Monster Makers’ Conflict-第1部第2章第0話:悪魔たちの謀略 | 回廊蝦蛄日和

Monster Makers’ Conflict-第1部第2章第0話:悪魔たちの謀略

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第1部リザレクションの序章

新章プロローグです
時間軸は小説リザレクション終了後です

第2章:炎の魔女を探して

第0話:悪魔たちの謀略

どうしてこうなってしまったのだろう?
『裏切りの民』その理由は何なのか?

女闘士アルボアはおぼろげな意識の中で思った
あのグラナールに悪魔の生贄にされた
そして今、そいつらは自分を貪っている
叫ぶことも泣くことも怯えることも疲れた今は
ただ痛みや不快感を発するだけの機械も同然だ
だがそうなっても悪魔たちは解放してくれそうにない
魔王の舌に適う、彼らの好みの味であることは分かるけど
所謂「女ザコ」に当たる自分の代わりなど、
いくらでもいるはずだ
そう思っていたが・・・
ずっと前に来た時よりもここにいる他の「死すべき種族」が
ぐっと少ない事に気が付いた
「冬の時代」は、悪魔たちから貴重な「食料」をも奪い去ったようだ
だから、彼らは昔ならとっくに捨てているはずの
食いカス同然になった生贄すら容易に手放そうとしない
親切な悪魔が記憶を保存していてそれを返却してくれたおかげで
ここには以前も何度か来た覚えがあるものの
その時と違い彼らはすごく飢えているのを感じた
記憶を返してくれた悪魔は満足げに頷いたものの
その様子に余裕はなく、
その場しのぎの修復の結果に満足した技師のような顔をしていた
向こうではミイラ同然の姿で髪も真っ白になった女が横たわっているが
それにすら悪魔の何体かが群がり名残惜しそうに見降ろし
いつまでも離れずにいた
中には噛みついたり舐めたりして反応を確かめているのまでいる
いつまでも久々のご馳走の獲物の骨にかじりつく飢えた子供のように・・・

悪魔の窮状がこうだからと言って自分の状況が好転するわけではない
むしろ以前よりもより悪化していたし
転生の機会すらも永遠にないかもしれない
どうしてこうなったのだろう
隣で上がる悲鳴を聞きながら再び思う
そもそもは、友人の商人カオニュが
横暴な領主に反乱を起こしたから?
いや、自分のいた部族が「裏切者」にされたからだ
あの時に全てが狂ったのだろう
それさえ無ければ、滅亡戦争の最中であっても
『革命』は成功していたはずだ

