Monster Makers’ Conflict-第2部第1章第3話:シャットの謝罪
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第2部:歴史の復活
みんなでブルグナへ向かいます
////////////////////////// //////////////////////////第1章:ブルグナの大異変
////////////////////////// //////////////////////////第3話:シャットの謝罪
「すまなかった!
ボクがいながら、こんな事になるなんて!」
シャットは一同へ頭を下げ謝罪した
『素直に謝ること』は、彼の師であるキャプテン・ノーラから教わった中で
もっとも重要なことの一つに当たると彼は認識していた
どれだけ偉い立場になっても、自分の非を認め謝罪できる者のみが
真に偉い人物だと教わった
シャットはそれを含む彼女の教えを胸に今まで生きてきた
今回の件は自分の失態だと彼は感じていた
まず、モンタズナ撃退で闇の軍団はしばらく手を出してこないだろうと
油断していた事
次に、手を出してきたのが末端とはいえ商人ギルド所属の商団である事
最後に、この事件は彼の縄張りであるブルガンディで起きてしまった事
もはや言い訳はできない
下手な抗弁などすればノーラに顔向けできなくなる
そう思った
例の船はすでに『最も信用できる人物』の船団が交代で追跡している
見失うことは無いだろう
「今回はボクが自ら出る、責任者として戦うつもりだ」
「え、シャットさん戦えるの?」
ドミニクの指摘にシャットの胸には言葉の銛が突き刺さり
背後の壁に彼を縫い留めた
「こ、これでもノーラの姉御に鍛えられてんだ・・・ごふっ」
シャットは吐血した
「私も行くよ、リュミールは大事な仲間なんだ!」
「私も、船の上なら軽業師は必要でしょ?
それにリュミールお姉ちゃんとは赤ちゃんの時からの付き合いだもの!」
ドミニクとベステラが声を上げる
「私とグリンさんも行きます
彼女にはたくさん助けられました
だから、今度は助けてあげたいんです!」
「オレも、リュミール助ける、行きたい」
ルフィールとグリンも名乗り出た
「ボクも行くよ」
いつの間にか室内に居たクロワルースが名乗り出る
「と、いうわけでシャットさん!」
シャットはダメージから回復し、よろめきつつも応えた
「ダメって言っても聞かないだろうし
ご指摘通りボクは戦闘向きじゃないからね
いいよ
あと、もう一人戦力を紹介するね」
シャットが合図すると、室内にエルフの女性が入ってきた
「私はエルフのアルル、
リュミールさんと一緒に捕まった兄の救助に来ました
私も、ご一緒させてください」
髪を肩のあたりで切り揃えた少女はそう言って一堂にお辞儀した
*
*
*
私はリュミール、旅の吟遊詩人なんだけど今は闇の軍団に捕虜として捕まっている
「リュミール、か、聞いたことがあるぞ
あのモンタズナめに一杯食わせたそうではないか?」
問題なのは目の前で上機嫌で話しかけてくる、この人物だ
捕まる時はキレていたのと無我夢中だったのとで顔も見ずに殴ったけど
冷静に観察すると、ある人物の特徴と合致する
長い髪の毛に長い髭、鷲鼻の黒い魔術師と言えば・・・
「あなた・・・モンドール、ね
ガンダウルフ様の『ライバル』の」
「いかにも!!
よく知っているな、小娘よ!!」
いや、そんな胸を張ってドヤ顔するようなこと言った覚えはないんだけど?(汗)
今は左右をオークで挟まれて抵抗しようにもできない状態だ
もっとも、ここで暴れても脱出はできないから
暴れたりはしないけど
「あのエルフはどこ?
殺していないでしょうね?」
「ほう、自分の行く末よりもあのエルフを気に掛けるか」
髭を撫でながらモンドールは言った
「だって、私のせいで捕まったようなものだもの
ううん、実質、あのエルフは私が騙して捕まえて船に乗せたのよ!
私が事件の黒幕かつ実行犯よ!」
・・・・・・・・・・・・・・?
空気が微妙になった、私は変なことを言っただろうか?
