Monster Makers’ Conflict-第2部第2章第0話:王姫殿下の憂鬱
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第2部:歴史の復活
第2章開幕です
////////////////////////// //////////////////////////第2章:浮遊城戦争、勃発す
////////////////////////// //////////////////////////第0話:王姫殿下の憂鬱
彼女は退屈していた
彼女は父の言いつけで許嫁の確保した浮遊城で生活している
長寿が珍しくない住人たちの住む世界ということもあり変化に乏しく、
千年前の敗戦で徐々に衰退しつつあった故郷よりは退屈しないで済むと思っていたのだが
浮遊城のある世界は千年経ってもまだ復興すらしていなかった
だから浮遊城に備え付けられていた機能『気象の操作』を見る事と
時折訪れる友人たちとのお茶会が彼女の楽しみだった
最近、父の名を冠するあの魔女も復活した
自分たちに税金を支払い力を借りていたあの黒魔術師グラナールも
意外と使える奴だったと父は言っていた
見に行ったことはあるし、ちょっかいをかけたこともある
『炎の魔女』は退屈しのぎにはなりそうだったが
拉致して来ることはできなかった
『炎の魔女』の仲間、そして『炎の魔女』自身の『守護』はそれほどまでに強力だったのだ
しかし彼女は満足していた
すぐ手に入る玩具などすぐに飽きてしまう
入手が困難で強い玩具の方が長続きするし退屈しのぎにもってこいだろう
そう考えたからだ
彼女の許嫁はと言うと、彼女をほったらかしで
捕らえた聖女のお相手に熱を上げている
浮気をしているわけではない、
(浮気だったらそれはそれで面白そうだとも思ったが)
あの男は食事ごときに恋愛感情など抱かない
あの聖女は彼らアンデッドにとって天敵だ
その血が一滴でも室内に流れれば、たちまちその空間は浄化される
アンデッドにとってその室内は太陽光に満ちた聖域も同じだ
存在すら許されない
だから、彼は考えた
この天敵を闇に堕として力を失わせてしまおう、と
『聖女を魔女に堕とす』のは、悪魔たちの流儀だ
天の権威の失墜につながるし、崇拝者たちを混乱させられる
頭の良い者はそうと知れないまま堕として手駒にしている
最近は武勇より頭脳勝負が流行っているのもあって
打ち倒し力を示すより策謀が好まれた
思考の途中で彼女はふと思い出す
そういえば最近、父に凄く好意的かつ忠誠を誓っている”変わり者”が恋愛を始めていた
相手は短命種で死にやすい女で、なおかつ父たちの『食べかす』なのだが
アレは褒美にソレを望んだ
父たちの晩餐会で見た時はオークと間違えたほどの容姿で
傷だらけで筋肉質な女のヒューマンだったと記憶している
確かにあの女は旨い、感情も心の闇も格別だった
運命を見てみると、その女がどんな星の下で生まれた者か理解できた
気の毒に、神も残酷なことをする・・・・・
それが彼女の率直な感想でありソレを見ることもまた多少の刺激になった
あの女のような境遇の者は珍しくない
ネームドになっていたのはすべての特徴を持つ『代表格』として認められたからだろう
それ以外はモブと変わらないし、ネームドで無いほうが珍しくない女だった
だからこそだろうか、彼女はあの”変わり者”を惹きつけた
そして”変わり者”は、やはり”変わり者”だった
よく人間たちの物語である『恋人のため魔界を裏切った』とかいう話は
アレには当てはまらなかった
あの女を得た後も変わらず配下に列している上に仕事もこなしてくれている
何より父に好意的なのが全く変わらない
・・・・・降って湧いた”極端すぎる好意的な理由”で『食べかす』を欲したとかいう考えを
彼女は頭から消去した
精神面で毒が過ぎる
彼女は別の考えをすることにした
思い出すのは最近の婚約者との会話だ
彼はあの聖女に妹分がいて、その存在が聖女の心の支えになっていると言っていた
その娘は、かつて彼の分身が手を出して失敗した稀有な少女だ
そして今、父の分身とも言える『炎の魔女』
その分身の少女と行動を共にしているという
確か名前は———-
「リュミール、だったわね」
彼女はベッドから身を起こした
そして、この退屈を紛らわす遊びの計画を練り始めた
・
・
・
港町エルセア
モンタズナ派の集う宿屋『スズメの御宿』は今日も閑散としていた
モンタズナをはじめとした主だったメンバーがエルセアの外へ出歩いているためだ
なので必然的に・・・
「そうかそうか、お前は元気で商売もうまくいってるのか!」
女将スズメのもう一つの所属である『トリカゴ』メンバーが集まる事になる
今ここに来ているのは『三巨鳥』というトップクラスの幹部の一人『ディアトリマ』だ
女将は注文通り酒と肴をテーブルに運んだ
そしたらどうせ暇なんだろうと言われ話し相手をさせられることになった
不手際など決してあってはならない相手だ
そもそも本来、自分と異なる雲の上の存在なのだから
だがそんな者たちが辺境の惑星のはずのこの星へ一度は集い、
総司令官までも『母星』とともに来訪し
幾星霜の時が経った今は二人が活動している
冷凍睡眠に入っていた自分と夫はともかく、ディアトリマはずっと活動していたようだった
彼が何の種族なのか女将は知らない
『タカ』はバルタン星人だから千年以上生きていても不思議ではないが・・・
そんな考えを巡らせ話に合わせて頷いているところに
運悪くというか、
たまたま商売先の奴隷商店舗から帰宅していたスズメの亭主カッコウが鉢合わせた
回れ右して逃げるわけにもいかず、彼もまた話し相手になるしかなかった
「ああそうだ、良いこと教えてやろう
もうすぐお前のところは忙しくなるぜ
戦争が始まるからな」
興が乗って上機嫌になったディアトリマは酒が入ったのも手伝ってか
そんなことを言い出した
どういう事か、聞く前にディアトリマ—ドレイク商団の長フランシス・ドレイクは言った
「もうすぐヤコブレイトがメルキアに攻撃を仕掛ける
モンドールの、確かグレードンだったか?
そのオークどももそれに続くだろう
退屈なリザレクションの時代は終わりってことさ!」
(つづく)
<解説>
解説1:彼女
魔界の王女様です
恋人はヴァンパイアのノーブル様(本体)
彼女はカードとして参戦されておられますが
プレイヤーが呪文(「サモン・ダークプリンセス」)を会得すれば召喚が可能
ただ、その行動は気まぐれで
場合により超絶不機嫌な時に呼び出すとプレイヤーに危害を加えることもあります(公式設定)
解説2:戦争
カード「望郷の防人」より
プレイヤーも知らない間に「浮遊城戦争」が勃発したというお話です
カード入手時に一番驚く羽目になるのはGMでしょう
公式テキストなので無視することもできません(汗)
ではまた
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