Monster Makers’ Conflict-第1部第3章第11話:誇りのブリンガー | 回廊蝦蛄日和

Monster Makers’ Conflict-第1部第3章第11話:誇りのブリンガー

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第1部リザレクションの序章

アルボアさん、とうとう「ぶっ壊れ時空」へ巻き込まれます

第3章:炎の帰還

第11話:誇りのブリンガー

私はリュミール、ドラゴンを相手する羽目になった
旅の吟遊詩人だ

=============================================================
<<状況図>>
(←市街地/港→)

<セシリア>
<グラナール><モンタズナ>

<アリクレール(ガマグチ):負傷>

<アルボア>

<ドミニク>

<グリン>
<リュミール><ロリエーン>

<ルフィーア>

=============================================================

グリンさんのおかげで、アリクレールは片腕だ
さらに、ルフィーアの魔術でモンタズナが膝をついた
あいつからの支援の可能性はないだろう
今がアリクレールを倒すチャンスだ
*
*
*
アリクレールは思ったよりも痛覚に弱かった
咄嗟に痛覚を最高レベルまで弱めて傷の再生に全力を注ぐ
自由が利く尻尾で牽制したのは正解だった
割り込んできたオークの戦士は、手練れだ
それも、かなりの・・・・・・
その事実と『グリン』の名前に、
笑みがこぼれた
『王』に土を付けたという情報があった戦士だ
打倒すれば、あの御方はお喜びになられるだろう