モンドールは目を見開いてあんぐりと口を開いている
「いや・・・・・黒幕かつ実行犯はワシらなんだけど・・・?」
モンドールは汗を垂らしながら言った
「こいつ、仲間だっけ?」
「いや、ヒューマンはモンドール様の他は
あのミューザという魔女以外にはいないはずだが?」
まだ誰か仲間がいるらしいことを左右のオークの会話から私は知る
『ミューザ』か、どっかで聞いた名前だけど今は思い出せない
「安心しろ、あのエルフは利用価値があるから捕らえたのだ
殺すことはせんし、ワシが許さん」
私はほっとして力を抜く
「良かった、あの荒くれ者どもに
あんなことやこんなことされて死んだほうがマシな目に遭ってるかと・・・」
「いやそんなことになったらむしろワシらが止めるよ?(汗)」
モンドールは汗を垂らしながらツッコミを入れてきた
*
*
*
あたしはアルボア、闇の軍団に雇われている女闘士だ
ケフル山中で部族の長のミューザ長老と再会し、
案内された先のボロ小屋でカオニュと出会った
そこまでは良いんだけど・・・
「あなた、誰?」
カオニュは、あたしの事を覚えていなかった
転生したものの記憶の再生を拒んでいるらしい
「こればかりは、私でもどうしようも無い
本人の問題じゃ」
あたしはカオニュとの生活を思い出す
この子とは赤ん坊のころに出会いお世話をしてあげた
話し相手は主にあたし以外の二人がしていた
あたしは口下手だし会話は苦手だから黙っていることが多かった
でも、カオニュは、そんなあたしにも懐いてくれた
・・・あの子を遺して死んだのは失敗だったと今更悟る
あの子を守るために命を投げ出した気でいたけど、それはあたしの自己満足でしかなかった
結局あの子を傷つけてしまったのだ
あたしは思わず、カオニュを抱きしめた
「思い出さなくても、いいよ・・・・・」
これが、あたしの独りよがりの罰だというなら
受け入れよう
思い出なんて、また作ればいい
二度とカオニュは傷つけさせない、死なせない
あたしのような転生生活は、この子には似合わない
転生・・・ふと、あたしは他の二人を思い出した
ピエテ姉ちゃんの事も
三人とも、今は転生したんだろうか?
「さて、落ち着いたら出かけるとするぞ」
どこへ出かけるのかと、あたしが問う前に長老は言った
「モンドールのところじゃ
アルボア、お前に縁のあるオークも一緒じゃよ」
長老の言葉に、あたしは驚いて
「あ~~~~~~・・・・・」どべし!
思わずホエイを窓から外に放り出した
「なぜ、それを?」
あたしは聞いた
「いや、あのな、そっちは崖なんじゃが・・・
お前はホエ坊を一体なんだと・・・・・」
ミューザ長老は、あたしの質問に答える前にドン引きで言ってきた
カオニュは目が点になっている
・・・悪いことをした、後で謝っておこう
すごい音したけど、たぶんあいつなら大丈夫だ、うん
「まぁよい、お前、子供がいるじゃろ
オークと闇セントールの間に、男女一人ずつ、な」
長老はすべてを見抜いていた
実際にその通りだ
どれも望まないことだったけど、あの子らには罪はない
あたしは育てられなかったけど、無事を祈ってはいた
「二人とも、見つけておいた
ホエ坊とはすでにオークとは出会っているそうじゃ」
あたしに他に選択肢はない
「分かった、行くよ」
信用できる身内をできるだけ集めることが、
あたしのこのクソッタレな転生生活を抜け出す確実な道だろう
それに、カオニュたちのこともある
この新しい時代で、あたしはできることをするだけだ
「あ、あの、いきなり何を・・・」
激突音が聞こえた気がしたけど案外無事にホエイは戻ってきた
崖があるはずの放り出された窓から入ってくる
そういえば、こいつ自力で飛べたんだった
あたしは今更ながらそれを思い出した
(つづく)
<解説>
解説:エルフのアルル
公式設定では女の子ですが「ブルガンディ・ドリ-ム」では男性として登場
その心は!
なんと『双子だった』でした
公式カードテキストも不可思議な文章が書かれているのですが
二人一組の双子だとしたら納得です
ちなみに、服の色が異なる(男の子:青、女の子:緑)という違いがありましたが
リザレクションでは統合され二人とも同じ服装のようです
ではまた
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