Monster Makers’ Conflict-第1部第3章第1話:ルフィーアとルフィール | 回廊蝦蛄日和

Monster Makers’ Conflict-第1部第3章第1話:ルフィーアとルフィール

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第1部リザレクションの序章

周囲が気付いて動きます

第3章:炎の帰還

第1話:ルフィーアとルフィール

私はリュミール、吟遊詩人だ
パーティーに新たにルフィーアが入り
私たちは彼女をガンダウルフ様のいるバレル修行院へ送り届ける旅をしていた
『迷える闘士を助ける』という曖昧な啓示から始まった旅は
今、ヴィシュナス様から授けられたリザレクションのクエストになっていた
啓示の『迷える闘士』は、このクエストで出くわすかもしれない
と、言うのも
私たちは敢えて遠回りをしている
ルフィーアの希望で予言の塔の跡地へと行き
ヴィシュナス様が見守る中で彼女の墓参りをした
ちょっと何を言っているかわからないけど
本当にこういうことができたのだから仕方ない
ただ、その後で行く道をルフィーア任せにしてみたのだ
ドブロヴォイ様の提案によるものだけど
彼女は明らかにバレル修行院へ帰りたがってはいなかった
クロワルースは何も言って来ないけど気付いているだろう
ベステラとドミニクはともかく
ドブロヴォイ様はとっくに気付いている
もう一人、気づいていそうなヴィシュナス様は何も言って来ない
催促もしてこない
最初こそルフィーアの意思を尊重しているのだと思ったのだけど
どうやら彼女もルフィーアの遠回りに賛同しているようだ
この姉妹は、「ルフィールとルフィーアが出会う」事を避けているのだろうか?
そもそも、私は二人が出会ったら何が起きるかを知らない
ルフィールはルフィーアによく似てはいたけれど
ルフィーア当人は転生済みだ
だからルフィールがルフィーアだという事はあり得ないだろう
では、あの子は一体何なのだろうか?
そこに、答えがある気がした
「そういえば、ここにルフィーアと一緒に来るのは初めてね」
私たちが訪れたのは港町エルセア
かつて聖女エミリオン姉さんが守ろうとして
あらぬ疑いをかけられ追い出された町だ
「急ぐ旅ではない、ここで休息としよう」
そういえば、ほぼ移動と野宿の旅だった
ここで気力の充実を図るべきだろう
この後で何が控えているかわからないのだから
それに、知人たちにも会いたいし
ルフィーアを紹介もしたかった
*
*
*
グリンは夢の中で蒼いドラゴンと対峙していた
鼻先から多数の角が突き出し瞳には狂気を宿す
常にその牙を血で濡らしている暴龍
グリンは背後から優しい少女の声を受け
剣を振りかぶり・・・
「グリン、朝よ~!」
ルフィールの朝を告げる声で一瞬で覚醒した
ドラゴンも剣も鎧も消えた
ここは、バレル修行院
その一角にグリンとルフィールは住まわせてもらっている
ルフィールは魔術師の勉強という仕事があるが
自分はただ鍛えるだけで何もしないのは申し訳ないので
時々、ガンダウルフやリンクから仕事を貰っていた
ブルグナを出た事に今も後悔は無い
ルフィールをはじめとした素晴らしい人々と出会えたのだから
オークに善人も悪人も居るように
ヒューマンにもシャーズにもエルフにも
善人はいた、素晴らしき敬うべき人物もいた
それが分かっただけでも大きな収穫だ
ブルグナに居たままでは、恐らく知ることはできなかっただろう
それに、成し遂げなければならない夢「ドラゴン殺し」がある
オーク社会を目覚めさせ誇りを取り戻すための第一歩
その時は近い、夢はそのお告げだとグリンは思った
「大丈夫?」
「大丈夫、グリン、起きた」
ルフィールに心配させてしまったことを反省しつつ
グリンは寝床から降りた
「グリン、ルフィール、起きたかしら?」
「あ、おはようございますガーラ様!」
グリンたちの前に現れた隻眼の老婆は、文字通りの『生ける伝説』である
歌姫であり魔術師のガーラだった
リザレクションの首謀者とも言われ、最近その復活が確認されたヴィシュナスとも知己の仲
『赤い髪の魔女』ディオシェリルですら彼女には頭を下げるといわれている
そんな彼女ではあるものの、ルフィールは実の祖母のようにすごく懐いていた
彼女にとっては数少ない幼いころからの付き合いのある人物でもあるのだ
「朝食後でいいから部屋に来て欲しいの
頼みがあって、ね」
「はい!」
ルフィールは元気よく返事をした
ガーラは目を細めて彼女の頭をなでる
グリンはそんな光景を微笑ましく見ていた
*
*
*
グラナールは焦っていた
バレル修行院まで、ルフィーアらは遠回りしつつ無事に向かっている
ダンシネインの森に近い南の街道を堂々と行き来して行ったことには仰天したが
幸いなことにダンシネインの森のモンドールらは別の用事で忙しいのと
まだ戦力が揃っていないこともあり
この一行に手出しをせず見送ってくれた
ただし、その用事が『光の子の再臨』というありがたくもないものであるのだが・・・
そもそも、一行を守るドブロヴォイという騎士が強すぎるのだ
准将は彼を知っていて『死にたくないなら絶対に手を出さない方がいい』と言った
『相手することになっても自分では庇いきれないしそんな余裕も無い』という
事実上の白旗宣言添えてまで制止した
召喚可能な悪魔のカードを見せたが首を縦に振ることはなかった
デーモンロードの手札は、まだ召喚可能にはなっていない
悪魔の王の傷は未だ癒えないのか、あるいは本格的復活がまだなのか・・・
とにかく今は、ドブロヴォイと直接対峙するなど願い下げだ
アルボアという『盾』は今はいない
アルボアの代わりを探そうにもアルボアの一件が知れ渡ってしまい
誰もグラナールと組みたがらないのが現状だ
だからグラナールも妨害のモンスターを送る以外の手出しは控えていた
准将が言った通り残らず返り討ちにあったわけだが

