【小説・ノベル感想】レ・ミゼラブル ヴィクトル・ユゴー(Victor Hugo) 著【書籍感想】【レビュー】【ネタバレ注意】 | 回廊蝦蛄日和

【小説・ノベル感想】レ・ミゼラブル  ヴィクトル・ユゴー(Victor Hugo) 著【書籍感想】【レビュー】【ネタバレ注意】

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レ・ミゼラブル  ヴィクトル・ユゴー(Victor Hugo) 著

 

アニメやコミックにもなっている不朽の名作です!
なおエビシャコの推しは「パトロン・ミネット」

 

レ・ミゼラブル  ヴィクトル・ユゴー(Victor Hugo) 著
あらすじと感想

 

こんにちは、こんばんは
エビシャコです

レビューまいります

 

・はじまり

 

この物語は、一人の男がパンを盗むことで始まります
犯行時に銃を所持していたため下された判決は「懲役5年」

・・・・・・・・・・・・・・・

ジャン・バルジャンさん
あなた、一人か二人殺しました?
でないならこの判決下した判事の頭がおかしいとしか・・・

なお、この年数は脱獄の誘いに乗ったりしたために最終的に19年にまで伸びます

そして出所後・・・
どこの家も泊めてくれなくなります
金を払うと言っても泊めてくれません

パン盗んでこれって、殺人とか強盗とか放火した日にはどんな制裁待ってるでしょうね・・・?

あなたの攻撃喰らったらリント即死ですけど!!?

 

さすがに
パン一切れが人命よりも重い
とか言う
下手なディストピアも真っ青なブラックな社会とは思いたくないですけど

 

・司教(「聖人君子」)

 

「ジョジョの奇妙な冒険第4部~ダイヤモンドは砕けない~」に
「トニオ・トラサルディー」というイタリア料理店を経営するスタンド使いが出ます


彼は決してその能力を悪用することなく、店に来てくれた人を幸せに健康にする事
それだけのために料理を作りスタンド能力を使っていました
私利私欲のためにスタンドを使う(殺人に使うとかチャメシインシデント)輩が多い中、
彼のこの真摯な姿勢と善良な心はジョジョファンの心をがっしりと掴みました
「聖人君子」、まさにこの言葉がふさわしい人物であると誰もが認めています

どうしてこんな話をいきなりしたかと言うと・・・
この物語にも「聖人君子」が出るからです
名を「ミリエル」
司教をやっていますが決して生臭坊主ではなく、生活必要最低限(自分と妹たち2人の計3人が暮らしていける最低限)以外のお金は
全て寄付
その人格から盗賊すらも彼に寄付を寄こすほど・・・

そして、彼との出会いによってジャン・バルジャンは変わります

 

・テナルディエ

 

正直
出てくる物語が違ったら噛ませ犬にされて惨殺という末路でもおかしく無かった小悪党です
ファンティーヌさんから娘コゼットを養育する代わりに大金を送るように要求
大金をせしめる一方で、コゼット嬢は奴隷同然の扱いに・・・


なお、それで生活が良くなるわけではなく
どんどん家族巻き添えで転落していきます

 

 

・コゼット

 

この物語は彼女の物語ともいえるほどの重要人物です
ファンティーヌさんの娘で最初はテナルディエ宅に預けられていましたが・・・
ファンティーヌさんを保護したジャン・バルジャンが彼女を救出し
養子にしました
こうして彼女はやっと「人間の少女」としての人生を歩み始めます

 

・ジャベール

「正義を振りかざす奴が暴走するとこうなる」の典型例
警察官ですが、法を順守するあまり融通が利きにくい
・・・などという言葉でお茶を濁すことができないレベルで
やらかしまくっています

コゼット嬢の母ファンティーヌは彼が殺したようなものですが
彼自身その「殺人罪」を「自分に適用」しないので
人によっては「正義に酔ったヒーロー気取りの(ry」に見えるかもしれません

「狂人であることを自覚しながら悪党に情け容赦ない制裁を与える赤黒の人」とか「悪であることを認識しながら信念をただ貫く人」の方がまだマシ・・・

少なくともあなたは該当しませんね!

