Monster Makers’ Conflict-第1部第3章第2話:アルボア再び | 回廊蝦蛄日和

Monster Makers’ Conflict-第1部第3章第2話:アルボア再び

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第1部リザレクションの序章

転生したあの闘士が再び・・・

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第3章:炎の帰還

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第2話:アルボア再び

私はリュミール、吟遊詩人だ
「遠回りしたいのなら、ブルガンディ島に行ってみてはいかがでしょう?」
と、すっかりヴィシュナス様に今までの行動を見透かされたので
提案通りブルガンディ島に向かっている
これまで色々あったので、ここを離れたのが遠い昔のようだ
あの悪魔との戦いも今では懐かしい
シャットさんは元気でいるだろうか?
*
*
*
あたしはアルボア、光も闇もない雇われ女闘士だ
ブルガンディ島の宿屋の一つ
安くも高くもない、それなりの宿屋『ハタオリドリの巣』に今は居る
『連れ』と意味不明の言語(共通語でもオークの言語でもシャーズの言語ですらない)で
宿の主人が会話していたから、『連れ』の仲間の経営宿だろう
ともかく、あたしは体が整うまでここで過ごすことにしていた
新しく入った体は孤児の女傭兵で、どっかで捕まり売られたようだ
長いこと捕まっていたせいか、前の体と比べても筋肉が落ちていた
あたしは、もう『リザレクション』とかいうのに巻き込まれるのは御免だった
ネームドになったとはいえ、結局『消耗品』としての扱いは変わらないのだ
時折、異なる世界の自分の断末魔が記憶とともに流れ込むのも
その考えに拍車をかけていた
かといって筋力を維持し増やすためのトレーニングは欠かさないし
今も外で重石代わりに愛用の武器の剣二つを腰にして走り込みをしている
ネームドもやめるつもりは無い
リザレクションに参加しないのと食っていくために仕事をするのは
別問題なのだから
リザレクションが続けばいずれが争いがまた興るだろう
そうなれば傭兵稼業にとっては稼ぎ時だ
特にネームドの あたしは需要が確実にあるはずだ
この生活を抜けたいと思ってはいるけれど
『連れ』に頼りっきりの生活は望んでいないし
あたしは専業主婦になるつもりは無い
いや、まだ勝手に寄ってきた押しかけ旦那な『連れ』と結婚すると決めたわけじゃないけど