肝心のモンタズナはというと報告の度に重々しく頷くだけだった
厳しい罰を受けるよりはましではあるものの
妨害失敗を叱られもしないのは不気味だった
当のガマグチヨタカ准将はと言うと
アルボアと合流できたことを連絡してそれっきりだ
完全にあの女に行き先を任せているらしく、
モンタズナのところにも現れず
エルセアの古巣に連れ戻す気配も無い
その件に関してもモンタズナが了承済みであるし許可もしてあるから問題はないが
もし今この状態で「突撃してでも阻止しろ」などと命令されるのはぞっとしない
しかし、このままルフィーアとルフィールがリザレクションを達成するのも癪だ
そもそも失敗したとはいえ最初に手を付けたのは自分だ
こいつらは自分が仕留めるべき獲物だとグラナールは自負していた
「邪魔するぜ、グラナールってのはドイツだ?」
荒っぽい口調の若い男が港町エルセアの「スズメの御宿」に入って来たのは
そんな時だ
「私がグラナールです」
ものすごく低姿勢に出てきた女将が言うより早く名乗り出る
女将の態度を見て分かった、彼は彼女よりも上の階級の人物だと
それも、かなり上位の・・・
「ガマグチヨタカ准将の上官殿ですか?」
自分が彼と親しい仲だと思わせるべく名前を出して聞いてみた
「あん?
オレがディアトリマのジジイに見えるかよ?」
めっちゃ凄まれた
何だコイツは?
チンピラか?
准将は機械的な所が多々見られるとは言え
トラブルを避けたがる傾向もあって礼儀には気を遣う方だった
世話好きなのか親切なのか、時々手伝いもしてくれたし場合により助けもしてくれた
少なくとも見方と認識してくれているうちは、守ってすらくれる存在だった
が、今日やってきたコイツはそれと真逆だ
最初から礼儀も何もあったものではない
軍人なのかどうかすら疑わしい、末端の兵士でももっとマシだろう
「失礼、彼からは『上役がいる』とだけしか聞いていなかったもので」
文句を心にしまい込みつつ弁明をした
「ったく、あのヤローは・・・
ディアトリマのジジイくらい教えておけよ・・・」
『ディアトリマ』と言うのがガマグチヨタカの上役なのだと
グラナールは記憶にとどめた
ついでに、目の前のこの男はそれと同格かそれ以上の階級だと悟る
面識のある准将の幕僚チーム『パトロン・ミネット』は彼の弟子が主な構成員のためか
異様にアットホームすぎたが
さすがにトップクラスの幹部をジジイ呼ばわりする無礼までは許していないと思いたい
「では、准将殿とは別の派閥の最高幹部殿ですか?」
この質問に気を良くしたのか、男は口元に笑みを浮かべた
「察しが良いな、オレは三巨鳥が一人『タカ』
階級は大将、『トリカゴ』最強の男だ
覚えておけ!」
自分を右手親指で指しながら言うこいつは
とりあえず自己顕示欲求が強い奴と言う事はグラナールは理解した
「して、なんの御用ですか?」
「そうそう、そいつを忘れる所だったぜ
お前、あの炎の魔女にちょっかい出してるだろ?」
グラナールは思わず頷いた
『騙したら殺される』という雰囲気が目の前の男から感じたからだ
「素直だな、気に入ったぜ
オレもそいつに一枚噛んでいいか?」
グラナールは頷いた
首を横に振ったところでこの手の輩は勝手に行動するだけだ
妨害されるよりは身内に引き込んで行動を把握したほうが賢い選択だと
長年の経験で悟っていた
「炎の魔女を、いかがなさいますか?
抹殺か捕獲かで行動方針はだいぶ異なりますが?」
『くだらない事を聞くな』と言いたげな相手の視線を察して
グラナールは後半を付け加えた
「そう、だな・・・・・・
殺すのはガマグチがうるさいだろうから生け捕りで行くぜ
その方が魔王たちも喜ぶだろう」
グラナールは思い出していた
『トリカゴ』には悪魔に与する者が少なくない数いる、と
この男もその一人なのだろうが
准将のような『配下が王に対する敬意』は見られない
と、なると自分のような『悪魔使い』だろうか?
「彼女を、生贄にでもされるので?」
言葉を選らんで聞いてみた
『タカ』は興が乗ったのか、ぺらぺらしゃべり始めた
「生贄、か、いいなソレも
お高く留まる神々も正義面して闊歩する光の連中も
まとめてコケにできるぜ!」
どうやら彼は『神々』『光の勢力』が嫌いなようだ
それも、非道な手段を訴える事すら厭わないほどに・・・
それは、光のやり方に反発して闇に入ったイフィーヌとも
闇の力による世界の抱擁を考えるモンドールとも
魔術師が支配する完璧な社会の実現を考えるモンタズナとも異なる
『復讐者』の理論であり憎悪のこもった声だった

(つづく)

 

解説1:『タカ』

ついにこの章で動きます
ちなみに他の三巨鳥『ディアトリマ』は、
こちらで始めた商売と立て直しで忙しいのでエルセアにひっついていて今は不参加
『ワシ』に至っては本隊と一緒に宇宙へ撤退したのでウルフレンドには居ません

解説2:啓示の『迷える闘士』

ぶっちゃけドブロヴォイの事なのですけど、主人公まだ気づいていません(汗)

 

ではまた

 

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