 

ファンティーヌさんが死んだときに責任とってその場で
速やかに自害していれば評価は変わったかもですけど

 

・マリユス

 

コゼット嬢を射止めた貧乏大学生
フルネームは「マリユス・ポンメルシー」
実家は「ポンメルシー家」という裕福な家です

なお、祖父ジルノルマン氏は「ツンデレ」
孫が可愛いのに傍にいて欲しいのについつい当たったりしてその都度喧嘩になって
孫が出てくと激しく後悔するという、そんな人です


ユゴー氏がこれ執筆したころは「ツンデレ」などという言葉は存在していなかったでしょうに
どうしてこうなったのでしょうね?

ちなみに、彼と祖父が仲たがいしてる主な要因が「支持派閥の違い」という・・・

なんとなく、今のアメリカ社会を連想しますね

 

 

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・パトロン・ミネット

 

最後に、エビシャコ推しのとある集団
主なメンバーは、優男風の殺人者「モンパルナス」
暗闇「クラクズー」、道化役の「バベ」、力自慢の巨漢「グールメル」
「パトロン・ミネット」とは「子猫男爵(犬と狼の間)」の意

夕方に起きてサルペートリエール救済院近くの野原で会合
夜の間に「仕事」をし、明け方には解散
名前を口にしただけで警察はピンとくるほどの犯罪集団にもかかわらず
実体がつかめず、結成後に逮捕にこぎつけたのはたぶん本編の一回のみ・・・


なかなか素敵だとは思いませんか?

コミック版を手にして彼らが出てる事を知り
喜びのあまり、彼らを表現するための素体(MGターンX)を買ってしまいました

ではまた

(追記)
ターンXの完成は別のブログで
コミック版はそのうちレビューしますので
気長にお待ちください

 

 

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追記:コミック版について

 

・内容

 

ほぼ原作小説そのままです
ただ、ところどころ改変があります
ですが、かなりの良改変であり原作を壊すことなく
再現されています

パトロン・ミネットが主要メンバー4人だけというのは
寂しい気もしますが・・・
名前のあるメンバーだけでも相当数に上るので
さすがに仕方ないかと
作者の先生も「やむなく削った」と言うお話を
巻末のオマケでされていました

で、お前の判定は


OKです

原作通りにやると、本当にとんでもない数になるので
「主要メンバー4人に絞る」というのは
むしろ賢明な判断と言えるかと

 

・ツンデレ健在!

 

マリユスの祖父のツンデレは健在です
この作品ができた当時は「ツンデレ」などという
言葉は存在しなかったでしょうに・・・


そもそも第二次世界大戦とやらが始まる前だからな

 

そして貴族ならではのやらかしも健在

シャレにならない人は出番ないです;

マリユスに金を渡してコゼットをマリユスの妾にすればいいという
提案とか
(当たり前ですがマリユスは激怒して出て行ってしまいます

江戸時代以前の日本みたいな「強い権力者が多くの異性を囲ってる」環境だと
まだ通じた可能性ありますけどね

なぜ通じるかと言うと、
「この人は自分の!」と主張した上で
きっちりと権利も確保しておかないと
他の男に取られてしまうということが多々あるので

彼の「女」が愛娘の事を指すなど連載当時誰も思わなかったでしょうね・・・

 

その辺のお話はドロドロが過ぎますし
エビシャコはこういうドロドロの方が大の苦手なので
割愛しますが

①まず囲う
②お迎えの環境を整える(お金や住環境の外、周囲への根回しなど)
③お迎え→やっと結婚

こういう流れですね

「吉原」とかいう雌性の地球人が雄性の地球人を迎える場所でも続いていたな


そのあたりは詳しく言うとかなり複雑なお話になるのですよ
それと・・・


なんだ?


・・・地球の外から来た異星人たちにそもそも「遊郭」の概念
理解できるかどうかと言うのがまず最初のハードルなのだと
たった今、認識

確かに
種族ごとに繁殖の様式も異なるからな
クローンで増える奴もいる

 


・・・ですよね(「遊郭」は「繁殖」目的の施設じゃないんですけど;)

 

それでも強い権力者が横やり入れてきて
ドロドロ展開とかあり得たわけでして・・・

この手法は時代劇や小説などでありがちな
「遊郭の遊女と恋に落ちる」パターンでも見られました


お前が良く見ている番組を観察したのだが・・・
大体が「悪代官」が金や権力にモノを言わせて横やりを入れてくるのだったな?


