Monster Makers’ Conflict-第2部第1章第11話:<エピローグ2>大氷壁へ向かって2
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第2部:歴史の復活
今度こそ第1章は終わりです
////////////////////////// //////////////////////////第1章:ブルグナの大異変
////////////////////////// //////////////////////////第11話:<エピローグ2>大氷壁へ向かって2
あたしはアルボア、出発前の集合地点の広場で亡き妹分の棺を担ぐ女闘士だ
・・・こんなに重くなってたんだな、カオニュ
「あ、あの、坊やたち、お花、入れすぎじゃ・・・・・・」
「何言ってるの、まだ足りないよ!」
後ろのほうでどぎまぎしたホエイが子供たちと何やら会話してた
そうか、それで重いのか
あたしの感動は何だったんだ!?
でも、あの子たちの『カオニュお姉ちゃん』への気持ちを無碍にはできない
今更、花を減らせとか言うのもどうかと思うし・・・
口に出すのが下手な あたしは、結局そのまま棺を担いで行くことにした
たぶんこれ以上は重くならないだろう、きっと
あたしを母親とする記憶を持っているオーク・グロッコはすでに、あたしの隣に来ている
久しぶりに再会だけど、特に話題も無い
第一、あたしにはあの子に母親らしいことをした記憶もない
自然とお互い近くに並ぶ無言の関係になった
それと・・・・・長老の話だと、あと一人戦力が来るらしいけど
そいつはこの場にまだいない
「久しぶりね、アルボア!」
あたしは出発時刻ぎりぎりで廊下の向こうから来た見知った顔に笑顔で頷いた
あたしが口数少ない女ということは、向こうも分かっている
彼女は、金にも薄い茶色にも見える髪の魔術師
少し長い耳は彼女がエルフの血を引く存在だということを示している
この娘はガザン爺さんのとこの、シャロン
あまり良いウワサを聞かない魔術師だ
それでも闇の軍団は男社会でディオシェリル派を除くと女性は絶対数が少ない
だから必然的に派閥を超えて仲が良くなるとかっていうのは結構ある
例外的にモンドール派同士の死霊術師のカオールとトゥレーヌは
あくまでビジネスパートナーっぽいけど
そもそも、シャロンの育ての親のガザン爺さんもめちゃくちゃな奴だ
モンタズナ様の書斎を燃やした事件はモンタズナ派の中でも有名だったし
モンタズナ様はそれをあっさり許したけど
仮にやったのが別の魔術師、例えば思い出すのも癪なグラナールの野郎だったら
同じように許されていたかどうか疑問だ
さらに、ガザン爺さんは魔術師なんだけど知略の類は一切やらない
というか、たぶん、できない
モンタズナ様に命じられた通りに魔術を放って燃やして壊して帰ってくる
それだけが爺さんの仕事だった
魔術師と言ったらお堅い学者肌なイメージなんだけど、あの爺さんは別だ
そんな奴と血縁なのかそうでないのか定かじゃないけど
少なくともそいつに育てられたことが分かっているシャロンの性格もアレだ
彼女もまた燃やすことが好きだ
特に、相手が大事にしているものを燃やして絶望に沈む様を眺めることが
・・・・・闇の軍団ってマトモなのいねーな、うん
一応、こいつはあたしの数少ない友人の一人で
マトモじゃないっていう点では、あたしも人のこと言えねーかもだけど
「グラナールのバカに生贄にされたって聞いた時は驚いたわ
もしも転生して来なかったら、あいつを直接燃やしに行ってたところよ!」
闇の軍団所属で齢が近いのもあって、あたしとシャロンはお互いすぐ親しくなった
ただ、シャロンの奴は・・・・・・・
「それと、ルフィーアが復活したんですって?
絶対に倒して私こそが炎の魔女だと証明してやるから!」
『ルフィーア』に一方的にライバル心を抱いている
あたしもイフィーヌにマウント取りに行った事があるから人のこととやかく言えねーけど
少なくとも、シャロンのは当の本人が全く意識していないだろう話だから
迷惑この上ないだろう
今この時点で面識あるのかどうかすら疑わしい
ひとまず あたしは、すでに合流していたグロッコとホエイを紹介した
「待ってアルボア、そこの赤毛のオークは分かるけど・・・・・
なんで『侵略者』の残党と一緒なのよ?」
言われると思った
「残党ではありません、現役の司令官ですよ私は?」
ホエイが訂正を申し入れてきた
でも重要なのはそれじゃない(汗)
「・・・あの赤ずきんと白い女は今はいないみたいね?」
シャロンはどうやら前にも会ったことはあるらしい
赤ずきんってのはコイツの師匠の事だろう
白い女は・・・・・見た事がない
「女てことは、ダグバ様じゃなくて・・・・・・
いえ、彼女も相当アレですけど・・・・・」
ホエイの反応からして、あまり良い奴ではなさそうだ
『ダグバ』って奴も気になるけどアレなこいつにアレとか言われる時点で
相当な難がある連中なんだろう
【ダグバ様は難あるどこじゃないです byホエイ】
「で、何の目的でアルボアに近づいたか教えてもらえる?」
「恋愛ですけど・・・」
あ、シャロン固まった
ギギギ・・・と錆び付いた音を出してこっちを見る
「信じられないかもしれないけど・・・本当のことだ」
シャロンはホエイを見た、彼女が何か言う前にホエイが言う
「スペルネームも真名も彼女に教えてあるので信頼はしてください」
「は!?
あなた今なんて言ったの!!?」
シャロンがすごく驚いている
『スペルネーム』の重要さは、あたしでも理解できる
『真名』も、似たようなものだろうし
・・・そんな重要なのを、あたしに教えてる時点で
どうかしてると思われても仕方ないかもしれない
「嘘でしょ、アルボアに逆らえないじゃないそれ
正気なの?
