Monster Makers’ Conflict-第1部第2章第3話:ネオ・フェニキスの襲撃 | 回廊蝦蛄日和

Monster Makers’ Conflict-第1部第2章第3話:ネオ・フェニキスの襲撃

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第1部リザレクションの序章

新勢力登場

第2章:炎の魔女を探して

第3話:ネオ・フェニキスの襲撃

私はリュミール、吟遊詩人だ
今は家出したルフィーアを追っている
手がかりはヴィシュナス様の水晶玉だ
矢印のようなものが浮かんで大雑把な方角を示してくれている
後はそれを頼りに地図を広げて道を行くだけなんだけど・・・
ルフィーアはルフィールが行った道を避けて行動しているようだった
それも、わざわざ鉢合わせしないように
私はルフィールの情報を探りながら行動していたので分かる
どんどん当初の予定ルートから外れて行くのが・・・
今は、完全にルートを外れて南の街道の端にいる
レオスリック行きの船が出る港がこの近くにあるはずだけど
今レオスリックへ行っても多分ディアーネさんはいないだろう
「でもさ、なんでルフィーアとルフィールは別々に転生したんだろうね?」
頭の後ろで手を組んで考えながらドミニクが言った
「力が強すぎたから、だろう
世界を焼くほどの力など、ただのヒューマンに転生した身では受け止めきれん」
ドブロヴォイ様は悔やむようにそう言った
「私に、もっと強さがあれば」と呟いたのも私は聞き逃さない
「ね~、アレって火事かな?」
ドミニクは重い空気を振り払うかのような明るい声で言った
・・・彼女が雰囲気を変えようと言ったのでないことを
私は彼女が指さした方角を見て悟る
黒煙が上がっていた
それも半端な量じゃない・・・
「すまんここにいてくれ!
合図したら気を付けながら来い!!」
ドブロヴォイ様はそう言うと、全身甲冑にもかかわらず
音も立てず素早く駆けて行った
*
*
*
煙に近づくにつれて兜の隙間から臭いが入る
それは徐々に強くなる
煮炊きではない
木々が焼ける臭い
布が焼ける臭い
金属が溶ける臭い
そして、肉が焼ける臭い
戦場で嗅いできた、あの臭いだ
「貴様ら何をしている!!!」
動く影を見て取る
それが襲撃者と確認しドブロヴォイは怒声を上げた
「まだ生き残りがいたのか・・・
!?お前、騎士かよ!?」
「聞いてないぞ、オレたちはゾラリアに喧嘩を売ったつもりは・・・!」
「お、おい、どこの手の奴だ!
キルギルか?
それとも・・・」
襲撃者はヒューマンではない
かと言ってオークではない
人馬一体の容姿—ケンタウロスだ
相手は動揺していた、ならばとドブロヴォイは制するべく
胸を張り名乗る
「我が名はドブロヴォイ!!『白き庭の館』の主にして
勇士ツチラトの父だ!!!
貴様ら!!ここで何をしている!!!
我が眼前で無法は許さんぞ!!!」
ドブロヴォイの名乗りは、時代に即したものではない
そもそもまだ息子とは再会もしていない
しかし相手は自分をどこかの騎士だと見ている
ならば、と敢えて変えずに名乗った
「館・・・貴族かよ!?」
「し、知らなかったんだ、ここがあんた・・・いや
あなた様の領土だったなんて・・・」
「おい誰か隊長に伝えろ!!緊急事態だ!!」
相手の会話から情報を得て行く
粗末な革と金属のプレートアーマー
手にした槍は血に濡れているが量産体制で作られた正規品
しかも手入れがされている
そして親分でもボスでもなく『隊長』と口にした
つまりこいつらは、流れてきた盗賊ではない
『どこかの国の略奪部隊か・・・?』
ドブロヴォイは可能性のある勢力をいくつか思い浮かべたが
どれも当てはまらない
一番可能性のありそうな『トリカゴ』は
リザレクションエイジの直前の戦いで宇宙へ撤退していった
最後まで抵抗していた『アイツ』の娘と名乗る怪異もその要塞艦も沈んだ今は
大した戦力は残っていないだろう
それに、あいつらは主に異星人の混合部隊だ
中でも前線に出てくる奴は自前の甲殻なり鎧甲なりを備えているか
多少の攻撃でもビクともしない肉体ないし身体能力や機能を持っている
武器も銃より恐ろしいのは、その牙や爪といった『生身の体そのもの』だと言えるだろう
特に『ドラゴ星獣』という種族は危険度の桁が違った
見た目はこの惑星のリザードマンと似ているが中身は別物だ
リザードマンの姿をしたドラゴンと言う表現がしっくりくる
今、目の前にいるケンタウロスどもなど
アレに比べればまだ可愛いものだ・・・
考えているうちに代表者らしい立派な兜のケンタウロスの男が来た
「貴殿か、この村で乱暴を働いた盗賊の首魁は?」
敢えて『盗賊』とドブロヴォイは言った
期待通り激高して相手はあっさりと欲しい情報を勝手に言ってくれた
「無礼な!
我らはネオ・フェニキスが栄光ある第6皇子殿下様の
直属部隊だぞ!!」
聞いたことも無い国だ
『フェニキス』は確かにあったし自分も息子もその仲間も
かつて加担していた
全てが滅びた後で、各地に散らばり細々と残った文明や技術
その集積を行い世界を再生させようという試みがあった
しかし、その手法の強引さ傲慢さが
『セントーラの悲劇』を引き起こし、自業自得で『トリカゴ』に滅ぼされた
だから『フェニキス』は、もう存在しない