では、自分たちは『何』を裏切ったのだろうか?
他のベングの民が協力を拒むほどの何か、だろう
あるいはその逆か?
だけど思い当たることは無い
それも、勝手に自分たちの部族と姉妹関係の別の部族がやったことで
自分たちは全く与り知らない事だと言うのに・・・
例え転生しても、この記憶は
カオニュたちの事だけは絶対に忘れない
次があったら、もしもここから出られたら
それを追求しよう
アルボアはそれだけを思った
*
*
*
「ロスト・・・・・・ですか?」
首をカクンと傾げてモンタズナの前の男は言った
『見た目』はヒューマンの青年ではあるものの
モンタズナはその正体をずっと昔に看破していた
大戦の記憶すら維持するモンタズナには
いわば数少ない顔見知りだった
が、その顔見知りの機嫌は急転直下で急落している
あまり顔に出ていないが声の温度が違った
「彼女を殺したのは、『誰』ですか?」
モンタズナは犯人を知っているし、そもそも『事』は奴の独断だ
そして勝手に手駒を生贄に捧げた挙句に今そいつはこちらに逃げてきている最中だ
いっそ素直に答えて
そいつを生贄に捧げておこうか、と思った
だが、グラナールはまだ利用価値はある
それに、腹に一物抱えてはいるが
自分の野望の成就には必要な使徒だ
切り捨てるにはまだ時期尚早・・・
庇ってやる事にしよう、とモンタズナは決意した
「貴殿の主、と言っても復讐するか?」
嘘は言っていない
グラナールはデーモンロードにアレを捧げたのだ
それに、目の前の相手に嘘は通じないことは分かっている
今のような状況下で嘘を言ってしまった奴の哀れな末路も知っていた
その返答に男はしばし考え込む仕草をし
モンタズナを見ながら口を開いた
「では、我が君たる方々に彼女を捧げた者の名を」
間髪入れずに別の声が割り込んだ
「<そのくらいなら、良かろう?
我がコイツを抑えておくゆえ、安全は保障しようぞ>」
そいつの背後の『影』がしゃべった
そういえば、コイツもいたな・・・と思い出しながら
モンタズナは対話を続けた
彼はまだ「炎の魔女」を諦めていない
幸運にも「水色の魔女」が自らの復活を拒み
復活に使うはずの力で行動を共にしているオークを癒した事を
すでにグラナールから報告されていた
ならば、まだチャンスはある
目の前の男、空の上から来た『トリカゴ』の『ガマグチヨタカ』中佐
・・・色々あって二階級特進して今は准将という
得難い手駒を利用するのだ
魔術師は魔術の行使が恐れられているが
それは魔術師が魔術師たる所以の、ほんの一割未満だ
相手の心に付け入り、揺さぶり、時として壊す
どんな鎧でも魔術師から心を守ることはできない
どんな武器でも魔術師に直接当てられなければ意味は無い
ところが・・・
「その”りざれくしょん”、私も協力しましょうか?」
「は?」
起きた出来事の説明の話の途中で相手は急に言い出した
日常会話程度の魔術師の本領すら出していない段階で
モンタズナが欲した返事を相手はしてくれた
「あ、ああ・・・」
モンタズナは拍子抜けしながらも幸運に感謝した
せっかく相手がその気になってくれたのだ
ならば信頼を得て少なくとも断られないようにすることに徹するのが賢明だろう
かと言って使い捨てや裏切りを働くつもりも無い
過去『トリカゴ』に対しソレを行った勢力は例外なく滅ぼされているのだ
本隊がいないとはいえ、すでにエルセアの『猟犬』がどうなったのかは耳に届いている
しかもその主犯格グループのリーダーは目の前にいた
「どうか、しましたか?」
「あ、いや・・・『猟犬』を滅ぼしたというのは貴殿なのかと」
「いえ、私は手伝っただけです
実行は私の一番弟子の子に任せました」
嬉しそうにそいつは言った
どうやら機嫌はだいぶ良くなっているようだ
モンタズナはホッとした

直後、弟子の自慢話を延々と続けられ
彼は苦痛にうめいた
*
*
*
「時は満ちた」
其の存在は、ウルフレンドとは異なる世界の最奥で
それを確信した
かつて天から堕とされた七柱の魔王たち
『デーモンロード』という自らの偶像を使い
地上の黒魔術師や黒い神官を利用し、力はある程度取り戻すことができた
そして何より、彼らの助力で多くの同胞が地上に送り出されている
橋頭保の確保はすでに為った
作戦を次の段階に進めるべきだ
全員一致で其れは可決された
「地上に居る同胞たちよ、聞け
我らが力を抑える忌々しき封印を壊せ!
褒美は望み次第だ!」

アルボアはおぼろげな意識の中でそれを聞いた

(つづく)

解説

解説1:女闘士アルボア
デーモンロードの生贄に捧げられた直後なので
まだ食われまくっています
解放はまだ先のお話

解説2:『ガマグチヨタカ』准将
前の章で暗躍した『パトロン・ミネット』のリーダー格
魔界からの指令を受け取っていますが
思う事あってモンタズナに直接交渉に来ました
『影』は相棒

解説3:グラナール
このお話の時点では
モンタズナに殺されないための言い訳を考えながら
指定された合流地点へ向かっています

解説4:ウルフレンドとは異なる世界
俗にいう『魔界』です
いよいよ、悪魔たちは本格的な再侵攻を開始します
同時並行で『あの勢力』も軍の再編を終えて
向かって来ていますが
到着は第二部以降の予定

ではまた

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