Monster Makers’ Conflict-第1部第2章第6話:ヴェストリのクロワルース | 回廊蝦蛄日和

Monster Makers’ Conflict-第1部第2章第6話:ヴェストリのクロワルース

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【MMSS】投稿ページ:Monster Maker ResurrectionRPG FAN SS- Monster Makers’ Conflict-

第1部リザレクションの序章

デコキャラ登場

第2章:炎の魔女を探して

第6話:ヴェストリのクロワルース

私はリュミール、旅の吟遊詩人だけど
今は村の中に堂々と侵入している
目的はルフィーアの救出だ
シャニーたちに事情を話したところ
最近ルフィーアと同じ服装の少女が捕まった事を聞いた
ドブロヴォイ様が村人を怒ってくれたおかげで
待遇はかなり改善されたらしいけど
小屋に押し込められている事に変わりはない
情報を知っているはずのタチヨタカが
私たちに何も言って来なかったのは
恐らくルフィーアについては無関心だからだろう
少なくとも『侵略者』がルフィーアを探していないことには
私はホッとした
「おい、お前たち、は・・・・・・・・」
村人の一人が私たちを見つけて咎めようとしたが
私とドミニクを見た途端
その声はどんどん尻すぼみになった
よく覚えていないけれど、私たちを襲った奴の一人だろう
「いい?
あなたたちの行動次第で村の運命は決まるからね?
私たちの事はすでにレオスリックに知れているはずだから
口封じなんてバカな事はしないでよ?」
私はすかさずハッタリをかました
村人は壊れた人形のようにコクコク頷いた
ディアーネさんの威を借りるみたいで気が引けたけど
ルフィーアの安全には代えられない
彼女もきっと許してくれるだろう
「ねーねー、ルフィーアはどこ?
無事を確認したいの、もしも何かあったら・・・・・
ディアーネさん、怒るとすっごく怖いから・・・」
最後の方はキョロキョロ周囲を伺いながらの小声で
さも『関係者に聞かれたら自分もまずい』風を装うドミニク
コレが決定打になり、その村人はルフィーアの幽閉小屋まで
即座に案内してくれた
「じゃあ、また来るね」
ちょうど、少女が小屋から出てきたのと鉢合わせる
少女は驚いた顔でこっちを見ていた
「初めまして、私たちこの中にいる子・・・
ルフィーアのお友達なんだ、よろしくね!」
ドミニクは即座に挨拶をした
「誰だお前は!?」
しかし、私たちを案内してきた村人は驚きの声を上げた
「え、この村の子じゃないの?」
私は聞き返す
「オレは、てっきりあんたらの仲間だと思ったんだけど・・・」
村人は答えた
ちょっと待って、じゃあ、この子は誰?
私は目の前の子をじっと見る
年齢はベステラより少し上くらい
褐色の肌にすごく短い髪(額がとても目立つショートヘア)
露出している肩と腕、足にはうっすらと筋肉が見えて
腰のベルトに装飾の入った短剣を提げている
胸の膨らみが無ければ運動系の男の子に間違えそうな子だ
私が次のアクションを起こすより早く、ベステラはその子へすでに接近していた
「お姉ちゃん、戦士の人?
私はベステラ、エリミネッタ一座の軽業師なの!」
怒涛の自己紹介に続いて両手を取っての握手
トドメとばかりに目いっぱいの笑顔
・・・コレでオちない奴は居ない
我が妹分ながら、恐ろしい子!
「ルフィーアの友達ならいいんじゃないの?」
その様子を見てドミニクが口を挟んだ
「そうだよ、このお姉ちゃんは悪い人じゃないよ、ね?」
すかさずベステラもそれに口を合わせる
「じゃあ、何も問題は無いわね
私たちにとっても共通の友人ってことになるから」
私は村人の方を振り向きながら言ったけど・・・
村人はいつの間にかいなくなっていた
村長に報告しにでも行ったのだろうか?
「ねぇ、お姉ちゃんは何てお名前なの?」
コミュ力が半端ないベステラがグイグイ行ったおかげで
少女は口を開いてくれた
「ボクは、クロワルース・・・
ヴェストリのクロワルースっていうの」
しゃがんでベステラと同じ目線で少女は言った
クロワルースはそこでいったん口を噤んでから続けた
「『裏切りの民』のクロワルースだよ」
どこか悲し気に、自嘲気味に彼女は私たちを見ながらそう言った
*
*
*
「その、『裏切りの民』というのは、どっちの部族の方だ?」
村長との会談中に報告があると飛び込んで来た男は
開口一番に「『裏切りの民』が来た!」と言った
ドブロヴォイが知る中で該当するのは二つの部族
ベング高原の北方に居た呪術を得意とする『姫』が治める『ノルズリ族』
その近辺の西側に位置し、道具の研究や技術の推進をしていた『ヴェストリ族』
ただし、ノルズリは大戦末期に領主へ反乱を起こし、ベングを離れた後に滅亡
ヴェストリは『破壊の乙女』を守って滅んだと聞いている
だがしかし、今は『リザレクションの時代』だ
どちらが復活したとしても不思議ではない
「もしかして、わたくしの師匠の奥方・・・
ノルズリの姫様じゃないですわよね?」
キーラが口を挟んできた
そういえば、『トリカゴ』はその縁で『ノルズリ族』へ加担していたな、と
ドブロヴォイは『大戦』時を思い出す
彼女が復活したならば『冥婚』相手とはいえ
キーラの師匠を探しに来ても自然な事だろう
あいにく、ここにいるのは弟子の方だが・・・
「『ヴェストリ族』の方だ
腰に紋章入りの短剣を付けていたので間違いない」
村人の言葉にキーラは肩をすくめた
「じゃあ、違いますわね
残念ですわぁ、彼女の驚く顔を見て見たかったのに・・・」
そういえば・・・聞いた当初は信じられなかったが
キーラの師匠は『結婚相手を探す』とか言う理由で動き回っているらしい
本隊が不在で仕事も無く暇とはいえ
まさか、そんな考えを起こす奴とは思ってもいなかった
一番弟子であるはずのキーラですら冗談と思ったほどだ
もっとも、どこかで暴れたり『食害』でもされるよりは大分マシだが
「それで、何か問題でもあるのか?」
ドブロヴォイは『ヴェストリ』の長と会い話をしたことがある
そこで親しい仲の『魔女』を助けるために『裏切りの民』となる決意も聞いていた
だから、『裏切り』の理由も知っている
ドブロヴォイはその時に自分一人だけでも守ることを誓った
彼女たちの決意を、覚悟を、その矜持を
笑う事は許さないつもりだ
「せっかくですから、ネオ・フェニキス討伐を手伝っていただいてはいかが?
幸いあのバカ師匠はこの場にはいませんからトラブルにはなりませんわよ」
キーラはそう言いだした
馬鹿な提案とは言えない
なにせ軍を相手するのに人手が圧倒的に足りないのだ
部族単位の援軍は諸手を挙げて歓迎したい
「い、いけませんぞ!
『裏切りの民』などと組むなど・・・!!」
村長の言葉にドブロヴォイは無言で席を立った
息を呑んで村人も村長もその側近もドブロヴォイに注目する
「村長よ、理由を聞かせてもらおう
偏見以外のもので頼むぞ
最初から敗北するつもりで一軍を相手にするなどと言う
バカげた行動は御免被るからな」
ドブロヴォイは兜の奥から村長を睨みながら言った
最初からこの男の事は信用していない
出された茶にも手を付けていない
一服盛るくらいは平気でしてくるだろう
そもそも村長としての自覚があるかすら怪しい
村の存亡の危機なのだ、偏見など捨てて協力を要請すべきだろう
しかしドブロヴォイにはこの尊大な男が頭を下げる様子など
頭には浮かばなかった