・・・いえ、あなたが本気ってことは分かったわ
アルボアなら、あなたを止めることができるってこともね」
あたしの方からも何か言った方がいいだろう
でも、あたしがコイツ関連で言えることは・・・
「シャロン
あたし、奴隷だったんだけどそいつに買ってもらったんだ
おかげで解放された」
ホエイとリザレクション時代に初めて出会った前世の話だけど、
あたしとしてはその契約は今も有効だ
もっとも、コイツに守ってもらうための手段の一つにすぎない
コイツの所有物に手を出すバカなんていないだろう
・・・・・それだけの、はずだ
長くくっついていたからって・・・
・・・よくよく考えると
情とか以前に結構な世話焼かれたな、あたし
毒見含めていてくれると便利だし、何より守ってくれるし
「何か問題でも?」
「あ、いや、いいわ・・・・・・真剣そうだしアルボア嫌がってなさそうだから」
シャロンは頭を抱えつつ認めてくれた
「ただし・・・?」
シャロンが警告を発すつもりで杖の先をホエイに突きつけようとすると
ホエイは素早く身をかわした
「いきなり攻撃魔術撃ち込まないでくださいよ?
私の職場ですらそんな奴いませんからね?」
「私を何だと思ってるのよ!!」
↑※もうぶっ放してる、しかも火炎系魔術
「ほら~」
「あんたが撃たせたんでしょ!!
しかも腕を交差させるだけで防ぐとかおかしいわよ!!」
・・・うん、これ、アレだ
『ハイレベルな連中だけに通じるやり取り』だ
あたしみたいな常人モブが割って入ったら死ぬやつでもある
「ところで、あたしたちはどこへ向かうんだ?」
ひとまず大事な事だけは聞くことにした
「北東にあるゴブル半島じゃ
あそこならメルキアからもグレードンからも見つからんじゃろ」
あたしたちの故郷のベング高原からは遠くなるけど、あいにく今はオーク同伴だ
ブルグナがヒューマンにとって危険な土地であるように
メルキアはオークたちにとって危険な土地と言える
サンセールみたいなオークをただのモンスターと同一視するヒューマンも
少なくないのは現実だ
ひとまず輸送手段とか落ち着きとかができるまで、
安全な場所に留まるのも手段だろう
焦れば最悪すべてを失う、それもあっさりと
英雄ですらそうなる、あたしみたいなモブ上がりの使い捨てネームドはなおさらだと
あたしは長い転生人生で学んできた
(第2部第1章終わり、第2章へ続く)
<解説>
解説1:ガザン
公式ネームド、モンタズナ派所属の魔術師
アルボアさんの説明通りの性格(公式)
ピンキリあるものの、おおよそは知的なインテリのイメージな魔術師ですが
それに全く当てはまらない火力兵器みたいなお爺さんです
どういう経緯があってモンタズナ様の書斎を燃やしたのか知りませんけど
普通はどっかで間違いあったとしてもやらないでしょう(汗)
元ネタの地名は調べたところ
アルボアさんと同じくワインで有名な村(ガザンの村)だったところのようです
該当地域は現在は村は存在せず
「シャトー・ガザン」という有名なワインの生産施設が存在します
よいブドウが収穫できる土地のようで、その周囲にも多くのシャトーがあるそうです
解説2:シャロン
自称「シャロン・ザ・ボマー」(公式)
魔術師ガザンの姪っ子とも娘とも言われています
元ネタの地名は例に漏れずアルボアさんと同じくワインで有名な場所
二か所あったので併記しますが
・シャロン=シュル=ソーヌ
ブルゴーニュ=フランシュ=コンテ地域圏所属
周辺地域はシャロネーズ地区と呼ばれ
ワインや農産物の産地としてだけでなく集積地・積み出し港として栄えていたそうです
現在も商業は盛んとのこと
・シャロン=アン=シャンパーニュ
グラン・テスト地域圏所属
有名なノートル=ダム教会があり、名前の通りシャンパーニュ・ワイン(シャンパン)の生産地帯
(「なんでお前って酒が絡むとやる気そんなに出るんだよ?」byアルボア)
なお、リザレクションが初登場・・・・・かと思ったら、
モンスターメーカー学園のデータで同名の転校生キャラを見つけました
この辺りは今後も絡んでいく予定です
解説3:白い怪人=クリム様
ン・グリム・ゼグ、カンムリクマタカ怪人
『白嵐』の異名を持つ二人いる『王』のうちの一人
モチーフは『二ーベルンゲンの指輪』のクリームヒルト王妃
・・・という設定です
登場はまだだいぶ先
モデルはイギリスの伝説に登場する二体のドラゴンの白い方
解説4:ダグバ=ン・ダグバ・ゼバ
未確認生命体第0号、クワガタ怪人
クセと個性が強いグロンギ怪人の中で突出してオカシイ王様です
ゲゲル勝ち抜いて王様になったのでしょうけど、
あの性格でよく「掟」破らずにザギバスゲゲルまでクリアできたものだと思います
そういう性格の人なので、劇場版で大ショッカーに力を貸してくれたのは奇跡に等しいです
生産的活動一切興味なく、ちょっとでも気に入らないとすぐ燃やされますから
唯一どうにかできる人がラ・バルバ・デ様
彼女の口添えもあって協力してくれたのだと思いますが、
首を縦に振るまでに不運な死者が何人『松明』にされたことやら(汗)
ちなみに「分子を操って物質をプラズマ化する」能力のため
人体発火は回避そのものが不可能
その気になれば苦しませることなく一瞬で灰にすることも理論上できるのですけど
それだと彼は面白くないので、
敢えてできるだけ長い時間苦しめられるような発火方法をやっていると思われます
ではまた
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