そうそう

そして、もっと権力の強い主人公に叩きのめされるパターンだ

・・・「ちがう」と言い切れないどころか
むしろ当たっているのが、なんとも・・・;

 

さて・・・このことから
武士ですら所持金や扶持の少ない旗本らは
理想の女性の嫁取りにとても苦労しただろうことが
伺えます

これ以上話すと時代劇談義になってしまうので
本筋へ戻りますね

 

・コゼットの誕生

 

かなり精密かつ詳細に描写されています
母ファンティーヌ留学してきた学生たちのグループ
友人の女性たちと一緒になって付き合い・・・


妊娠が分かった頃に学生たちは彼女たちを置いて
故郷へ帰ってしまいます


彼女がコゼット嬢を産んだのはその後でした
そして、「ファンティーヌ」もまた孤児でした
その名前は知り合った大人の男性から付けてもらったようです

こんな人生の彼女ですがしっかり者で
テナルディエ夫妻のことをしっかり知っていたら
コゼット嬢を預けることはしなかったでしょう

で、ジャベール刑事はそんな彼女を
コミック版でも
わざわざどん底に突き落としてショック死させた挙句に
それを全く意に介していないという・・・


・・・うん
この刑事さんにも殺人罪は適用すべきですね

「法の番人」を名乗るのなら、なおさら

「法」とは「平等」であってこそ
もちろん、「人の心」の入る余地はあれど
番人と言えど「例外」はありません

過ちを犯せば当然、
罰せられます

むしろ番人「だからこそ」
罰から逃げることは許されないとエビシャコは思うのです
そうでなければ、番人の威を笠に着て
好き放題やる輩が必ず出てくるので

ジャベール氏は「そんなまさか」と言われるかもですけど
「そんなまさか」が起きない世界なら
そもそも「法の番人」が目を光らせる必要ないですから


時代劇の「悪代官」が良い例だ


あとアメリカのハードボイルドもので出てくる
いわゆる「悪徳警官」もあります

話を戻すと
さらにですね
「相手が貧しいから」「娼婦だから」を許せば
かの「切り裂きジャック」ら快楽殺人鬼たちの跳梁跋扈を
許すことになるでしょう

人を人と思わぬ彼らには「殺しても誰も文句を言わない人間」など
「ご自由にお持ちください」と書かれた立札付きの
ボックスに入ったオモチャと同じです

ジャベール刑事が彼らの仲間入りをしたいというのなら
止めはしませんが

 

・黒いパン

エビシャコ大好きのライムギパンですね


お前はわざわざ通販で取り寄せたり
パンの本を買ったり作り方を調べたりする奴だからな;

「アルプスの少女ハイジ」で知ってはまりました

さて・・・主人公のジャンバルジャン氏はコゼット嬢を引き取り
養子にしてからもその清貧を変えませんでした
清貧は自分だけでコゼット嬢にはいいものを与えてあげてた模様ですが
コゼット嬢、あんな環境で育ったのに

すごくいい子でして・・・

当然、養父が清貧な生活してることを気にします
食事は一緒に摂ってはいるものの
コゼット嬢には白パンを与え
自分は黒パンを食べています
コゼット嬢、「どうして硬い黒いパンをいつも食べているの?」と疑問を口にします
白いパンを父にお勧めしますが、
「好きだから食べているだけ」とやんわり断るジャンバルジャン氏

美味しいですからね、実際
硬いのもまた一興、ハマると病みつきになります
何より、小麦のパンとは異なるあの味わい
好きな人にはたまらないでしょう

そして「私も食べる」とコゼット嬢が言いだしたところで
ジャンバルジャン氏も白パンをいただくことに

 

あのですね、ジャンバルジャン氏
黒パンの美味しさ素晴らしさは
あなたの代で絶やすべきではないと思うのですよ
むしろ、もっともっと他の人々にも伝えていくべき

(泣くほど!?;)

 

どうしてもというなら、そうですね・・・
ジャンバルジャン氏が焼いてみる、というのはいかがでしょう?
初心者向けに、というなら最初は小麦多めで作って
徐々にライムギの量を増やしていくのです

きっと、コゼット嬢を満足させるライムギパンが
いつか完成することでしょう

そこまでやったら別の物語が始まるぞ;

世界名作劇場「パン職人ジャン」、この後すぐ!

