【まんが・コミック感想】衛府の七忍 5 宮本武蔵編 山口貴由 【レビュー】【ネタバレ注意】 | 回廊蝦蛄日和

【まんが・コミック感想】衛府の七忍 5 宮本武蔵編 山口貴由 【レビュー】【ネタバレ注意】

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衛府の七忍 5 宮本武蔵編 山口貴由

 

薩摩の宮本武蔵と「鬼」の戦いに決着!

 

 

衛府の七忍 5 宮本武蔵編 山口貴由
あらすじと感想

 

こんにちは、こんばんは
エビシャコです

レビューまいります

 

・怪物退治

レジイナ姫配下の3人組との対決です
モチーフは恐らく藤子不二雄先生の作品「怪物くん」の怪物3人組と思われます
ちなみに、弱点さえ知っていれば対処できない相手ではありません
狼男は「銀の弾丸」ドラキュラ=ヴァンパイアには「銀の弾丸」の他に聖水や「流れる水」など・・・
まぁ、どれも克服してる可能性ありますけど(そもそも日中活動してるので太陽光は克服済みでしょうし)
確実に殺せる手段は「心臓に白木の杭を打つ」ですね
ただ・・・フランケン=フランケンシュタインの怪物だけはエビシャコも苦慮します
元々は「フランケンシュタイン博士」が死体を加工して作った怪物なのですが・・・
3人の中で弱点らしい弱点が唯一ありません
原作からして「自殺をするため北極点に向かって消えた」というラストのため
死んだのかどうかさえ微妙という・・・
元が死体なので燃やして灰にするしかなさそうですけど、火を付けたら確実に
あの怪力発揮して暴れまわるので、周辺の被害甚大は必至

さて、宮本武蔵は果たして彼らの弱点を知っているのか・・・・・・
と思いましたが杞憂でした
彼個人が素で3人を上回る程度に強いのと
「不死身だったら再生できないようにすればいい」と、
自分の得物(刺しこんだら抜けなくなる仕掛け「武蔵拵え」付き)を狼男とドラキュラに
フランケンシュタインは胸に実高の鎧の兜をめり込ませて倒しました
そして、そのまま助っ人の薩摩武士二人(中馬大蔵と金井文兵衛)に火矢を撃たせ
3人を灰にします

・・・これ、たぶんさっしーだからこそできた戦術で、
一般武士でも真似できないでしょう
そもそも直前にこの怪物3人組のせいで島津軍が壊滅してます

怪物3人を討ち果たしたところへ、島津家久公登場!
涙を流しながら礼を述べ、弔いに「鬼ころ飯」で飲み明かそうと言います
「えのころ飯」の鬼版だと思いますが・・・・・

狼男:襲われた者は死ぬか同じ人狼と化す
ドラキュラ:血を吸われる・体内にヴァンパイアの血を入れられるとヴァンパイア化

なので、たぶん炊いた飯を食べたら
人間やめる事になるんじゃないかと・・・・・・

フランケンシュタインの怪物については
論外
「墓地から盗んだ死体を加工して作った怪物」なんて口にした日には
どんな恐ろしい化学反応が人体で起きるか
想像もしたくないので!!

 

 

・宮本武蔵の生い立ち

 

伝記「宮本武蔵」を読んだ事のある方はご存知かもしれませんが
宮本武蔵は厳格な父のもとで剣の腕を磨きました
この作中でも例外ではなく、12歳の頃は首から銭束を下げて
挑戦者と勝負(相手は真剣)してたそうで・・・

あれ? 何ですかこの空気? やましい気持ちなど無いですよ?

信じてください!

ちなみに、エビシャコが読んだ伝記にもあった
「武蔵少年に父親が小刀を投げるエピソード」もありました
この作中にはそのすぐ後までは描かれていませんが・・・
このすぐ後父と仲たがいした武蔵少年は家出!
寂しくなってそっと家に様子をうかがいに行くと・・・
父親が人を使って家出した武蔵少年の行方を捜している様子に
出くわしました


