Monster Makers’ Conflict-第1部第2章第9話:ネオ・フェニキスの皇子 | 回廊蝦蛄日和

Monster Makers’ Conflict-第1部第2章第9話:ネオ・フェニキスの皇子

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第1部リザレクションの序章

オリジナルネームド
愛すべきバカ皇子出撃回です

第2章:炎の魔女を探して

第9話:ネオ・フェニキスの皇子

「全滅、だと・・・・・重神馬隊が!?」
一向に戻って来ない『切り札』たちを迎えに行かせた兵士から
思わぬ報告を受け、司令官の男は絶句した
過酷な訓練を潜り抜けてなお振り落とされなかった猛者たち
槍はおろか魔法すら通じない重厚かつ特殊な甲冑に全身を包んだ
帝国の皇帝かその血族のみ率いる事が許される
それが、全滅したなど冗談ではない
このまま帰れば兄や姉に何と言われるか
何より皇帝である父を失望させることになりかねない・・・
男はネオ・フェニキスの皇子だ
しかし生まれは低い身分の貴族令嬢が母であり
生を受けた時はすでに兄や姉が多くいた
王位など彼の手に届く範疇には無い
しかし、それでも彼は皇位を求め突き進んだ
それが父たる皇帝への最大の親孝行であり
父を愛し毒杯を代わりに飲んで亡くなった母の無念を晴らす手段だと
思っているからだ
あの直後にアルボアとかいう女が捕まり城門に吊るされたが
彼は当時、幼いながらに彼女は犯人でないと察していた
「母を殺した犯人に言いたい事がある」と人払いをし
話を聞きに行った
敢えて大声で罵倒の言葉を叫び、外にはそれしか聞こえないようにして
彼女の証言を一言一句記憶した
そして彼女は無実だと確信した
しかし力が無い自分はそれを覆すことはできない
だから約束を増やす事にした
いつか、真犯人を裁き彼女の無実を晴らす、と
たとえ犯人が王家の者であったとしても
『最期に人間と話せたこと』に礼を言った
彼女の声を顔を今も忘れてはいない
憔悴しきった、生きる事を諦めた、来世に期待する人間のそれだった
吊るされる前に見た
彼女の鍛え上げた肉体に刻まれた傷の数々からも
それまでの苦労が知れた
出会ったのは1時間にも満たない短い間だったが
アルボアの存在は皇子の心にしっかりと刻まれた
『お前のような人間が二度と生まれぬ世の中を、絶対に作ってやる!』
皇子は心の中で改めて彼女に誓い、指示を出した
「かくなる上は、私自ら出る!」
*
*
*
グラナールは焦っていた
「ガマグチヨタカ将軍はどこへ?」
だから、この状況を唯一どうにかできる人物の居場所を
暢気に『掃除』をしているセシリアに聞いた
「御褒美をもらいに行くと言われて
転移しました~
行先は『まかい』とか言っていました~」
『魔界』、そこがどのような場所なのか問うほど
グラナールは愚かではない
「グラナール様の事も報告してくださるそうですよ?」
「そ、そうか、それはありがたい・・・」
できれば『褒美』を頂戴するまで生きて居たいのだが・・・
目の前に寝そべる『蒼龍アリクレール』は
グラナールをジロリと睨んでいた
何もしてこないしセシリアに汚れをふき取ってもらうに任せている
先ほどの戦闘でケンタウロスを捕食して満腹なせいだろうか
ひたすら大人しいのだが、非常に危険なドラゴンであることに変わりはない
しかも、気が触れている・・・・・
気まぐれに自分たちを噛み砕くなど造作もない事で
こいつはいつそれをしでかすか知れない
セシリアでは盾にもならない・・・
グラナールは狂える暴龍と積極的にスキンシップを図るシャーズの治癒師に
ハラハラしつつ
唯一アリクレールをどうにかできるマスターの早い帰還を願った
*
*
*
私はリュミール、吟遊詩人だ
レイにルフィーアの看病を頼み
シャニーたちの案内で『塚』の場所まで行ったのだけど・・・
何があったのか、あちこちに血の跡があった
ついでに真新しい土饅頭も
・・・掘り起こしちゃいけない類だろう、きっと
「!?塚が、壊されてる!!」
シャニーが驚きの声を上げて壊れている石碑へ駆け寄った
「ない!
ここにあったはずの封印の箱が、無くなってる!!」
シャニーの慌てぶりから、それがかなり重要なものだと分かる
「ね、ねぇ・・・これ見て」
私たちはドミニクが指さしたものを見た
窪みかと思ったけど、違う
足跡だ、それもかなり大きな生物の・・・・・・
奇妙な事に、それは一対だけで
恐らく前足だ
下半身を預けたあたりは大きな窪みだけで足跡らしいものはない
「これ、ドラゴン・・・・・アリクレールのじゃないかな?」
かつてそれと対峙した事のあるドミニクが
蒼い色の大きな鱗を拾いながら呟いた
蒼龍アリクレール、ディアーネさんのホリィアクスを巡る旅で現れた
元ヴィシュナス様のドラゴン
ドミニクによると翼と前足があって、下半身は尻尾と一体化している感じの
変わったドラゴンだと言う
ネームドのドラゴンだから転生することもあり得たけど
まさか、こんな近くまで来ているなんて・・・
「まだその辺にいるかもしれない、気を付けて!」