などと考えていたら、炎の魔術を見過ごした
慌てて防ごうとしたが、思ったような動きができない
片腕のバランスの悪さを嫌というほど思い知らされる
モンタズナ様には後で謝罪しておこう
*
*
*
アリクレールが翼を羽ばたかせた
それだけで、すさまじい風が起こって私たちは飛ばされそうになる
次の瞬間、尻尾を足代わりに奴は跳ね飛んで突っ込んできた
右腕をふるい、グリンさんを弾き飛ばす
ヤツの狙いは、グリンさんだ
私は地面に倒れながらリュートを構え弾いた
『励ましの歌』で支援するしかできない
・・・いや、まだ方法があった!
「ルフィーア、アリクレールを狙える!?」
「任せて!」
私はルフィーアににじり寄って体へしがみつかせる
・・・・・重い
「ちょ、ロリエーンさん、何を・・・」
「動かないで、弓の狙いが定まらないじゃない!」
ロリエーンさんは腕を回し私の体を重し代わりにして飛ばされないようにしていた
ヒラヒラした服装は余計に飛ばされやすいだろう
「ルフィーア、私の矢にあなたの魔法を合わせて・・・!」
「うん!」
私は二人がやろうとしていることを理解した
なら私は大人しく漬物石の役割を果たそう
「あら、地震?」
地面が揺れている、また噴火かな?
そう思ったけど違った
これは、騎馬隊がこちらへ駆けつける音だ
「放て!!」
その号令と前後する形で、ロリエーンさんの矢とルフィーアの魔術が放たれた
*
*
*
グリンという戦士は、素晴らしい
それがソレの感想だった
こんな状況でなければ、一対一の決闘に興じていたことだろう
だが、今はそんな場合ではない
名残惜しいが片付けて他の支援へ回らなければならない
アリクレールにドラゴンブレスの指示を出した次の瞬間
凄まじい衝撃で脳を揺らされた
挙句、視界が炎に包まれた
ミサイル、ないし焼夷系の弾頭での攻撃でなければあり得ない
この世界においてそれこそあり得ない
そのような技術も兵器もすでにロストしたはず・・・
などと考え視界とダメージの回復をしているうちに
今度は連続した衝撃を味わう
機銃掃射!?
あり得ない、戦闘機なんて飛んでいない
一体どこから・・・・・・
<<警報:高速で接近する物体>>
認識を光学から音響に切り替える
放った音波が捉えた接近する物体に片腕を仕向けた
回避されるが想定内だ
これはフェイント、本命は次に来る尻尾だ
空中では方向転換も姿勢制御もできないだろう
視界が無い分だけ向こうも騙しやすい
まさか、視覚に頼らない方法があって
フェイントまでするなど想定など・・・
そう、勝利を確信していた矢先に、尻尾の激痛にアリクレールが絶叫した
切り払った・・・のではない、刺された
しかも相手は音波で探ってもどこにもいない
「まさか・・・・・!?」
何かが尻尾から背中を伝って走る感覚でその予想の正しさを悟る
咄嗟に仰向けに転がり押しつぶそうと試みたが
その瞬間に強い衝撃とともに重さが消えた
「しま・・・・・・!?」
<<警報:真上より高速で落下する・・・>>
警報が全てを伝える前に
衝撃と同時に全てがブラックアウトした
*
*
*
「ギャアアアアアアアアア!!」
アリクレールが断末魔を上げて倒れた
ロリエーンさんとルフィーアの攻撃は
アリクレールの側頭部に命中して炎が視界を遮った
そこへ、駆け付けた騎士団が放った矢の雨が降り注ぐ
一瞬とはいえ棒立ちになったアリクレールへ
駆け寄ったしたグリンさんの剣が襲い掛かった
アリクレールは片方の腕を振るったが
グリンさんはそれを避けた
次に来た尻尾に剣を突き立ててアリクレールの上に回ると
尻尾から背中にかけて走り、途中で跳んだ
アリクレールが(と、いうよりもたぶんガマグチが)気づいて
後ろに転ぼうとしたようだけど、それは災いした
無防備な喉元を晒す形になり
アリクレールの首は剣を突き立てられた
グリンさんの剣はそのままアリクレールを真っ二つに切り裂いたのだ
モンタズナはそれを見ると、グラナールとシャーズのお姉さんを連れて
どこかへ消えた
グリンさんは、アリクレールの絶命を見届けると
肩で息をしながら、剣を掲げる
そして宣言した
「戦士グリン、仲間たちとともに
ドラゴン、殺した!!」
*
*
*
ホエイの奴がドラゴンの中に潜り込んで
ドラゴンがパワーアップした
そういえば、アイツはああいう技を持っていた
『レイオニック・フュージョン』とか言っていたかな?
まぁいっか、あっちは任せよう
「せぇい!」
あたしは甘く見ていたことを痛感した
あたしは目の前の戦いに集中をしなくてはならなくなった
グラナールやモンタズナ様を守る余裕など無い
ドミニクはよそ見して相手できるような娘じゃなかった
一撃一撃が重い
死んだ経験もないくせに、命を捨てる覚悟をすでにしているようだった
たぶん、後ろのお友達がそれなんだろう
命を懸けてでも守りたい仲間、か・・・
あたしにもあった、でも今はない
残酷な運命は、あたしから全てを奪った上に1000年以上の時間で押し流してくれた
あたしは何をしているんだろう?
湧いた疑問を迷いを瞬時に振るい捨てる