つまり、こいつらはその末裔を勝手に名乗っている
どこかの国の手先だろう
ケンタウロスと言えば、セントーラの主要種族であったが
あそこの一族「フウイヌム」は、とても理性的で善良だった
目の前のこいつらと比較することなど到底できない
『もっとも、彼らの壊滅の片棒を担いだ時点で私も同罪か・・・』
フェニキス上層部と対立したことは一度や二度ではない
奴らは目的のためなら手段を選ばないし、
平然と道徳や良識すらも踏みにじる
しかし長を殴ってでもフェニキスの行軍を止めるべきだったと
あれから幾星霜経つ今も後悔していた
あの時だけではない、ずっと後悔の連続だった
だから今は、絶対に後悔しない生き方だけをすることに決めた
息子ツチラトが転生した時に胸を張って出会えるように・・・
「貴殿ら、ここから立ち去れ
ここはゾラリアの領土だ、貴殿らの行いは王家の怒りを買うに値するぞ!」
この言葉に相手は呆気にとられた顔をした
「でたらめを言うな、ゾラリアなど・・・既に滅んだ国家ではないか!!」
その言葉は嘘でも無いし真実でも無い
ゾラリアは滅亡戦争で例外なく滅びた
しかし、最近ようやく復活したのだ
だがそんな事はどうでもいい
どうやら戦闘は避けられぬらしいし、こいつら外道を生かす理由も無い
リュミールたちを置いて来て正解だった
あの子たちも息子にも、二度と「戦」など関わらせない
汚れるのは自分ら大人だけでいいと決めたのだから
「助太刀しますわ、ツチラト殿の御父上様」
聞き覚えはあるが絶対に聞きたくも無い声がした
リュミール達が近くにいる状態での再会など
願い下げの相手の声だ
「なんだ貴様・・・・・ぐが!?」
蛇のように伸びた『毒気』に絡め捕られ
ケンタウロスたちは次々と倒れて行く
「・・・貸しのつもりか、キーラ?」
警戒しつつ相手を振り返った
派手な色の髪の毛に蛾を思わせる羽
蛇に似た下半身を持つ紫色の肌の女性がそこにいた
左目のあたりの大きな傷は相変わらずだった
「そうですわ、わたくしはここに『探し人』をしに来ましたの
邪魔しないでいただけるとありがたいですわ」
チロリと、蛇に似た舌を妖艶な唇から覗かせながら彼女は言った
「・・・ここにはいないようですわね、でも」
キーラは手を突き出す仕草をした
それだけで彼女の前の瓦礫が吹き飛び、下が露になる
「生存者はいましたわ」
そこには、頭から血を流して倒れている少女が居た
「・・・めんなさい、ライ・・・・・」
何かを呟いている
「わたくしなら助けられますわ、邪魔しないで下さいませ」
とりあえず言われた通りにすることにした
少女の服を脱がし始めたので慌てて明後日の方を向く
そして考える
謎のケンタウロスたちの事、『ネオ・フェニキス』と言う組織あるいは国家
それに、この連中は一体どこから来たのか・・・・・?
「お前たち何者だ!?」
ドブロヴォイは声をかけた男を振り向いた
いつやって来たのか、手に鍬やら鋤やらを持った男が数人そこに居た
キーラは、人間の姿になって少女の介抱をしている
「失礼した、賊の襲撃を見て居ても立っても居られず
討伐したのだが・・・少し遅かった」
ドブロヴォイは頭を下げた
「あんた、ゾラリアの貴族か?」
感謝ではなく媚びるような声色に
ドブロヴォイは兜の中で表情を変えた
「ん?」
それは思わず出た言葉ではあったが、相手はそれを肯定と受け取った
ついでにその中に混ざる不快感も嗅ぎ取ったのか
慌てて言葉を繕い始める
「い、いや、あんた・・・いや
あなた様の騎士団で、こいつらの本隊を潰してくれませんか?」
言いながらその男はケンタウロスの死体を踏みつけた
「やめろ」
ドブロヴォイの殺気を込めた低い怒声に、男は悲鳴を上げて下がる
「・・・失礼した、しかし先の戦は我が名誉のかかったもの
その相手を踏みにじるのは我が戦を
如いてはその名誉を踏みにじる行為であると認識していただきたい」
ドブロヴォイの詫びに、踏んでいた男は黙って首を縦に幾度も降った
「村長殿はご無事か?」
「は、はい、どうぞこちらへ・・・」
村人らはドブロヴォイを先導するように歩き始めた
「待て」
またしても発せられた怒声に村人たちは硬直する
「貴殿ら、傷ついた娘を放ってどこへ行くつもりだ?」
ちなみにドブロヴォイは今度と言う今度は本気で怒っている
村人たちの服に汚れが無い事
手にした道具には血の一滴も無く損傷すら無い様子から
ここに居たはずの人々を見捨てて逃げ出し
静かになったところで様子見に出てきた事を察したのだ
『挙句の果てに、まだ生きている少女を見捨てるとは・・・!』
ドブロヴォイは殴り飛ばしてやりたい衝動を堪えていた
カタカタと鎧が震える
「ひぃ!?
も、申し訳ありませんでした!!」
村人たちは慌ててキーラの介抱している娘の方へ近づく
「なんだ、レイかよ・・・」
男の一人が少女を見るなり、そう呟いた
「死んだ方が良かった娘さんでしたの?」
ドブロヴォイにも聞こえやすいようにわざと大きな声でキーラは言った
「・・・説明してもらおうか?」
村人らが振り向くと・・・腕を組み仁王立ちの全身甲冑の騎士が居た
もはや隠すことのできない怒りが陽炎となりそこから昇っている
「実は・・・」
これ以上下手を踏むのは命が危ないと思ったのか
村人たちはレイという娘について話だした