彼もまた武蔵少年がいなくなって寂しかったのです
で、後日に武蔵少年がひょっこり帰ると
そんなことはおくびにも出さず、また厳しい稽古の日々に戻るのでした

彼を「狂える父」と評した武蔵でしたが・・・
彼の父は息子が死なないための知恵をいくつか授けていました


その一つが「”剣”はとうに廃れている」と言う事です

事実、合戦での死因は「槍」次いで「矢弾」
後、意外と多いのが「投石による負傷」だったりします
それと、刀を振り回す時は大体は「槍が折れて接近戦を余儀なくされた状況」や
「討ち取った敵の首を取る時」くらい
大体、武将から足軽までみんな「槍」を主に使います
「槍」が好んで使われる理由は、恐らくそのリーチでしょう
長ければ長いほど敵を自分から遠い距離で仕留める事が出来ます
「槍」のリーチは当然、刀より上です
そして「鉄拵え」なので「叩斬って懐に飛び込む」がまずできません
破壊せずに飛び込んでも、ぶん回されて殴られます
「金属の棒を振り回す」のと同じなので、穂先に劣るとはいえ
殺傷力はあるのです

さらに、「鉄砲」の登場が合戦を変えました
宮本武蔵は合戦場でこれの威力を嫌と言うほど知ることに・・・

そしてもうこの頃は「大将同士の一騎討ち」など鎌倉時代の遺物でしかありません
刀は、合戦場での活躍の場を、どんどんなくしていったのです

 

・明石レジイナ

 

鬼の手下3人を葬った武蔵は「実高の鎧」を焼魚を焼いた煙でいぶし、匂いを消します
・・・この焼魚って美味しそうですね

そして「実高の鎧」をとりあえず置いておき、
川で水浴びをしていたレジイナ姫の元へ
彼女は自分が「鬼」と化した理由を
「民草に狼藉を働く徳川を赦せない心を神に見抜かれて
るきへる(ルシファー様の事です)に変えられたため」と思っている様子

・・・・・・・・・・・・・・
あなたは別にいいです


少なくとも「美しさ」を持っているので、許します!

さて・・・そんな悶々としてる彼女の所へ武蔵登場!
「鬼と交わった者の武運はどうなる?」など・・・・・
明らかに口説いているとしか思えない言動を連発
レジイナ姫が鬼の姿になると
「むしろ”あり”だ、欲しいぞ!!」と言いのけてレジイナ姫を赤面させます

もう、あなたたち結婚しちゃえばいいんじゃないですかね?

それは死亡フラグと言うものなのです!?

ともかく、両者はそのまま殺し愛に発展
ところが・・・二刀を十字に構える宮本武蔵にキリストの姿を見たレジイナ姫は
「鬼化」を解き、斬られます
宮本武蔵はこれに驚き慌てます
彼は「鬼退治」に来たのであって「少女を殺しに来た」わけではないのです
突然の出来事に珍しく狼狽え倒れたレジイナ姫を抱える武蔵へ
「神様はあなたを赦します」と言ってレジイナ姫は事切れます

これ・・・実は全部演技で、
「力で敵わないから心を壊しに行く作戦」とかだったら
末恐ろしいですけど・・・・・・

彼女は「うしおととら」の斗和子さんみたいな性格
(というか、白面の御方の眷属は全員外道ばかり)でなさそうなので
それはなさそうですね

訂正する点があるとすれば・・・
ルシファー様の御力は、そんなものではないという事くらいでしょうか?
あの御方自ら降臨とか、さっしーどころか薩摩丸々消し飛びますよ

あと、何度もあの御方の名前連呼してたんで
いつ「神は言っている(ry」で時間巻き戻しが来るかと・・・

 

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・大将戦!!

 

レジイナ姫を抱える武蔵の元へ、西洋風甲冑の大男が現れます
それこそはレジイナ姫の父親であり豊臣家臣明石家当主の
「明石ジュスト」でした
「キリシタンの教えで洗脳したことが娘(レジイナ姫)を狂わせ死なせた元凶!」
怒る武蔵ですけど・・・・・・・
この父子が格段におかしいだけであって、
ちょっと頑なな事除けばまだマシな部類ですよ、キリシタンは・・・・・
現代の新興宗教とかよりだいぶ・・・
後年起きる「島原の乱」も、どっちかというと領主の横暴が主原因ですし

さて・・・ここで一つ問題が浮上します
宮本武蔵は「仕官が未だ叶わぬ武芸者」ですが・・・
明石ジュスト(明石全登)は「大阪五勇将」の一人であり
宇喜多秀家に仕える家臣で10万石の知行を治める「武士」です
「身の程をわきまえよ!」「頭が高い!」と叫び斬りかかる様子は
まさに「騎士」!
つまり「素で強い」のです!