ドミニクは、そんな迷いを抱えて勝てる相手じゃない
ペリエール先生は、あたしの次にとんでもないのを育ててくれた
もしかしたら、それは、あたしの・・・・・・・・
「・・・・・・!」
唇を噛んで感情を殺す
しっかりしろ、今は戦闘中だ・・・!
感傷も嫉妬も、生き延びたら好きなだけすればいい
筋力は互角、ドミニクはあの細腕から想像もできないほどのパワーを出す娘だ
たぶん、あの腕の筋肉の密度は半端ではないんだろう
それでも、大剣というリーチと防御手段を持つ
あたしの方がまだ有利なはずだ
*
*
*
ドミニクはこれまでの事を思い返していた
物心ついたとき、すでに親はいなかった
『お師匠様』が親代わりだった
でも、彼はディアーネたちを助けるために命を落とした
その後はディアーネたちと行動を共にした
いろいろな戦いや冒険を経てもなお
ドミニクには『命を懸けてでも成し遂げたいこと』が見つからなかった
でも、今は違う
リュミールたちと出会いディアーネたちと別れ
新たな仲間とともに歩んだ道
それは、彼女に『守るために戦う事』を教えてくれた
自分の後ろには、ともに歩んでくれたかけがえのない友がいる
港には、自分を「お姉ちゃん」と慕ってくれた妹分がいる
姉弟子もドラゴンも、そっちに行かせるわけにはいかない!
この場で命を捨てることになったとしても・・・!
とはいえ、息が上がり始めている
向こうは、まだ息切れすらしていない
鍛錬と踏んできた場数の差が、ここにきて出始めていた
持久力の勝負になれば、向こうが有利だ
それに、両手剣のリーチがある
切れ味はそれほどでもない、使い古された剣であるものの
それは本来、鎧や馬ごと騎士を斬ったりする用途で作られた剣だとドミニクは見た
鎧すら着ていない自分は、直撃を受ければ確実に重度のダメージを受ける
当たり所が悪ければ死ぬ
体に剣がかすり始めたところで、覚悟を決めた
左腕を犠牲にして剣を止め、がら空きの胴体に叩き込む!
「ギャアアアアアアアアア!!」
その時、アリクレールの絶叫が響いた
「ホエイ!!」
それを聞いたアルボアがアリクレールにそう叫んだ時
ドミニクは覚悟を決めた動作をしていた
剣に切断させるはずだった左腕は受けるべき剣を見失って空振り
がら空きになる胴体に、腹部に叩き込むつもりの拳は
アルボアが想定と違う姿勢で明後日の方角を向いて
想定の位置よりも奥に突っ立っていたため外れた
「わぁ!?」
勢いを殺すことができないまま
ドミニクはそのままアルボアの体に突っ込んだ
*
*
*
あたしは、ドミニクに感心した
なかなかできる子だ
殺すには惜しい
腕と足を折って降伏させよう
ホエイが回復に特化している事は、これまでの付き合いで知っている
切断したとしても自分が言えば完治させてくれるだろう
と、思っていたらドミニクの動きが変わった
目に決意を込めて左腕を前に自らを庇うように出し
突っ込んでくる
腕を犠牲にする作戦だと、分かった
あたしだって、そうするだろう
でも、残念ながら
あたしはそれを見抜いてしまった
ドミニクは見抜かれたことも気づかないまま
あたしに敗北する
イフィーヌの時に味わえなかった『勝利』を
達成感を得ることができる
ペリエール先生に、闇の軍団に
あたしのほうが強いと示す証明にもなるだろう
名が売れれば富も入る、それが今の世の中だ
この生活からも抜けることが・・・
「ギャアアアアアアアアア!!」
アリクレールの絶叫が響いた
血泡を吹く声と肉と骨が断たれる音も聞こえた
これは・・・断末魔だ!
「ホエイ!!?」
あたしはドミニクを一瞬忘れてアリクレールの方を見た
上半身がオークの戦士に真っ二つにされている
戦いに夢中で気づかなかったけど、アリクレールの片腕が無くなっていた
・・・あのバカ、片腕を失った時に逃げていれば良かったのに!
どうしてあいつが逃げなかったのか、理由は考えるまでもなかった
次に、勝鬨を上げるオークの戦士が目に入った
もう会うことがない、ホエイとの日々を思い出す
あたしの中から濃い怒りと憎悪が湧き出した
殺してやる・・・!
アイツみたいに真っ二つに開きにしてやる!!
我を忘れてオークに向かおうとした時
「わぁ!?」
ドミニクの悲鳴とも叫びともとれる声を聴いた
そっちを向いた直後
胸に強烈な衝撃を感じた
乳房が凹む、ドミニクの両手が大胸筋へめり込んでいく
肋骨が壊されて中へ飛び散り
中身もめちゃくちゃになるのを感じた
激痛とともに、あたしは喉の奥から熱いものがこみ上げる
吐き出した
鮮血の塊が、あたしの口から飛び出す
ドミニクは背中にそれを受けた
とっさにセシリアを探したけど
彼女もグラナールも、モンタズナ様もいなくなっていた
・・・あたしは、時間稼ぎに利用されたのか
それを悟りながら体から力が抜ける
あたしは崩れ落ちた
*
*
*
「そうだ、ドミニクは?」
私はドラゴンとの戦いで失念していたドミニクとアルボアを探した
「終わったみたいよ」
ロリエーンさんが指さす方向には
両腕をアルボアの胸にめり込ませているドミニクと
鮮やかな血を吐き出すアルボアが居た