一方で、村長は頭の中で計算をした
今、この騎士に村を出て行かれるのは困る
へそを曲げてケンタウロスとの戦いを拒むのも困る
かと言ってルフィーアを殺すと脅すのは逆効果だ
村の戦力全てを当ててもこの騎士一人に壊滅させられるのは目に見えている
その上、略奪に出向いた村人は彼の仲間(全員が少女だという)に
返り討ちにされたのだ
どう転んでも自分たちに勝ち目は、ない・・・
言っても無駄だろうが仕方ない、と村長は腹をくくった
「やつらは『トリカゴ』だけでなく
『悪魔の魔女』とも手を組んでいたのです」
村長が言い出した内容は、ドブロヴォイには合点が行った
ただ、真実とだいぶ違っているが
『千年もの間、消失せず伝わるだけでも驚き、か』
それほど人々にとって『炎の魔女』は恐ろしく憎い存在なのだろう
ドブロヴォイは兜の奥で歯噛みした
自分に力が無いばかりに
あの少女に、悪魔の王の名を冠しそれに比類する力持つ少女に
過酷な十字架を背負わせ、今に至るまで伝わる汚名を被せてしまった
「分かった、ならそれでいい
ただし、あの少女には絶対に手を出すなよ?
私は神ではないのだ
ケンタウロスとヴェストリ族の両方を相手などできんからな」
さすがにこれなら理解できるだろうと
ドブロヴォイは少女の安全を確保可能な言葉を考え口にした
「ところで、ノルズリの方に反応しましたわよね?
心当たりでもあるのなら正直に話してくださいません事?」
キーラは村長へ顔を向けた
彼女は村長が『ノルズリ』と言う言葉を聞いた時に
驚いた顔を向けたのを見逃さなかったのだ
「あ、ああ・・・ピノワールの事だ
アイツは、ノルズリの捨て子なのだ」
それまで笑みを浮かべるだけだったキーラの表情が
初めて驚愕に変化した

(つづく)

 

解説

解説:クロワルース
オリキャラ&デコキャラ
名前の由来は史実『カニュの反乱』関連のフランスの都市
アルボアさんのとこの『ノルズリ』とあまり仲の良くない『ヴェストリ』の少女ですが
共通の友人『カオニュ』の縁で個人的にアルボアさんたちとも仲良し
職業は魔術師で、スペルネームは長が知っています
『カオニュの乱』ではカオニュの友人として参戦しましたが
当時、自身の部族がしでかした策については全く知りませんでした

ではまた

 

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