ドミニクの警告に私たちは頷いた
「小娘ども、その話を詳しく・・・」
「出た~~~!!!」
私が止めるより早くドミニクの拳は
急に現れて声をかけたケンタウロスの顎を撃ち抜いて
空高く吹っ飛ばした
「お、皇子いいいいいいいいいい!!?」
お供らしいケンタウロスの兵士が叫ぶ
「あの・・・・・今ぶっ飛ばしたのって
ネオ・フェニキスの皇子なんだけど・・・」
クロワルースがおずおずと声を出す
「え、ドラゴンじゃないの?」
ちゃんと見てから殴って欲しい
結果オーライだったけど
「貴様ら、よくも・・・・・!!」
「許さん!!」
私はささっと近くの地面に落っこちた皇子を捕まえた
首に腕を回して兵士たちへ言い放つ
「許してくれないと、こいつの命は無いわよ!」
「リュミール、それ悪者のセリフだよ・・・」
ドミニクに突っ込まれたけど
元をただせば確認もせずにぶっ飛ばしたドミニクのせいだ
私は悪くないしこれは緊急避難
よって無罪!
「リュミールって闇の軍団の人なの?」
クロワルースが汗を浮かべながら言った
誤解よ・・・
この場を切り抜けるために仕方なくやってるの
本当ならこんな事したくないのよ・・・
「クロワお姉ちゃん、この人たちのこと知ってるの?」
ベステラは私をスルーしてクロワルースに聞いた
・・・ごめんね
そう言えば、今は私が人質にしているこの男を『皇子』だと彼女は言っていた
つまり、クロワルースはネオ・フェニキスの情報を持っているということだ
クロワルースは口を開いた
「ボクたちは、ルフィーアを守るために
あの『大戦』時に全てを裏切ったんだ
姉妹部族のノルズリまで巻き込んで、ね
それは今も続いていて
今の時代になってルフィーアを狙いに来た勢力で一番厄介なのが
こいつらだから、情報を集めていたんだよ」
それなら『侵略者』も厄介だとは思うけど・・・・・・
思い返してみたら、少なくともあいつらはルフィーアの事は狙っていなかった
エルセアやブルガンディのような重要拠点や
『森羅万象破壊砲』なんていうバカげた兵器の開発施設を狙う事はあったけど・・・
あの連中から見て『気弱で優しい魔術師の女の子』は眼中に無いという事なのだろう
実際の彼女はそうだった
ただ、その力は一人の少女が抱えるには大きすぎるくらい大きかっただけで・・・
「『裏切りの民』か、ソイツと行動を共にしているなど
正気か・・・・」
息を吹き返した皇子がクロワルースを見て聞いて来る
クロワルースが傷ついた顔をしたのを私は見逃さない
その罪、万死に値する!!
「クロワルースは私たちの友達よ、悪く言わないで頂戴!」
「くけぇ!!」
私が腕に力を込めて頸動脈と気道を同時にキめると
皇子はシメられた鳥の断末魔のような声を出して
またぐったりとなった
「あの・・・殺しちゃったんですか?」
「気絶させただけよ」
私はクロワルースの質問に答えた
敬語になってるのは敢えてスルーしよう
「・・・こういうわけだから、この人連れて帰ってくれない?
ドラゴンも来てるみたいだし」
ドミニクはケンタウロス兵たちへ大きな足跡を指さして言った
私は青ざめて震えている兵士の一人へ皇子を渡す
「早く離れた方が良いわよ
あなたたちのおかげでここを『餌場』と思ってるだろうから
目的が特にないのなら引き上げた方が良いわ」
ケンタウロス兵は壊れた人形のように首を縦に振ると
皇子を連れて走り去っていった
・・・・・怖がり方が異常だと思うけど
足跡じゃなくて私を見て怖がってる気がしたけど
気にしないでおこう、うん
「一度戻りましょう、塚が破壊されたのなら
ルフィーアが目覚めているかもしれないわ」
私はひとまず、ここですることはもう無いと考えて
みんなと一緒に戻ることにした
ドブロヴォイ様にも声をかけよう

(つづく)

解説

解説1:重神馬隊
オリジナル
馬に乗って駆け抜ける重装騎士がモデルです
その甲冑はあらゆる攻撃を想定して作られており
厳しい選抜試験と過酷な訓練を抜けた
エリートケンタウロスだけが入る事を許されました
当然、その実力はネームドの闇の騎士に匹敵する凄まじいものですが
・・・今回は相手が悪すぎましたね、はい(汗)

解説2:皇子
オリジナルのネームドキャラクターです
作中で述べた通り皇位継承権は下から数えた方が早い人
兄姉たちに加えて、さらに優秀な末妹がいる設定です
基本的に典型的な貴族意識の持ち主で
『大戦』の話も『裏切りの民』も知っており差別していますが
自分へ多大な影響を与えてくれたアルボアさんが
『裏切りの民』であることは、まだ知りません
ちょい役のつもりでしたが作ってる最中に面白くなったので
準レギュラーにする予定

 

解説3:森羅万象破壊砲
公式のアイテムです
「オールマイティバーサーカー」と読むそうです
モンタズナ様のゴーレムだったり
ギャグコミックでラクーナさんらが持ち出した大砲だったりと言う
ギャグ時空で無いと使えないようなネタ超兵器

 

ではまた

 

 

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