どうやら戦いは、私たちの勝利に終わったようだ

「アルボア姉ぇ!!」
ドミニクは倒れこむアルボアを支えると、ゆっくりと地面に横たえた
「ごめん、こんなつもりじゃ・・・!」
私はルフィーアとロリエーンさんと顔を見合わせて
ドミニクのところに駆けつけた
その時だった
ドン!!
また火山が噴火した
ただ、今度のは噴煙を上げるだけだ
火山弾とかは飛んでこない、穏やかな噴火だった
いや、それより・・・
アルボアは苦しそうに息をしている
「これは、だめだ・・・
胸が完全に潰れちゃってるにゃ」
一緒に彼女を覗き込んだシャーズのお姉さんが呟いた
「そんな・・・・・」
ドミニクは目に涙を浮かべていた
彼女はここまでするつもりはなかったのだろう
ひょっとすると「殺人」も初めてかもしれない
あんなものを喜んでやらかすのは『未確認』だけで十分だ
「気に、するな・・・・・・
戦いの最中によそ見した、あたしが、悪い・・・・・」
苦しげにアルボアが声を絞り出す
「ドミニク、どいて・・・
楽にしてあげないと」
ロリエーンさんはナイフを出すと、鞘からそれを抜いた
エルフの狩猟用のナイフだ
ゴン!
そこでタイミング悪く立ち上がりつつ振り返ったドミニクの頭に
ロリエーンさんの腕が直撃した
ひゅ~ん・・・ザク!
ロリエーンさんの手からすっぽ抜けたナイフが
宙を舞って回転し
アルボアの顔の真横に刺さった
「・・・・・・・・」
アルボアは涙目だ
「(ーωー;)・・・・・・」
シャーズのお姉さん、なんか言って!
「大丈夫、この人は悪いエルフじゃないから
・・・ね?」
私は傍のルフィーアに同意を求めた
「・・・え、え、・・・・・うん」
ルフィーア、どうしてそこで言葉に詰まっちゃうの?
私より付き合い長いだろうから色々な面を知っているんだろうけど
少なくとも今はそれは心の底にしまってほしい
「・・・しゃべれるうちに言っておきたいことがある・・・」
アルボアはドミニクの手を握って言った
「あそこのドラゴンは、あたしの死体と一緒に弔ってほしい
ドラゴンと合体してたやつは、あたしの恋人なんだ
あたしなんか置いて逃げればよかったのに、さ・・・」
私はアリクレールの方を見た
・・・・・だいぶ解体が進んでいる
避難していた人たちも戻ってきて参加するなり遠巻きに眺めるなりしていた
アルボアと一緒の棺に納める分は残ってるといいけど・・・(汗)
「おかしいな、卵がねーぞ?」
そんな声が聞こえた
そういえば、アリクレールはヴィシュナス様のドラゴンだ
女性の魔術師のドラゴンは同じ性別だろう
だから、卵を体内に有していても不思議じゃない
それが無いというのは、どこかですでに産んだか
もしくは・・・・・・・・
「危ない、離れて!!」
私はアルボアの作った血だまりから『泡』が浮かぶのを見た
ロリエーンさんは慌ててドミニクとルフィーアを掴んで
アルボアから離れる
「!しまった!」
シャーズのお姉さんが見ている前で
アルボアの体は伸びてきた『腕』に掴まれて地面に
彼女自身の血の中に沈んでいった
「アルボア姉ぇ!!」
ドミニクがロリエーンさんを振り切って血の海に駆け寄った
そしてそのまま飛び込みを敢行する
ゴチ~~~~~ン!!!!
頭から地面に刺さったドミニクは、動かなくなった
完全に白目を剥いている
時間差で大きなタンコブが膨らんだ
ドミニクの身長は、少し伸びた
「ヤツの・・・ガマグチヨタカの『スタンド』能力だ
あいつは血の中に潜りこんで移動ができる
・・・この私としたことが、遅刻したようだな」
ドブロヴォイ様が駆けつけてきた
「え、ちょ、どうしたの!?」
ロリエーンが叫んだ
逆さになってるドミニクもボロボロだけど、ドブロヴォイ様はそれ以上にボコボコだった
重そうな重甲冑が所々凹んでいて、溶けたような痕もある
「ドブロヴォイ殿、大丈夫ですか!?」
シャーズのお姉さんが駆け寄った
「ご心配痛み入る、だが私はこの甲冑のおかげで中は無傷だ」
後で聞いて知ったのだけど、ドブロヴォイ様は『タカ』と戦っていたらしい
まさか『侵略者』のトップクラスが来るなんて・・・
「私も遅くなりました」
光の玉が海の方向から飛んできて、中からヴィシュナス様が出てきた

(つづく)

 

解説1:グリンのドラゴン殺し

トロール殺しをしたグレードンと対になる方法を考えた末
『みんなと力を合わせて戦いドラゴンを倒した』という形にしました
ヒューマンやエルフらと協調して
ドラゴンを倒すオークの戦士は
オーク大将軍やオーク王のアイデンティティを覆し
危険視するに足る存在でしょう

 

解説2:卵

RPGなどでよくある設定から引用
ドラゴンなどが死ぬ前or死んだ後で卵を遺すというパターンです
主人公が見つけて育てて強力な仲間になる場合や
母親の復讐をするべく後日襲い掛かってきたりと
様々な展開ができる素材です

 

解説3:『スタンド』能力

『ジョジョの奇妙な冒険』より
『波紋』の次に出てきた能力で
今や作品を代表する能力でもあります
そして、すべてが戦闘向きというわけでもなく
時には本体にすら害を与えてしまうものもあるのも
魅力の一つだと思っています

ではまた

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