はじめるな!;

 

・バリケード

 

レミゼのクライマックスでもあるので
コミック版でもしっかりあります
突発的蜂起ではなく、ABC友の会が
前々から計画し準備しての武装蜂起と分かります

・・・一言、よろしいでしょうか?

それだけ準備進められるのなら、
立て籠もり籠城ではなく
囮部隊を用いての陽動作戦も交えた
奇襲作戦を立てるべきだったのでは?

(スイッチ入って何か語り始めた!?;)

バリケードが築かれるまで軍が本格的な行動をしていない
と、いう事は時間が十分にあるという事に加えて
「全く動きを感知すらしていない、知らない」という事が
言えます
あるいは
「すぐに鎮圧できるだろうと侮っている

これは重要なアドバンテージです
特に、武装はあるものの数が少ないという状況においては

通り道にトラップ仕掛けまくるとか
路地を把握して上下水道などの通行可能な場所や
建物(裏口まで通過して通り抜け可能なのとか)の地図も作って
市街を密林や山岳に見立てたゲリラ戦を準備とか
色々できるでしょう

そこまでする予算がなくとも
陽動は可能です

囮部隊、と言いましたが別に戦う必要はないです
軍がうまくそっちに注意を向けるような
ちょっとした騒ぎを起こすだけで事足ります

例えば、言い争いからの殴り合いとか
泥棒だと思ったら知人だったとか
屋根の上に上がって降りられなくなったとか

で、手薄になった本丸を電光石火で襲えば
気付いた軍が戻ってくる前に首魁の首を取って
離脱することは可能でしょう

 

(城攻め!?;)

門はどうせ固く閉ざしてるんで爆発物で壁を吹っ飛ばすなり
地下の水道を利用して侵入するなりしましょう
もちろん、入り口は目的終了時には閉ざされているだろうから
出口や逃走経路は別に用意します

手が足りるのならスナイパーが数人欲しいところですね
それも腕の立つ狩人のような

「汚い手段もいとわない」と言うのであれば
本当に手段を選ばない作戦いくつかあるんですけど
マリユス氏たちは「敵拠点周囲の建物に火を放つ」とか
そういう作戦は嫌って却下するでしょうから控えます


こういう人に限ってトップが本当に汚い作戦言い出すと
止めに入るんですよね・・・


それより、だ・・・本気で勝ちに行ってるぞお前;

 


策を献上する以上は勝利を自軍にもたらすことこそ
兵の戦士たちの無駄死にを避けることこそが
策士の務めであると認識しているので
まぁ、成功率はそれでも50%未満なのが痛いところですね

兵数も弾薬も足りないという状態から
どうにか捻出した策です

 

逆に言うと、戦うからには勝つことが前提であるべき、かと
さらに言うと
勝てない戦いは極力避けるべき
やむを得ない事情がある場合を除いて
損害ばかりが目立つ益なき戦いになるのが目に見えるので
士気にも関わりますし

お前だけ別の軍記物語を読んでいないか、と言う危惧が
私の頭から離れないのだが?;

・クラクズー

 

(指揮官モード終了)

パトロンミネット推しのエビシャコが
中でもお気に入りのキャラクターです

コミック版でも出ます
どうやら、ジャベール氏は以前から知っていた模様
たぶんありがちな
「犯罪者サイドでいながら警察にも協力をしている」という
立場の人間でしょう

犯罪者の時は仮面を被り、それ以外の時は外しているので
その正体を知る者は数えられるほどしかいなくなるわけです

実はこういう立場の人間はかなり重要です
「蛇の道は蛇」と言うやつですね
警察サイドから利益をもたらす代わりに
その手足となって動いたり、
犯罪者側しか知らない情報を流してくれたり
かなり有益な人材です

・・・・・・・・・・・・・・

ユラリ・・・

 

マテ;

 

・最後に

 

いかがでしたでしょうか?

活字が苦手と言う方でも
十分に楽しめる上に
登場人物それぞれに深い掘り下げが入っており
(ジャンバルジャンについて考えるジャベール刑事の心理描写など)
より深い味わいを楽しむことができると思われます

まずは「レ・ミゼラブル」の入門書として
お勧めします

ではまた


 

レ・ミゼラブル 小説

 

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