・
悪いとは思うけど、彼らの出番は無さそうだ
副長が「カード使い」だった事は予想外だったけど
うまいこと私のブラフに引っかかってくれた
そして敗北後の副長は完全に観念していた
彼が残ったのは団長を逃がすためと
身に覚えのない罪で投獄される屈辱から抵抗するためだったそうだ
「自分勝手だね、どれだけの人にそう言うことしたのさ?」
珍しくドミニクが怒っている
確かに彼らがしてきたことは許される事じゃない
だからこそ、彼らはここまで追いつめられたのだ
彼らは他の人々を軽く見過ぎた
自業自得だし同情の余地も無い
「団長に伝えて下さい、私と彼女は団を抜ける、と」
ドーベルさんはプードルさんを撫でながら言った
「分かった・・・」
副長はあっさりと承認した
「ねぇ、元ドーベルさんって何て名前なの?」
「元ドーベル・・・・・」
ドミニクお願い、空気読んで!!
猟犬関係者3人とも白くなって固まっちゃったでしょ!?
「私はヨランド、ヨランド・ダラゴンだ
この子はマルグリットと言う・・・
可愛い妹みたいな親類だ」
ヨランドさんは苦笑しながら自己紹介した
「私も名乗るべきだろうな
我が名はエルナン・コルテス
ずっと昔、大戦が始まった頃にこの世界に召喚された
数多くのモンスターメーカーの一人だ
今はこの世界の転生者の一人だがな」
副長も自己紹介をした
「さて、副長殿はどうする?
もうすぐドブロヴォイ様が到着する頃だが?」
「見逃してくれるなら大人しく退こう
このエルセアにも二度と手は出さないと約束する」
ベステラが私の袖を引っ張った
「お姉ちゃん、この人はどうするの?」
みんなの視線が私に集まる
どうやら私が選択を握ったようだ



私たちは彼を逃がすことにした
どのみち「猟犬」は追放される運命だ
エルセアからさっさと出て行ってくれるならそれに越したことは無いし
「猟犬」がエルセアに戻ってくることも、もう無い
「それにしても驚きだよね、『侵略者』がいたなんて」
ドミニクは去っていく二人の背中を見ながら呟いた
「大戦」で暴れ回った「空から来た脅威」たち、「侵略者」
彼らが怒らせた相手「パトロン・ミネット」はその一派だと言う
その連中も気にはなったけど、騒ぎは起こしていないようだし
むしろ今回は被害者と言ってもいいだろう
標的だった「猟犬」がいなくなった今、攻撃理由も無くなった
連中が暴れる事もないだろう
それに墓地に剣を置いて行った彼らは
〈猟犬が死霊術師と組んでエルセアをゾラリアのものにしようとしていた〉
というようなウワサを流していた
事の真偽は別にして、ソレは「猟犬」に出て行ってもらいたい人達には良い口実になる
「猟犬」を悪く思う人でもソレが真実と思い込むだろう
そのウワサは遠くない将来
『ゾラリアから来た「猟犬」という集団が死霊術師を使ってエルセアを脅かした』
とでも変化して伝わっていくに違いない
ここはエルセア、ゾラリアとは違う
ゾラリアの王家や貴族が介入しても、この醜聞を消すことはできないだろう
少なくともしばらくの間はゾラリアはエルセアへの介入はできなくなったのだ



「気を付けて行ってくれ」
「はい」
私たちはヨランドさんとマルグリットさんと別れ
エルセアを旅立った
二人はエルセアに住み込むことにしたそうだ
もうゾラリアに戻る気が無いというのと、
彼女たちなりにエルセアへ猟犬がしでかした罪滅ぼしがしたいという事らしい
それと、押収された「猟犬」が掴んでいた情報の中に
『闇の軍団が水色の魔女を追って手下を放った』というものがあった
「水色の魔女」とは、たぶんルフィールちゃんの事だと思う
彼女の無事を確認できてほっとしたと同時に
「闇の軍団」が再始動しつつあることを私たちは知った
たぶん、彼らとの激突は避けられないだろう
ひとまず当初の目的の「予言の塔」に行こうと思う
あそこに「闇の軍団」すら掴んでいない何かがあるかもしれない
私にはヴィシュナス様が何も残さず死んだなんて思えなかった
きっと何かあるはずだ
*
*
*
「おいおい、猟犬の副長がコルテスの野郎ってマジか?」
ジシュカからの報告を受けて「タカ」は驚いた
話が読めない様子のジシュカに「タカ」は言った
「あいつはな、ベング高原の『裏切りの民狩り』の急先鋒だったんだよ
だから『パトロン・ミネット』とも激突している
もっとも、一回の激突で逆に蹂躙されて終わったけどな」
相手が悪すぎたよあれは気の毒だ、と
しみじみと思い出すように「タカ」は話した
「ガマグチの奴が身内へ手を出した馬鹿を忘れるわけがねーからな
万が一でも目に入った次の瞬間には、その場でまた力任せに引き裂いてるだろうぜ
ま、弟子のケアにかかりっきりだったせいで気づかず済んだようだけどな」
ジシュカはしみじみと語る「タカ」とは正反対に
顔にこそ出さない物の、ぞっとした
「また」「引き裂く」と、さらりと口にしてくれた
話を総合すると素手で人間を解体できる奴という事になるが・・・
真実か例えなのかは置いておいても、その「ガマグチヨタカ」とやらの
攻撃性と残虐性を垣間見るには十分だ
さて、と表情を引き締めて「タカ」は続ける
「ジシュカ、『ヒクイドリ』にこの手紙を届けろ、
そして指示に従え
少なくともあの女と一緒に居ればアイツらは手を出して来ないぜ」
「アイツら?」
ジシュカの疑問に、「タカ」は答えた
「悪魔族だよ、ガマグチの奴にとっては『古巣のお友達』だろうが
お前には脅威でしかねーだろ?」
『またガマグチ絡みか』とは思ったものの口には出さず
ジシュカは手紙を受け取った

(第1章完結、第2章へ つづく)

 

解説

解説1:ヨランド・ダラゴンとマルグリットの由来
オリキャラですが双方とも歴史上の人物がモデルです

「ヨランド・ダラゴン」は百年戦争時代に活躍した女性で
戦場に立った「ジャンヌ・ダルク」とは対照的に
外交や政治の面で大活躍しました
フランスを救ったもう一人の救世主とも言えます
「マルグリット」は彼女の孫娘で
彼女に養育されたのちにイギリスに渡り王と結婚
薔薇戦争で活躍することになります

そういうわけで、この作品では二人は親類同士です
とても仲良しです

 

解説2:エルナン・コルテスの由来
こちらもオリキャラですが史実の人物がモデルです
「エルナン・コルテス」はアステカ征服を行った征服者(コンキスタドール)です
同じスペイン出身でインカ帝国を滅ぼしたピサロのおかげで
影が薄いかもしれません(汗)

 

解説3:悪魔族
ウルフレンドの「闇」が目的の異世界からの侵略者です
精神構造も価値観も異なり言語も通じないので
大体は敵対することになりますが
黒魔術師の中には彼らと取引をし代償と引き換えに
働いてもらったり力を借りたりと言った事をしています
(公式設定)
「リザレクション」で活躍した「グラナール」はその顕著な例で
悪魔の力を借りて闇の軍団のトップになる事を目論んでいます

 

次回より新章突入です
時間軸はノベル「リザレクション」が終わった後あたりです

ではまた

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