騎士殺しのヤン・ジシュカさんがこの場にいたら嬉々として「殺す策」を授けてくれたことでしょうね

そんな彼の圧倒的な力に、さすがの宮本武蔵もピンチに・・・
そこへ、薩摩武士二人組が「実高の鎧」を持って川岸の向こう側にやってきます
中馬は武蔵一途の心で「実高の鎧」を放り投げ、武蔵はそれを自然装着
どうやら、鎧自体が武蔵を「主」と認めているようです

が、それでも彼我の実力差は圧倒的!
武蔵は一時的に気を失います
(この間に武士二人はやられて中馬大蔵は樹上へふっ飛ばされ、
金井文兵衛は真っ二つになって串刺し)
武蔵は目を覚ましこの惨状を見て・・・
己の剣の名でなく、この世に生きる同胞のための鬼退治を決意します

そんな彼の元に飛んできたのは「神童殺し」
あの巌流島の戦いで佐々木小次郎を討った武器でした
武蔵はこれを封印してたそうですが・・・桃太郎卿が見つけ出して
こっそり投げ与えて支援した模様

武蔵はこれを振るい、見事に明石ジュストを討つのでした

(この時、明石ジュストはさっしーに「十字架を背負うキリスト(結構マッチョ)」を見ています・・・父子揃って本当になんなんですかこの人らは・・・

・・・と言うのは、西洋甲冑の弱点は「打撃」
西洋の大剣も「斬る」より「叩き潰す」方に向いています
また、メイスなどの打撃武器もあり
「フス戦争」では農具が意外と活躍しました
特に後に「フレイル」となる脱穀農具が騎士の鎧を叩き潰すのに向いているようで・・・

「打撃」は「硬い鎧越しに中身にダメージを与える」だけでなく
「鎧そのものを壊してひしゃげさせて、中の人体に損壊を与える」ことにもなります
殺すことができなくても、ひしゃげた鎧の金属が食い込んでは傷が悪化するのは避けられません

あと余談ですが、「鎧を着けて戦う」のは「同じ重さの錘を付けている」のと同じなので
川などに蹴落とせば勝手に相手が溺死してくれたりします


「シグルイ」の虎眼道場ではこういう点を踏まえてか、
甲冑を身に着けて水中へもぐり、水中で甲冑を脱いで脱出するという
死と隣り合わせの鍛錬をしていました

戦いが終わり、武蔵は父である明石ジュストの剣を墓標に
レジイナ姫の墓を作り弔います
中馬の「キリシタンは首と胴を切り離して埋めないと蘇る」と言う進言を退けて
「この娘の魂は”ぱらいそ”なる涅槃へ行った」と言い
その墓の前で決意を語ります
「決して許すな 二天一流を!!」と告げ
中馬と共に旅立つのでした・・・

きっといつか、来世あたりでまた出会えるといいですね
そして今度こそ・・・・・


・・・・・・・・・
ま、まぁ、愛があれば種族や価値観違っても
相思相愛になれますよ、うん

シグルイで出た「あの人」の転生活躍の後編はまた後日、
ではまた

 

(追記)

キリシタン大名は悪い人と言うわけはなく・・・
むしろ当時としては西洋の文化をいち早く取り入れていた人でもありました
特に、北条氏滅亡の戦である「小田原征伐」では
22万の大軍で小田原城を囲んでいました&すでに日本のほぼ全国が豊臣秀吉公に屈服しており
秀吉公はただ相手が降伏するのを待つだけという北条氏の敗北確定してた状態
・・・のため、秀吉公のみならず参加してた大名は大体が物見遊山半分で遊んでいたそうです)
高山右近の陣では仏教の影響で肉食が忌避されていた当時としては珍しい
「牛肉」が振舞われており・・・
その美味しさは蒲生氏郷と細川忠興らをはじめとした各大名を魅了して
彼の陣へちょくちょく彼らが来ることになった・・・というお話もあります

 

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