その『連れ』はというと、大体昼頃に起きてくる
あたしが朝の修練に出かける時は、大体ソファーで寝息を立てている
寝坊助なのではなく、たぶんだけど、あいつは元々は夜行性なのだろう
そんな事を考えていると、後ろからついてくる気配を感じた
気付かないふりをして走り込みを続ける
ボンベート山の麓あたりの開けた坂へ来たところで、
あたしは後ろを向いた
剣はすでに抜いてある
大の男が両手で本来は扱う両手剣に該当するものを
それぞれ片手に持って構えた
カッコつけで持っているわけじゃない
片手剣のように振るい動けるように、あたしは常に体を鍛えている
「ほう、わらわにすでに気づいていたのか」
隠れる場所はないから尾行者は丸見えだ
相手は紫色のローブを身に着けた女性だった
・・・どっかで見た記憶がある
けれど思い出せない
「アルボア、話はモンタズナから聞いているぞ
魔術師の世界を作りたがっているはずのヤツが
珍しく目にかけている非魔術師だと・・・」
そういえば、そんな話しはあった気がする
ただ、あの人は結構飽きっぽいから今それをやっているかどうか疑わしい
いや、それより・・・
「・・・誰?」
あたしが聞くと、女は少しコケた
「ふ・・・ふふふ、まさか闇の軍団に
わらわを知らぬ者が居ようとは・・・」
地べたに倒れるのを必死でこらえ、女は立ち上がる
「私は、闇の女王ガイアーネ
アルボアよ、再び闇の軍団へ舞い戻り
力を貸すのだ」
ビシ!と女はポーズを決めながら言い放った
あたしは剣をしまいながら少し下がった
「・・・イヤ、と申すか?」
声色に不満が感じられた
「前に組んだ奴に、悪魔の生贄にされたからね」
というのは建前で、目の前の女はどう見てもマトモじゃない
自分から『闇の女王』とか言い出す奴と関わり合いになるなんて
ゴメンだった
「それは、気の毒に・・・な
グラナール、だったか?
モンタズナのところにいる悪魔と通じていた奴は?」
あたしは頷いた
「もう、リザレクションとかいうのに巻き込まれるのはイヤなんだ
放っといてくれ」
あたしは女の立つのとは別の方向の坂道を走った
次の瞬間、女は一気に距離を詰めて
あたしの前に立ち塞がり
あたしの目を覗き込んだ
「小娘、不思議なものだな?
お前の目は我ら闇の者どもにあって珍しくも無い目
地獄を見て絶望し、光に背を向けた者の目だ
しかし、自暴自棄ではない」
あ、あたし、ここで死ぬんだ
なんとなくそう思った
せっかく、あたしを大事にしてくれる『連れ』ができたのに・・・
「私の目も見ていただけますか?」
「なん・・・・・・」
ガイアーネの真後ろに『連れ』が居た
ガイアーネは言われた通り『連れ』の目を思い切り見てしまう
ガイアーネはあっという間に石化して動かなくなった
「お、お前、何もそこまでやること・・・・・・・」
『連れ』は、首の後ろあたりから顔をのぞかせる『蛇』と会話している
「中途半端だと被害が大きくなるでしょう?」
てことは、今のって『連れ』の方の仕業か・・・
『目を合わせたらアウト』って今初めて知ったんだけど
まぁさすがにオンオフの切り替えくらいはできてるんだろうけどさ・・・
「何をする貴様!!」
二人の会話をよそにガイアーネは自力で復活して両手から魔術を放った
「あら」
『連れ』は難なくそれにカウンターの魔術を合わせて相殺する
「貴様、我にまで手を挙げるか?」
「私の『石化の呪』を自力で解くとは・・・・・
よく見たらガイアーネ様ではないですか
なぜここに?」
二人いっぺんに話するから、あたしには訳が分からないが
「石化する前に気付けなんだか?」
ガイアーネは聞き取れたらしい
どうやら二人は知り合いらしい
「アルボアさん安心してください
彼女は詐欺師ではありませんよ」
ホエイは、あたしに声をかける
巻き込まれたくないし巻き込まれたら面倒なことになる気がすごくするんだけど
「はぁ!!?
わらわ、そんなこと思われていたのか!?」
地団太踏んでガイアーネは文句を言う
「仕方あるまい、あの滅亡から1000年も経過しているのだ
我も貴様も、すでに忘れ去られて久しいであろうよ」
『蛇』がガイアーネに言った
ともかく、あたしの寿命はもう少し延びそうだ
できれば、天寿を全うしたいのだけど・・・
*
*
*
そのころ
「エルセアもすごかったけど、ここもすごいねグリン!」
ガーラの依頼でブルガンディの港には
水色のウィッチローブの少女と
彼女を守護するオークの騎士が降り立っていた

(つづく)

 

解説1:闇の女王ガイアーネ

公式キャラクターでリザレクションでの参戦が見られていない人物
ゲームでラスボスを務めるなど、その実力は闇の勢力でもトップクラス
あの「赤い髪の魔女」ですら彼女にしてやられることもあるほどです
カードでの参戦があるかと思ったのですが
現時点までそれは確認されていません
ゾール神と因縁のある「光の子」が参戦したので
彼女にはこっちで出てもらうことにしました
それと、気になる彼女の種族ですが・・・・・・・
どの資料にもはっきりと書かれていないので
もとは恐らくすでに絶滅した古代人種と思われます
耳を隠す髪型と顔の飾りも、肉体の種族に縛られないためかもしれません

 

解説2:女闘士アルボア

闇の側視点の主人公として活躍します
また、光でも闇でもない
英雄ですらない一個人からの視点も展開予定

ではまた

 

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