(つづく)

解説

解説1:レイ
御存知の方は多分御存知の公式ネームドです
彼女は『闇の竜騎士』の登場人物で
ライアと同じく神話時代から転生してきました
一応ライアはリザレクションに居るのですが
彼女の親友レイが影も形も無いため
個人的に不憫に想い、いつか出そうと思っていました
この物語でもライアの親友と言う立ち位置です

解説2:ネオ・フェニキス
今回登場のオリジナル新勢力です
ケンタウロスのモンスターカードから思いつきました
全員がケンタウロスで構成されている軍事国家です

解説3:フェニキス
SSプロローグの初っ端で滅んでますけど
一応は「滅びた世界各地から文明のデータや技術を集約し
再び世界を元に戻す」
と言う大義名分を抱えていました
が、やり方が急進的かつ強引過ぎたために敵も多く作り過ぎ
挙句『セントーラの悲劇』を招いてしまい
『トリカゴ』総司令直属艦隊に降伏すら許されず焼き尽くされるという最期を遂げました

解説4:フウイヌム
知的で温厚で善良なケンタウロスの種族です
モデルは「ガリバー旅行記」のフウイヌム族です
彼らはあまりにも善良過ぎたために
ガリバーは帰国後は妻子を含む人間を愛することができず
馬を飼育して愛情を注いだとか・・・(汗)

ちなみに、ガリバーがそうなった理由の一つに
フウイヌムの国にいる「ヤフー」という邪悪な猿人たちが
あまりにも人間(の醜い面を凝集した様)に似ていたため
というのもあります(汗)

解説5:キーラ
前の章で一番荒れて一番暴れていた人
コードネーム『タチヨタカ』
階級は准佐→大佐
『転生』を頼りに再び失った少女を取り戻すべく
表に出てきました
実力は師匠のチョイ下→本気になると師匠以上
一番弟子でしたが
初めての弟子の彼女の最初の仕事は
常識を知らない師匠にあれこれ教える事だったというのは
身内内でも有名な話

自ら故郷を滅ぼした彼女ですが
師匠を止める側に回ることが多い模様
外伝作品でアルボアさんが言った通り「通訳」としての役もしていました

 

 

ではまた

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